【第32回吉田秀和賞】新井高子さん『唐十郎のせりふ』が受賞
水戸市芸術振興財団は、優れた芸術評論に贈る「第32回吉田秀和賞」の受賞作を発表しました。
第32回吉田秀和賞の受賞作が決定!
第32回吉田秀和賞には、候補書籍98点の中から、次の通り受賞作が決定しました。審査員は磯崎新さん(建築家)、片山杜秀さん(評論家/慶應義塾大学法学部教授)。
<第32回吉田秀和賞 受賞作品>
新井高子(あらい・たかこ)さん
『唐十郎のせりふ 二〇〇〇年代戯曲をひらく』(幻戯書房)
受賞者の新井高子さんは、1966年生まれ、群馬県桐生市出身。慶應義塾大学大学院修士課程修了。詩人。埼玉大学准教授。詩誌『ミて』編集人。詩集に『タマシイ・ダンス』(未知谷、小熊秀雄賞受賞)、『ベットと織機』(未知谷)等。英訳詩集に『Factory Girls』(Action Books、Jeffrey Angles編)等。編著に『東北おんば訳 石川啄木のうた』(未来社)。共著に『世界文学としての〈震災後文学〉』(明石書店)等。アイオワ大学国際創作プログラム2019招待参加。企画制作した映画に「東北おんばのうた」(監督:鈴木余位さん/山形国際ドキュメンタリー映画祭2021アジア千波万波部門入選)。
新井さんには、表彰状と副賞200万円が贈られます。なお、贈呈式は11月12日(土)14時から水戸芸術館会議場にて開催。
「審査委員選評」「受賞者からのコメント」など詳細は、https://www.arttowermito.or.jp/topics/article_41056.html をご覧ください。
吉田秀和賞について
吉田秀和賞は、水戸芸術館開設を記念して、音楽を中心に芸術評論に多大な功績のあった吉田秀和さんの名を冠し1990年に創設された文化賞です。
芸術文化を振興することを目的として、音楽・演劇・美術などの各分野で優れた芸術評論を発表した人物に贈られます。
唐十郎のせりふ: 二〇〇〇年代戯曲をひらく 新井高子 (著) 市井の労働者が抱く孤独な妄想とフェティシズム。それはやがて言葉の坩堝となり、劇的想像力を呼び起こす……。日本を代表する劇作家・唐十郎。その後期作品はプロレタリア文学と幻想文学を止揚し、21世紀芸術の鉱脈を掘り当てたが、しばしば「難解」と評されてきた。長年その公演を観続けてきた小熊賞詩人が今、「文学探偵」となり、迷宮構造を鋭く解き明かす。 |
【関連】
▼「第32回吉田秀和賞」受賞者決定のおしらせ|水戸芸術館
◆「おまえもか、ブルータス?」河合祥一郎さんが新訳!『新訳 ジュリアス・シーザー』が刊行 | 本のページ
◆日本近代文学の忘れられた巨人・保田與重郎の世界的文業が甦る!前田英樹さん大型批評『保田與重郎の文学』が増刷 | 本のページ
◆生きるべきか、死ぬべきか――「優柔不断」な青年は、ある答えにたどり着く! 河合祥一郎さん『シェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ』が刊行 | 本のページ
◆予測不能な時代を生き抜くためのブックガイド!佐藤優さん『危機の読書』が刊行 | 本のページ