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【第70回芸術選奨】文部科学大臣賞に佐伯一麦さん、吉川宏志さんら19名 新人賞に宮内悠介さん、東村アキコさんら11名

第70回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!

第70回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!

文化庁は3月4日、「令和元年度(第70回)芸術選奨」文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者を発表しました。

 

第70回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!

令和元年度(第70回)芸術選奨では、文部科学大臣賞には11部門で計19名の方が、新人賞には計11名の方が選ばれました。主な受賞者と業績は次の通りです。

 
■文部科学大臣賞

<文学>

◎佐伯一麦(さえき・かずみ)さん(小説家)
「山海記」の成果

◎吉川宏志(よしかわ・ひろし)さん(歌人)
歌集「石蓮花」の成果

 
<評論等>

◎井口時男(いぐち・ときお)さん(文芸批評家)
「蓮田善明 戦争と文学」の成果

◎佐藤康宏(さとう・やすひろ)さん(東京大学教授)
「若冲伝」の成果

 
■文部科学大臣新人賞

<文学>

◎宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)さん(小説家)
「遠い他国でひょんと死ぬるや」の成果

 
<評論等>

◎長尾洋子(ながお・ようこ)さん(和光大学教授)
「越中おわら風の盆の空間誌」の成果

 
<メディア芸術>

◎東村アキコ(ひがしむら・あきこ)さん(漫画家)
「偽装不倫」ほかの成果

 
全部門の受賞者の一覧および受賞理由、選考経過など詳細は、https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/92070201_02.pdf をご覧ください。

なお、贈呈式の開催については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から中止となりました。

 

芸術選奨について

「芸術選奨」は、芸術各分野において、優れた業績を挙げた者、またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞を贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資するものです。

演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11部門にて実施され、受賞者には賞状と、大臣賞には30万円、新人賞には20万円の賞金が贈られます。

 

山海記
佐伯 一麦 (著)

東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。

石蓮花 (現代歌人シリーズ26)
吉川宏志 (著)

初めのほうは見ていなかった船影が海の奥へと吸いこまれゆく

その瞬間を、その感情を、わたしは確かに知っている。知っているからもう充分なのに、吉川さんの歌はバレンを何度も押し当てるがごとく、過去と未来の記憶を鮮明に浮き上がらせるのだ。 ――椰月美智子

母が亡くなる二日前の夕方、かすれた声で「アビカンス、アビカンス」と、繰り返しつぶやいていた。母が若かったときに見たこの石の花が、夢の中にあらわれてきたのかもしれない。
言葉は、生と死の境界をふっと超えて行き来することがある。短歌の言葉もそれに深く関わっているように思う。普通ならばすぐに消えてしまう声を、目に見えない遠いところへ届けようとする試みが、歌を作るということではないだろうか。(あとがきより)

蓮田善明 戦争と文学
井口 時男 (著)

蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな影響を与えたことで知られる。出征し敗戦時にジョホールバルで連隊長を射殺し、自決した。 三島との関係で知られる蓮田善明は、日本浪漫派のなかでも重要な役割を果たした。井口時男はこの蓮田善明を、自決に至る戦争との関わり、そして文学との関わりを中心に描き出す。戦争と文学を考える上でも大きな存在であり、三島や日本浪漫派、保田與重郎を含めて蓮田善明を論じる、初の本格論考。

若冲伝
佐藤康宏 (著)

濃密な花鳥画に代表される数多の名作はどのように生まれたのか。家族、禅、ジェンダー、時代……多角的視点でその背景を解き明かす。見えてきた画業と生涯とは。若冲研究の第一人者によって書き下ろされた、いま最も新しく最も詳しい評伝の決定版。カラー口絵、本文図版多数。

遠い他国でひょんと死ぬるや
宮内悠介 (著)

戦死した若き詩人が見晴るかし、残したものとは―。ぼくは、ぼくの手で、戰爭を、ぼくの戰爭がかきたい―そう書き残し、激戦地ルソン島で戦死した詩人・竹内浩三。彼は何を見、何を描いたのか?テレビディレクターの職を捨て単身フィリピンに渡った須藤は、その足跡を辿りはじめた。だがその矢先、謎の西洋人男女に襲われ、山岳民族イフガオの娘ナイマに救われる。かつて蹂躙された記憶を引き継ぎ日本人への反感を隠さないナイマだが、昔の恋人ハサンの実家を訪ねる道行きに、付添いとして須藤を伴うことに。ミンダナオ島独立のために闘ったイスラム一族の家で一時の休息を得た須藤だったが、ハサンの家は秘密を抱えていた…。展開予測不能の冒険小説!

越中おわら風の盆の空間誌:〈うたの町〉からみた近代
長尾洋子 (著)

毎年九月はじめに富山県八尾町で行われる民謡行事「おわら風の盆」は秋の風物詩として知られる。地域の人びとが伝えてきたうたや踊りは、ジャンルや町の境界を越えたさまざまな動きと連動していた。うたをめぐる文化は20世紀前半の日本という文脈の中でどのような展開をみせたのか。“うたの町”八尾に足場をおいて近代の過程を空間誌として描き出す。

偽装不倫 1 (BUNSHUN COMICS×YLAB)
東村アキコ (著)

独身、実家暮らしの鐘子(しょうこ)は30歳。
3年がんばっても成果の出ない婚活に疲れ、癒しを求めて韓国へひとり旅――
のはずが、行きの飛行機でイケメンと「禁断」の出会い!?

不毛な婚活により女としての自信をなくし、「私は絶望的にモテない」と自覚する鐘子は、突然目の前に現れた若く親切な韓国人男子を前に、自分を偽ってしまう……。

 
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令和元年度(第70回)芸術選奨受賞者一覧〔PDF〕

 


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