【第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞】石川宗生さん『ホテル・アルカディア』が受賞 野矢茂樹さんが選考
東急文化村は9月3日、第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞作を発表しました。
第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!
第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、哲学者の野矢茂樹(のや・しげき)さんが選考し、次の通り受賞作が決定しました。
<第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞作品>
石川宗生(いしかわ・むねお)さん
『ホテル・アルカディア』(集英社)
受賞者の石川宗生さんは、1984年生まれ。千葉県出身。オハイオ・ウェスリアン大学天体物理学部卒業。約3年間の世界放浪、メキシコ・グアテマラでのスペイン語留学など経て、翻訳者として活動。2016年、短編「吉田同名」で第7回創元SF短編賞を受賞。2018年、受賞作を含む短編集『半分世界』を刊行。
石川さんには、正賞として賞状とスイス・ゼニス社製時計が、副賞として100万円が贈られます。
※今回の選評や選考委員・野矢茂樹さんのプロフィールなど詳細は、https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/30.html をご覧ください。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞について
Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘することを目的に、1990年に創設された文学賞です。東急文化村が主催。
前年7月1日から当年7月31日までの13ヶ月間に出版された単行本または雑誌等に発表された日本語の文学作品(小説、評論、戯曲、詩)を対象とし、受賞作は、毎年「ひとりの選考委員」によって選ばれます。選考委員の任期は1年間。
ホテル・アルカディア 石川 宗生 (著) 【第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作】 ホテル〈アルカディア〉支配人のひとり娘・プルデンシアは、敷地のはずれにあるコテージに理由不明のまま閉じこもっていた。投宿していた7名の芸術家が同情を寄せ、元気づけ外に誘い出すべく、コテージ前で自作の物語を順番に語りだした。突然、本から脱け出した挿絵が「別にお邪魔はしないさ」と部屋に住みつづける「本の挿絵」、何千年も前から上へと伸び続けるタワーマンションの街を調査するも、1万階を過ぎたあたりで食糧が尽きてくる「チママンダの街」など7つのテーマに沿った21の不思議な物語。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル〈アルカディア〉には聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、7名の芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか。 創元SF短編賞を受賞し、そのぶっ飛んだシチュエーションと巧みな文体で、全国の目利き書店員さんを驚倒させた作家による、全国民注目の初の長編小説。 |
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