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17年前に刊行、重松清さん『ビタミンF』がブレイク!大量重版で累計80万部突破!

重松清さん著『ビタミンF』(新潮文庫)

重松清さん著『ビタミンF』(新潮文庫)

重松清さん著『ビタミンF』(新潮文庫)が昨年末に火がつき、3月25日の重版出来をもって50刷を突破。85,000部を増刷、累計発行部数は817,000部となりました。

 

このビタミンは、心に効く! 営業部員の熱意で大量重版、累計80万部に到達!

2003年に新潮文庫から刊行された重松清さんの『ビタミンF』が今、売れに売れています。

 
短編七編が詰まった直木賞受賞作は重松清さんの代表作の一つではあったものの、昨年末からたちまち人気が再燃。年明けも勢い止まず、ついに単行本・文庫を合わせた累計発行部数が80万部を突破しました。店舗での週間売上ランキングで『ビタミンF』が1位となる書店もあるほどです。

 
2003年発売の文庫作品が2021年に急浮上。そのきっかけは、新潮社営業部員Aさん(40歳・男性)の作った一枚の販促用パネルでした。

「入社当初、20代の頃に『ビタミンF』を初めて読んだときは正直あまりピンと来なかったのですが、40歳を迎えて改めて読むと、涙が止まりませんでした。それは主人公が今の私と同年代だからです。仕事も家庭もピリッとせず、何とも中途半端な年代。コロナによる閉塞感も重なったのかもしれません。今の自分と重なる部分ばかりで、気が付くと山手線を一周して涙が頬を伝っていました。この気持ちを誰かと共有したい!と思い立ち、もう一度仕掛けることを提案したんです」(営業部員Aさん)

 
昨年末、5,000部の重版とともに作成したパネルには、「涙腺キラー・重松清 最泣の一冊!」というコピー。このコピーが多くの読者の関心を集め、わずか数カ月で『ビタミンF』を大躍進させました。17年前に刊行された本がこれほどの勢いで手に取られるのは、極めて異例のことです。

 

『ビタミンF』あらすじ

 
<あらすじ>

38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。

「また、がんばってみるか――」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。

 

著者プロフィール

著者の重松清(しげまつ・きよし)さんは、1963(昭和38)年生まれ。岡山県出身。出版社勤務を経て執筆活動に入る。1991(平成3)年『ビフォア・ラン』でデビュー。

1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。現代の家族を描くことを大きなテーマとし、話題作を次々に発表している。

著書は他に、『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『きみの友だち』『カシオペアの丘で』『青い鳥』『くちぶえ番長』『せんせい。』『とんび』『ステップ』『かあちゃん』『ポニーテール』『また次の春へ』『赤ヘル1975』『一人っ子同盟』『どんまい』『木曜日の子ども』『ひこばえ』など多数。

 

ビタミンF (新潮文庫)
重松 清 (著)

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞ。「家族小説」の最高峰。直木賞受賞作!

 


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