千早茜さんが「友情」という言葉ではくくれない繋がりを描く『ひきなみ』を刊行 著者インタビュー&試し読みを公開
千早茜さんの「第6回渡辺淳一文学賞」受賞後第一作となる小説『ひきなみ』が、KADOKAWAより刊行されました。
「友情」という言葉ではくくれない、胸揺さぶられる傑作!千早茜さんの最新小説『ひきなみ』が発売
《桜木紫乃さん推薦!》
「どんなに苦しい今でも、生きづらいなんていう言葉で片付けるのはよそうと思った。」
本書は、小学校最後の年に瀬戸内の島で出会った二人の少女が、脱獄犯との事件を経て遠ざかり、大人になって出会い直すまでを描いた物語です。
前後半で色の変わる今作には、著者の持ち味であるイマジネーション豊かな描写と、現代では避けられないどこまでもリアルな葛藤の両方が盛り込まれています。また、「なぜ少女は脱獄犯の男と逃亡したのか」というサスペンスフルな仕掛けに、一気読み間違いなしです。
「友情」という言葉では簡単にくくれない人のつながりを描き切った、胸揺さぶられる作品です。
★文芸WEBマガジン「カドブン」で著者インタビュー公開!
「逃げたいときに逃げられるひとは限られている」
https://kadobun.jp/feature/interview/ckgujqhysmos.html
★「小説 野性時代」公式noteで試し読みスタート!
https://note.com/yaseijidai/n/n9cf4166cddb3
★作家・大前粟生さんによる書評
「ここに私がいるということ、ここに私がいたということは、絶えず世の中を揺さぶっている――」
https://kadobun.jp/reviews/473de50sitkw.html
★新井見枝香さんによる厳選小説5作品
「千早茜を初めて読むならこの本がおすすめ!」
https://kadobun.jp/feature/readings/56ro4ljywa8s.html
『ひきなみ』について
<あらすじ>
私たち、ずっと一緒だと思っていたのに。彼女は脱獄犯の男と、島から消えた――。
小学校最後の年を過ごした島で、葉(よう)は真以(まい)に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。
裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。
女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた二人の少女。
大人になった彼女たちが選んだ道とは?
著者プロフィール
著者の千早茜(ちはや・あかね)さんは、1979年生まれ。北海道出身。立命館大学文学部卒業。小学生時代の大半をアフリカ・ザンビアで過ごす。
2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2009年、同作で第37回泉鏡花文学賞も受賞。2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞を受賞。2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を受賞。
他の著書に『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』や、クリープハイプ・尾崎世界観さんとの共作小説『犬も食わない』、宇野亞喜良さんとの絵本『鳥籠の小娘』、エッセイ集『わるい食べもの』『しつこく わるい食べもの』などがある。
ひきなみ 千早 茜 (著) 装丁:大久保伸子 |
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