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【第31回齋藤茂吉短歌文学賞】吉川宏志さん『石蓮花』が受賞 芸術選奨文部科学大臣賞とW受賞

第31回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

第31回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

山形県は、第31回齋藤茂吉短歌文学賞の受賞作品を発表しました。

 

第31回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

第31回斎藤茂吉短歌文学賞の受賞作品は次の通りです。

 
<第31回斎藤茂吉短歌文学賞 受賞作品>

吉川宏志(よしかわ・ひろし)さん
『石蓮花』(書肆侃侃房)

 
吉川宏志さんは、1969年宮崎県生まれ。京都大学文学部卒業。1995年に第1歌集『青蝉』を刊行。翌年、第40回現代歌人協会賞を受賞。2016年刊行の第7歌集『鳥の見しもの』で第21回若山牧水賞と第9回小野市詩歌文学賞を受賞。今年3月には今回の受賞作『石蓮花』で第70回芸術選奨を受賞。歌集は他に『夜光』『海雨』『曳舟』『燕麦』など。評論集に『風景と実感』『読みと他者』など。塔短歌会主宰。京都新聞歌壇選者。

 
選考委員は、永田和宏さん(委員長/「塔」選者)、小池光さん(仙台文学館館長)、小島ゆかりさん(「コスモス」選者)、三枝昻之さん(「りとむ」発行人)。

 
なお、受賞者の吉川宏志さんには賞金100万円が贈られます。贈呈式は5月17日、上山市体育文化センターで開催される「第46回斎藤茂吉記念全国大会」の席上で行われる予定。

※選考理由、受賞者略歴など詳細は、https://www.pref.yamagata.jp/pickup/interview/pressrelease/2020/03/13100503/press_file01.pdf(PDF)をご覧ください。

 

齋藤茂吉短歌文学賞について

齋藤茂吉短歌文学賞は、山形県の生んだ歌人・齋藤茂吉が短歌文学の発展振興に寄与した功績を記念し、短歌の分野において優れた業績をあげた者を顕彰する全国レベルの賞として、山形県が平成元年度に創設した文学賞です。山形県知事を委員長とする齋藤茂吉短歌文学賞運営委員会が主催。

前年1月1日から12月31日までに発行された歌集・歌論・歌人研究等を対象とし、全国の有名歌人等205名に推薦を依頼し、17作品を選出。17作品について、1月に選考委員による予備選考を行い、4作品を選出。2月に選考委員会を開催し、選出された4作品から受賞者・作品を決定しています。

 

石蓮花 (現代歌人シリーズ26)
吉川宏志 (著)

初めのほうは見ていなかった船影が海の奥へと吸いこまれゆく

その瞬間を、その感情を、わたしは確かに知っている。知っているからもう充分なのに、吉川さんの歌はバレンを何度も押し当てるがごとく、過去と未来の記憶を鮮明に浮き上がらせるのだ。 ――椰月美智子

母が亡くなる二日前の夕方、かすれた声で「アビカンス、アビカンス」と、繰り返しつぶやいていた。母が若かったときに見たこの石の花が、夢の中にあらわれてきたのかもしれない。
言葉は、生と死の境界をふっと超えて行き来することがある。短歌の言葉もそれに深く関わっているように思う。普通ならばすぐに消えてしまう声を、目に見えない遠いところへ届けようとする試みが、歌を作るということではないだろうか。(あとがきより)

 
【関連】
第31回齋藤茂吉短歌文学賞の決定について〔PDF〕

 


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