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【訃報】歌人・岡井隆さんが死去 文化功労者、宮内庁和歌御用掛

歌人で文化功労者の岡井隆(おかい・たかし)さんが7月10日、心不全のため東京都武蔵野市内の自宅で死去しました。92歳。愛知県名古屋市出身。後日お別れの会を開く予定。

 
岡井隆さんは、1928年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。国立豊橋病院内科医長、京都精華大学人文学部教授などを歴任。

1946年「アララギ」入会し、土屋文明さんに師事。1951年に近藤芳美さんらと「未来」創刊に参加し、編集責任者として活動、2001年6月から編集発行人を務めます。前衛短歌運動に取り組み、塚本邦雄さん、寺山修司さんとともに前衛短歌の”三雄”の一人として活躍。1993年から2014年まで歌会始の選者。2007年から2018年まで、天皇陛下(現・上皇)や皇族の和歌の相談役として宮内庁和歌御用掛も務めました。

 
1983年『禁忌と好色』で迢空賞、1990年『親和力』で斎藤茂吉短歌文学賞、1995年『岡井隆コレクション』(全8巻)と過去の業績により現代短歌大賞、1999年『ウランと白鳥』で詩歌文学館賞、2000年『ヴォツェック/海と陸』ほかで毎日芸術賞、2005年『馴鹿時代今か来向かふ』で読売文学賞、2007年『岡井隆全歌集』で藤村記念歴程賞、2009年『ネフスキイ』で小野市詩歌文学賞、2010年には詩集『注解する者』で高見順賞を受賞。1996年に紫綬褒章、2004年に旭日小綬章を受賞。2009年に日本芸術院会員、2016年に文化功労者に選出。

 
歌集に『月の光』『斉唱』『伊太利亜』『E/T』『蒼穹の密』『宮殿』『臓器 オルガン』『歳月の贈物』『大洪水の前の晴天』『〈テロリズム〉以後の感想/草の雨』『暮れてゆくバッハ』『鉄の蜜蜂』など。著書に『歳月の量』『愛の茂吉』『集成昭和の短歌』『短歌の世界』『現代百人一首』『茂吉と現代リアリズムの超克』『現代短歌入門』『吉本隆明をよむ日』『韻律とモチーフ』『前衛短歌運動の渦中で』『旅のあとさき、詩歌のあれこれ』など。小説に『わが告白』。

 

馴鹿時代今か来向かふ―岡井隆歌集
岡井隆 (著)

「ぼくが、この歌集を編んで、出さうとしてゐるとき“静かな場所”に坐つてゐるのを感ずる。今まで以上に静かな、“歌集のおかれる場所がある」著者(巻末記)/読売文学賞受賞。

歌集 鉄の蜜蜂
岡井 隆 (著)

水無月の終りが近い 幸福の地方からときに蜜蜂が来る

熟成された詩が産み出す濃厚な短歌の蜜。 まわりには不気味な金属音を立て蜂が飛び交う。 針を恐れぬものだけが味わえる官能のエキス。 一度舐めたらやめられない…岡井隆からの甘美なる挑戦状。

注解する者―岡井隆詩集
岡井 隆 (著)

あらゆる書物に遍在する注解の虫たち、ページの余白を自在に飛び交う疑い鳥たち。それらが岡井隆の脳で蠕動し、けたたましく啼く―「注解詩」という来るべき詩歌。

 


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