【第七回日本翻訳大賞】『失われたいくつかの物の目録』と『マーダーボット・ダイアリー』が受賞
日本翻訳大賞実行委員会は、第七回日本翻訳大賞の受賞作を発表しました。
第七回日本翻訳大賞が決定!
第七回日本翻訳大賞の選考会が5月16日に開催され、次の通り受賞作品が決定しました。
<第七回日本翻訳大賞 受賞作品
◎ユーディット・シャランスキーさん著/細井直子さん訳
『失われたいくつかの物の目録』(河出書房新社)
◎マーサ・ウェルズさん著/中原尚哉さん訳
『マーダーボット・ダイアリー』上・下巻(東京創元社)
選考委員は、岸本佐知子さん、斎藤真理子さん、柴田元幸さん、西崎憲さん、松永美穂さん。
授賞式は6〜7月頃にオンラインで開催される予定です。
また、5月25日(火)放送のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の「翻訳大賞特集」(20時〜)に、受賞者の細井直子さんと中原尚哉さん、選考委員の柴田元幸さんが出演予定です。
なお、今回の最終候補作は以下の5作品でした。
【第七回日本翻訳大賞 最終候補作】
◎『アコーディオン弾きの息子』(著:ベルナルド・アチャガさん、訳:金子奈美さん/新潮社)
◎『失われたいくつかの物の目録』(著:ユーディット・シャランスキーさん、訳:細井直子さん/河出書房新社)
◎『1984年に生まれて』(著:郝景芳さん、 訳:櫻庭ゆみ子さん/中央公論新社)
◎『フライデー・ブラック』(著:ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーさん、訳:押野素子訳さん/駒草出版)
◎『マーダーボット・ダイアリー』上・下巻(著:マーサ・ウェルズさん、訳:中原尚哉さん/創元SF文庫)
日本翻訳大賞について
日本翻訳大賞は、「翻訳家がつくる翻訳賞」です。2014年、「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」という翻訳家・西崎憲さんのつぶやきに、ゲームクリエイターの米光一成さんが賛同したことがきっかけとなり、設立されました。
12月1日~翌年の12月末までの13ヶ月間に発表された翻訳作品中、最も賞讃したいものに贈られます。ただし、再刊、復刊は対象外。また、選考委員が翻訳した物、翻訳に協力した物、解説・帯の推薦文等を書いた物も対象外となります。
1次選考では、ウェブ上で一般読者の推薦を仰ぎます。一人1冊の推薦が可能で、推薦書籍の中から上位10冊を選出。選考委員もそれぞれが無記名で1冊ずつ推薦本をあげます。それらを2次選考で選考委員が吟味のうえ投票し、5冊に絞り込みます。そして、最終選考では5作品を全員で討議のうえ、大賞を決定します。大賞は1作品(または2作品)。受賞作なしもあり得ます。
失われたいくつかの物の目録 ユーディット・シャランスキー (著), 細井直子 (翻訳) 海に沈んだツアナキ島、絶滅種カスピトラ、不死身の一角獣、年老いたグレタ・ガルボ、サッフォーの恋愛歌、マニ教の7つの聖典、キナウの月面図…。自然、歴史、文学の魅力を詰めこんだ、「喪失」をめぐる12の物語。「もっとも美しいドイツの本」に選ばれた「驚異の部屋」!!!ヴィルヘルム・ラーベ賞受賞。 |
マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) マーサ・ウェルズ (著), 安倍 吉俊 (イラスト), 渡邊 利道 (その他), 中原 尚哉 (翻訳) 第7回日本翻訳大賞受賞 「冷徹な殺人機械のはずなのに、弊機はひどい欠陥品です」 かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になった。しかし、連続ドラマの視聴を密かな趣味としつつも、人間を守るようプログラムされたとおり所有者である保険会社の業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、ミッションに襲いかかる様々な危険に対し、プログラムと契約に従って顧客を守ろうとするが……。ノヴェラ部門でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞受賞を達成した傑作! |
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