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【第9回エルスール財団新人賞】「現代詩」部門を”夢魔と狂気の詩人”尾久守侑さんが受賞

第9回エルスール財団新人賞が決定!

第9回エルスール財団新人賞が決定!

エルスール財団は、「現代詩」「コンテンポラリーダンス」「フラメンコ」の各部門でその年もっとも活躍した新人を顕彰する第9回エルスール財団新人賞の受賞者を発表しました。

 

第9回エルスール財団新人賞が決定!

エルスール財団新人賞は、「現代詩」「コンテンポラリーダンス」「フラメンコ」の3部門で構成されており、「現代詩」部門の受賞者は次の通りです。

 
■現代詩部門
尾久守侑(おぎゅう・かみゆ)さん

 
受賞者の尾久守侑さんは、1989年生まれ。東京都出身。横浜市立大学医学部卒業。精神科医。2016年の第1詩集『国境とJK』が中原中也賞最終候補に、2018年の第2詩集『ASAPさみしくないよ』がH氏賞最終候補に。20209月に第3詩集『悪意Q47』を発表。医書に『精神症状から身体疾患を見抜く』。Twitterアカウントは https://twitter.com/camillecamus

尾久さんには、賞状と楯および賞金10万円が贈られます。

選考委員は、野村喜和夫さん、藤井晴美さん(前年度受賞者)。

 
なお、「コンテンポラリーダンス」部門はハラサオリさんが、「フラメンコ」部門は伊藤笑苗さんが受賞しました。

※「贈賞理由」など詳細は、http://elsurfoundation.com/shou_9.html をご覧ください。

 

エルスール財団新人賞について

エルスール財団新人賞は、日本の「詩」と「ダンス」の未来を担うアーティストを応援するためにエルスール財団が創設し、主催。「現代詩」「コンテンポラリーダンス」「フラメンコ」の3ジャンルを対象とし、毎年11月から翌年10月までの間に顕著な活躍が認められた新人1名(1組)を選んで顕彰します。

なお、「現代詩」については、賞は詩集ではなく詩人自身に授与されます。その年の中原中也賞、H氏賞、歴程新鋭賞、日本詩人クラブ新人賞、現代詩手帖賞、ユリイカの新鋭、詩と思想新人賞などの受賞者およびその候補者、あるいはそれと同等の活躍をしたとみなされる新人の書き手を対象とし、そのなかで最も活躍した新人ひとりを選んで顕彰します。

 

悪意Q47
尾久 守侑 (著)

季節、いつだっけ。ふとわからなくなる。誰かが一人だけいなくなってしまうことについてかんがえていて、僕らは生協でかったパンをかじりながら図書館のまえのオブジェに腰掛けている。 (「片足」) 「罪悪感があれやこれやの顔をしてバッくれる。時限付きの間諜がしんだ。無味のそのひと抗体を求め、わたしはQそのものになった」(「悪意Q47」)。 捉えどころのない存在に晒される私たち。その悪意の輪郭は?めない―。独自の世界を切り拓く、2年ぶり第3詩集。装幀=奥定泰之、装画=浦上和久

ASAPさみしくないよ
尾久 守侑 (著)

相聞歌2.0 「生まれて初めてのカメラワークで、自分たちの日々を見ているような感覚。こんな詩を書けてしまう人は、たいへん生きづらそうだと感じました。良い意味で」(シンガーソングライター山崎あおい)。 言葉のバランス感を武器に、若者の切実を描きとる。好評「国境とJK」に次ぐ、第2詩集。装幀=奥定泰之、装画=浦上和久

国境とJK
尾久 守侑 (著)

廊下にもたくさん動かなくなった制服がおちていて、でもわたしたちは歩いていく、きめていた。わたしたちは今日、国境をめざす。

今日、国境をめざす 「ぼくらは通話中のまま、みらいの湾岸を走り抜ける。最後のトラフィックリポートがはじまった」(「84.7」)。 「ここから遠い国にも百年前にも交信できるような、「悲惨さ」への感受力」(福間健二)。 「劣勢を戦う者の「クラシック」とでも言うべき姿がある」(中尾太一)。 新しい時代感覚を記す、第1詩集。 装幀=奥定泰之 装画=浦上和久

 
【関連】
第9回エルスール財団新人賞 – エルスール財団

 


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