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【第30回吉田秀和賞】荒川徹さん『ドナルド・ジャッド』と柿沼敏江さん『<無調>の誕生』が受賞

第30回吉田秀和賞の受賞作が決定!

第30回吉田秀和賞の受賞作が決定!

水戸市芸術振興財団は、優れた芸術評論に贈る「第30回吉田秀和賞」の受賞作を発表しました。

 

第30回吉田秀和賞の受賞作が決定!

第30回吉田秀和賞には、候補書籍135点の中から、次の通り受賞作が決定しました。審査員は磯崎新さん(建築家)、片山杜秀さん(評論家/慶應義塾大学法学部教授)。

 
<第30回吉田秀和賞 受賞作品>

荒川徹(あらかわ・とおる)さん
『ドナルド・ジャッド 風景とミニマリズム』(水声社)

柿沼敏江(かきぬま・としえ)さん
『<無調>の誕生 ドミナントなき時代の音楽のゆくえ』(音楽之友社)

 
受賞者の荒川徹さんは、1984年生まれ。福島県出身、栃木県育ち。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員。専門は、近現代美術、映像、表象文化論。

同じく受賞者の柿沼敏江さんは、静岡県出身。国立音楽大学楽理科卒業、御茶の水女子大学大学院修士課程修了。カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程を修了し、ハリー・パーチの研究で博士号を取得。2019年3月まで京都市立芸術大学音楽学部教授。現在、京都市立芸術大学名誉教授。

荒川さんと柿沼さんには、表彰状と副賞各100万円が贈られます。なお、例年行われていた贈呈式は、今年度については新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催されないこととなりました。

 
「審査委員選評」「受賞者からのコメント」など詳細は、http://www.arttowermito.or.jp/topics/article_40425.html をご覧ください。

 

吉田秀和賞について

吉田秀和賞は、水戸芸術館開設を記念して、音楽を中心に芸術評論に多大な功績のあった吉田秀和さんの名を冠し1990年に創設された文化賞です。芸術文化を振興することを目的として、優れた芸術評論を顕彰。

水戸市芸術振興財団が運営し、受賞者には正賞として表彰状が、副賞として200万円が贈られます。

 

ドナルド・ジャッド: 風景とミニマリズム
荒川 徹 (著)

《ミニマリズム》という用語がさまざまな領域に浸透している現在、はたして美術における《ミニマリズム》とは何であったのか?
現代を代表する美術家・ドナルド・ジャッド(1928-94)の絵画、オブジェクト作品、リノベーション建築から家具制作に至るキャリアを中心に、作品構造と形態の変化を丁寧に辿りながら、いかにしてミニマリズムの芸術が人工的な風景や工学的構造などに触発されてきたかを剔抉する。

〈無調〉の誕生: ドミナントなき時代の音楽のゆくえ
柿沼 敏江 (著)

「現代音楽」とセットで語られることの多い「無調」は実在したのか? 「無調」という言葉に作曲家や音楽評論家は何を託そうとしたのか? 古典的な調性システムから離れた音楽は、時間軸をどこに求めたのか? 「調性の崩壊」という言葉でくくられがちな20世紀以降の音楽に本当は何が起こったのか? 音の縦の関係性、すなわちピッチと和声、音階や旋法に関連する問題を中心に、音楽史の再考を迫る画期的な論考。書き下ろし。「調性がなく、ひたすら難解で、聴くと頭が痛くなる音楽が現代音楽だ」と思い込んでいる人にこそお勧めです!

 
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「第30回吉田秀和賞」受賞者決定のおしらせ|水戸芸術館

 


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