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【第47回大佛次郎賞・第20回大佛次郎論壇賞】大佛次郎賞に内海健さん『金閣を焼かなければならぬ』 大佛次郎論壇賞は鈴木彩加さん『女性たちの保守運動』が受賞

第47回大佛次郎賞&第20回大佛次郎論壇賞が決定!

第47回大佛次郎賞&第20回大佛次郎論壇賞が決定!

朝日新聞社は、優れた散文作品に贈られる「第47回大佛次郎賞」および、優れた論考に贈られる「第20回大佛次郎論壇賞」の受賞作品を発表しました。

 

第47回大佛次郎賞&第20回大佛次郎論壇賞が決定!

第47回大佛次郎賞および第20回大佛次郎論壇賞の受賞作品は次の通りです。

 
■第47回大佛次郎賞
内海健(うつみ・たけし)さん
『金閣を焼かなければならぬ 林養賢と三島由紀夫』(河出書房新社)

■第20回大佛次郎論壇賞
鈴木彩加(すずき・あやか)さん
『女性たちの保守運動 右傾化する日本社会のジェンダー』(人文書院)

 
大佛次郎賞を受賞した内海健さんは、1955年生まれ。東京都出身。東大医学部卒業。精神科医、精神病理学者。東京藝術大学保健管理センター教授。

大佛次郎論壇賞を受賞した鈴木彩加さんは、1985年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。大阪大学大学院人間科学研究科招へい研究員。

内海さんと鈴木さんには、それぞれ賞金200万円が贈られます。贈呈式は2021年1月28日に東京都内で、朝日賞、朝日スポーツ賞とともに開催。

 

大佛次郎賞および大佛次郎論壇賞について

大佛次郎賞は、小説、ノンフィクション、歴史記述など幅広い分野で活躍した作家・大佛次郎(おさらぎ・じろう)さんの業績をたたえて、1973年に朝日新聞社が創設。その形式のいかんを問わず、優れた散文作品に贈られます。

大佛次郎論壇賞は、大佛次郎賞の評論部門として2001年に創設。「よりよい社会の創造を目指し、日本の政治・経済・社会・文化・国際関係等をめぐる優れた論考」を顕彰します。

 

金閣を焼かなければならぬ
内海健 (著)

今から70年前、ひとりの青年僧が金閣に火を放った。その理由を問われた男は「美への嫉妬」とつぶやいたという。いや、この「行為」はそういうものなどではない。彼・林養賢に何があったのか。三島由紀夫は、期せずして、その真理を作品の中に描き出した。狂気に秘められた真相を追究・分析するノンフィクション。

女性たちの保守運動: 右傾化する日本社会のジェンダー
鈴木 彩加 (著)

彼女たちはなぜ立ち上がるのか
活発化する保守運動に、ジェンダーの視点から迫る

「家族」「性差」を強調する保守に、その社会的抑圧を経験した女性が、なぜ合流するのか。 本書はその実態に、戦後の保守運動史、現代フェミニズム理論、保守派の言説分析、保守団体へのフィールドワークという四つの視点から迫ってゆく。女性による保守運動に内在するアンビバレンスを明らかにし、ジェンダー論にも新たな視角をもたらす社会学研究の力作。

「保守運動内において、女性参加者たちの独自の主張は必ずしもつねに認知されているわけではなく、他の男性参加者の声が優先され女性たちの声は埋もれてしまいがちである。しかし、これまで論じてきたように、保守運動の参加者のジェンダーに着目するならば保守運動は一枚岩ではないことが分かる。女性たちの保守運動は両義的な存在であり、他の男性中心団体や男性参加者と同じ主張を掲げる一方で、彼らと対立する側面も併せ持っているのである。」(本書より)

 
【関連】
大佛次郎賞・論壇賞 | 朝日新聞社インフォメーション

 


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