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【訃報】C・W・ニコルさん死去 『風を見た少年』『誇り高き日本人でいたい』など

作家で環境保護活動家のC・W・ニコル(本名:ニコルシーダブリュー)さんが4月3日、直腸がんのため長野市の病院で死去しました。79歳。英国出身。葬儀は親族のみで執り行われました。喪主は妻の真理子さん。後日、お別れの会を開く予定。

 
C・W・ニコルさんは、1940年生まれ。英・ウェールズ出身。17歳でカナダに渡り、カナダ水産調査局北極生物研究所で海洋哺乳類の調査研究に従事。その後、エチオピアで野生生物保護省の猟区主任管理官に就任、シミエン山岳国立公園を創設し公園長を務めます。

1962年に空手の修行のため初来日。日本の自然に魅かれ、1980年に長野県黒姫へ移住。執筆活動のかたわら、荒廃した森を購入し「アファンの森」(アファンは「谷」の意)と名付け再生活動に取り組み、エッセイや講演などを通じて環境問題に積極的に発言し続けます。2002年に「財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団法人」を設立し、理事長に就任。なお、「アファンの森」は2011年に日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録されています。

1995年に日本国籍を取得。2005年に英国政府より大英勲章(MBE)を授かります。

 
著書に『勇魚(いさな)』『風を見た少年』『小さな反逆者』『裸のダルシン』『遭敵海域』『北極カラスの物語』『魔女の森』『盟約』『森にいこうよ!』『アファンの森の物語』『誇り高き日本人でいたい』『鯨捕りよ、語れ! 』『マザーツリー 母なる樹の物語』 『C・W ニコルの生きる力』など。

 

風を見た少年 (講談社文庫)
C.W. ニコル (著)

少年は人のこころを読みとることができた……。少年は空を飛ぶことができた……。少年はいくさの中で人々に勇気を与えた……。自らの死を通して、人人に「生きることの美しさ」を残して逝った少年“あいつ”は、今はあなたの心の中で生きている。著者初めての日本語による書下ろし長編ファンタジー。

誇り高き日本人でいたい
C・W. ニコル (著), 松田 銑 (翻訳), 鈴木 扶佐子 (翻訳), 千葉 隆章 (翻訳)

40年近く日本と日本人を見つめてきた著者の中にある「日本人像」、素晴しき交遊、そして今の日本人への愛する故の苦言や直言を熱く語った初めての日本人論。

アファンの森の物語
C・Wニコル (著)

日本来て初めて、古代からのブナの森に足を踏み入れた著者は、感動のあまり涙を流す。
以来50年、彼は日本の自然を守るために戦い、理想の森「アファン」をつくり上げた。
これは、C・Wニコルから日本人への「心の贈り物」の物語である。

 
【関連】
【訃報】C.W.ニコル死去のお知らせ | C.W.ニコル・アファンの森財団
C.W.ニコル公式ホームページ

 


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