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【第71回小学館児童出版文化賞】高柳克弘さん『そらのことばが降ってくる』と堀川理万子さん『海のアトリエ』が受賞

第71回小学館児童出版文化賞が決定!

第71回小学館児童出版文化賞が決定!

小学館は9月8日、第71回小学館児童出版文化賞の受賞作を発表しました。

 

第71回小学館児童出版文化賞が決定!

第71回小学館児童出版文化賞では、審査委員・作家・画家・写真家・各出版社・新聞社・児童文化団体・図書館・書店児童図書担当者・読者からの推薦を募り、それに事務局が収集した作品を加えて予備選考を行います。そこで選ばれた候補作を対象に最終選考会が開催され、審査委員の荒井良二さん、今森光彦さん、鈴木のりたけさん、富安陽子さん、森絵都さんの5名による審査の結果、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第71回小学館児童出版文化賞 受賞作品>

◎高柳克弘(たかやなぎ・かつひろ)さん
『そらのことばが降ってくる』(ポプラ社)

◎堀川理万子(ほりかわ・りまこ)さん
『海のアトリエ』(偕成社)

 
受賞者の高柳克弘さんと堀川理万子さんには、正賞としてブロンズ像、副賞として賞金100万円が贈られます。

 
なお、今回の候補作は以下の作品です。

【候補作品】
◎『カイトとルソンの海』(土屋千鶴さん/小学館)
◎『セカイを科学せよ!』(安田夏菜さん/講談社)
◎『りぼんちゃん』(村上雅郁さん/フレーベル館)
◎『そらのことばが降ってくる』(髙柳克弘さん/ポプラ社)
◎『ボーダレス・ケアラー 生きてても、生きてなくてもお世話します』(山本悦子さん/理論社)
◎『海のアトリエ』(堀川理万子さん/偕成社)
◎『よるはおやすみ』(はっとりさちえさん/福音館書店)
◎『しらすどん』(最勝寺朋子さん/岩崎書店)
◎『ほんやねこ』(石川えりこさん/講談社)
◎『二平方メートルの世界で』(前田海音さん・はたこうしろうさん/小学館)
◎『街どろぼう』(junaidaさん/福音館書店)

 

受賞作および受賞者について

 
■高柳克弘さん『そらのことばが降ってくる』(ポプラ社)

【あらすじ】
中学2年生の男子ソラは、1年生の時に鼻の下の大きなほくろを「ハナクソ」とからかわれて以来教室に行けなくなり、保健室登校をしている。ある日、変わった生徒ハセオが突風のように保健室にやってきて、ソラを句作に誘う。数人で句会を重ねるうち、ソラは次第に俳句を詠むことが楽しくなってくる。短い十七音に込めた想いは、伝わったり伝わらなかったり、そのあいまいさや自由さが心地よい。再び傷ついたソラは、過去の出来事に向き合い、句を詠もうとする。俳句の魅力を織り込みながら中学生たちの心によりそう、爽やかな成長ストーリー。

<受賞者プロフィール>
1980年生まれ、静岡県浜松市出身。早稲田大学教育学研究科博士前期課程修了。専門は芭蕉の発句表現。2002年、俳句結社「鷹」に入会、藤田湘子さんに師事。2004年、第19回俳句研究賞を最年少で受賞し、その後も俳句での受賞を重ねる。2015年「文学界」に短編小説を発表し、小説家としても活動。「NHK 俳句」選者や、読売新聞「KODOMO 俳句」選者、俳句甲子園審査員などをつとめる。現在、俳句結社「鷹」編集長。長編小説は本作が初。

 
■堀川理万子さん『海のアトリエ』(偕成社)

【あらすじ】
おばあちゃんの部屋には女の子の絵がかざってある。「この子はだれ?」って聞いてみたら、「この子は、あたしよ」って教えてくれた。びっくりするわたしに、おばあちゃんが話してくれたのは、海辺のアトリエに暮らす絵描きさんと過ごした夏の日のこと、おばあちゃんにとって、いつまでも色あせない、特別な思い出だった。少女がのびのびと心を開放することができた宝物のような日々を、美しい水彩画で描いた爽やかな絵本。

<受賞者プロフィール>
1965年生まれ、東京都出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了。画家・絵本作家。「絵と言葉のチカラ展」グランプリ受賞。今回の受賞作『海のアトリエ』により2021年に第31回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2022年4月に第53回講談社絵本賞も受賞。おもな絵本に、『権大納言とおどるきのこ』(偕成社)、『くだものと木の実いっぱい絵本』(あすなろ書房)、『びっくり まつぼっくり』(多田多恵子さん/福音館書店)、『氷河鼠の毛皮』(宮沢賢治/ミキハウス)などがある。

 

小学館児童出版文化賞について

小学館児童出版文化賞は、小学館が1952年に創業30周年を記念して創設。文学部門と絵画部門の2部門から構成されていましたが、1960年より小学館文学賞と小学館絵画賞に分離独立、1996年から発展的に統合し、現在の名称となっています。

同賞は、児童出版文化の向上に貢献すると認められる作品及び作家を毎年選定し顕彰。4月から翌年3月までに発表された絵本、童話・文学(フィクション・詩・シナリオなど)、その他(ノンフィクション・科学絵本・図鑑・事典など)の出版物(翻訳・キャラクター・コミックスなどは除く)で、幼年ならびに少年少女に推薦したい優れた作品を対象としています。

 

そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会 (teens’best selections 57)
高柳 克弘 (著), あやの あゆ (イラスト)

伝わっても伝わらなくてもいい
こころを解き放つ十七文字──
* * * * *
中学に入り、顔のホクロをからかわれて教室に行けなくなってしまったソラは、保健室で風変わりな同級生ハセオに会い、ナゾクという俳句遊びに誘われる。
ハセオの熱意に巻き込まれ、次第に俳句に興味をもちはじめたソラ。養護の北村先生と三人での俳句会を始めることに。

新しく加わったはつらつとした少女ユミも、実は最近傷ついたことがあり、悩んでいた。いじめを経験したソラは、彼女の気持ちがわかる気がする。

ハセオやユミ一緒に俳句に触れるうち、ソラはどんどん、自由で深いその表現世界に魅せられていく。
学校で企画された新春の俳句大会。思い切って、傷ついた自分の心と向き合ったソラが作った句は──。

気鋭の俳人が描くさわやかな青春小説!

装画 あやのあゆ

海のアトリエ
堀川理万子 (著)

おばあちゃんの部屋には、女の子の絵がかざってある。「この子はだれ」?って聞いてみたら、「この子は、あたしよ」って教えてくれた。
びっくりするわたしに、おばあちゃんが話してくれたのは、海辺のアトリエに暮らす絵描きさんと過ごした夏の日のこと、おばあちゃんにとって、いつまでも色あせない、特別な思い出だった。
少女がのびのびと心を開放することができた宝物のような日々を、まるで映画のシーンのように見応えのある絵で描いた魅力的な絵本。

 


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