『金閣を焼かねばならぬ』内海健さん大佛次郎賞受賞記念講演会「金閣炎上――理性と狂気の出会い」開催
大佛次郎記念館と朝日新聞社は、第47回大佛次郎賞を『金閣を焼かねばならぬ 林養賢と三島由紀夫』 (河出書房新社)で受賞した内海健さんの受賞記念講演会「金閣炎上――理性と狂気の出会い」を6月27日に横浜市開港記念会館で開催します。
第47回大佛次郎賞受賞作『金閣を焼かねばならぬ』の著者、精神科医・内海健さんが語る
2020年(第47回)大佛次郎賞は衝撃的なタイトルの本が受賞しました。
『金閣を焼かねばならぬ 林養賢と三島由紀夫』
本書は、精神科医の内海健(うつみ・たけし)さんの20年来の構想が実を結んだ一作。
内海さんは、放火僧・林養賢が、統合失調症(当時で言う分裂症)を発症する途中過程で金閣を放火したと分析。
当時の誰もが林養賢の動機を看破しない中、三島由紀夫だけが小説『金閣寺』の中で正鵠を射ていたことを、精神病理学のみならず、哲学、文学などのジャンルを超えた幅広い知見から追及・分析しています。
大佛次郎記念館では、内海健さんによる大佛次郎賞受賞記念講演会「金閣炎上―理性と狂気の出会い」を、6月27日(日)、横浜市開港記念会館にて開催します。
【内海健さんからのメッセージ】
昭和25年に起きた金閣放火事件は、戦後の事件の中でも特筆すべきものであるが、さらにそれは三島由紀夫の『金閣寺』(昭和31年)によって特権的な輝きを放つようになった。
なにゆえに三島は、美というものを経由して、放火僧 林養賢の真実を穿つことができたのだろうか。
対極的な精神病理をもち、それぞれ違った方向に旅立った二人がいかにして邂逅したのか、精神科医の立場から今一度読み解いてみたい。
内海健さん プロフィール
内海健(うつみ・たけし)さんは、1955年生まれ。東京都出身。1979年、東京大学医学部卒業。精神科医、専攻は精神病理学。
東大分院神経科、帝京大学精神神経科学教室を経て、東京藝術大学教授・保健管理センター長。
著書に『「分裂病」の消滅』『パンセ・スキゾフレニック』『さまよえる自己』『うつ病の心理』『双極II型障害という病』『自閉症スペクトラムの精神病理』など。共著に『「うつ」の舞台』『発達障害の精神病理』(I・II)などがある。
大佛次郎賞受賞記念講演会 概要
■開催日時:2021年6月27日(日)14:00開演(13:30開場)
■会場:横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1-6)
■料金:800円(全席指定)
※チケットを提示するとテーマ展示「これぞ!大佛歌舞伎」(展覧会期:4/24(土)~ 9/5(日))を1回ご観覧になれます。
■チケット販売
◎チケットぴあ(Pコド:646334) 3/24(水)10:00~6/26(土)23:59
◎大佛次郎記念館窓口 3/24(水)10:00~6/26(土) 16:00
■当日券:残席があった場合のみ、講演会場にて12:30より販売
■主催:大佛次郎記念館/朝日新聞社
■後援:横浜市中区
★詳細:http://osaragi.yafjp.org/info/5935/
金閣を焼かなければならぬ 内海健 (著) 今から70年前、ひとりの青年僧が金閣に火を放った。その理由を問われた男は「美への嫉妬」とつぶやいたという。いや、この「行為」はそういうものなどではない。彼・林養賢に何があったのか。三島由紀夫は、期せずして、その真理を作品の中に描き出した。狂気に秘められた真相を追究・分析するノンフィクション。 |
【関連】
▼大佛次郎賞受賞記念講演会 精神科医・内海健「金閣炎上―理性と狂気の出会い」 | 大佛次郎記念館
◆【第50回大佛次郎賞・第23回大佛次郎論壇賞】大佛次郎賞に平山周吉さん『小津安二郎』 大佛次郎論壇賞は五十嵐元道さん『戦争とデータ 死者はいかに数値となったか』 が受賞 | 本のページ
◆佐藤究さん〈直木賞受賞第一作〉『幽玄F』が刊行 | 本のページ
◆角川文庫75周年記念文庫書き下ろし第1弾!伊岡瞬さん『残像』が刊行 | 本のページ
◆【第22回小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞】小林秀雄賞は平野啓一郎さん『三島由紀夫論』、新潮ドキュメント賞は三浦英之さん『太陽の子』が受賞 | 本のページ