本のページ

SINCE 1991

歌田年さん第18回『このミス』大賞受賞作『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』刊行 事件の証拠品となる「紙」が付いた初の仕掛けミステリー本

歌田年さん著『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

歌田年さん著『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

宝島社は、第18回 『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した歌田年さん著『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』を2020年1月10日に刊行します。

 

読んで、触って、謎を解く! 事件の証拠品となる「紙」が付いた仕掛けミステリー本

本書は、紙鑑定士とプラモデル造形家の二人組みが謎に挑むミステリーで、紙やプラモデルに関するユニークな蘊蓄が至るところにちりばめられています。

選考委員より、「紙鑑定士に模型のモデラーという未知のキャラクターに惹かれた」「マニアックな薀蓄が面白いだけでなく、それらの知識がしっかり事件に絡んでいる」と個性的なキャラクターや仕掛けが高い評価を得ています。

 
著者の歌田年(うただ・とし)さんは、29年間の出版社勤務中にプラモデルと紙の専門的な知識を培いました。「自分の専門性を活かした作品ならば他に類がないので、この題材を扱うことで賞を狙いにいった」と戦略を語っています。

 
また本書は、物語の設定だけでなく、事件の謎を解く重要証拠品となる紙を実際に本の中に綴じ込んだ「仕掛け本」となっています。
さらに、ページごとに紙を変えた作りで、物語の本筋と一緒に紙の違いを楽しむことができます。

 

『このミステリーがすごい!』大賞について

『このミステリーがすごい!』大賞は、ミステリー&エンターテインメント作家・作品の発掘・育成を目的に、宝島社が2002年に創設した新人賞です。

これまで、第153回直木賞受賞者の東山彰良さんや、累計1000万部突破の『チーム・バチスタの栄光』シリーズの海堂尊さんなどの作家を輩出してきました。

受賞作品の多くはベストセラーとなり、『さよならドビュッシー』(中山七里さん/2013年映画化・主演:橋本愛さん、2016年テレビドラマ化・主演:黒島結菜さん・東出昌大さん)など、映像化作品も多数世に送り出しています。

 

執筆19年目にして『このミス』大賞受賞!著者はプロのプラモデル造形家!

(以下、著者コメント)

 
◆中学2年のときに抱いた夢をついに実現!

初めて小説を書いてみたい!と思ったのは中学2年生の頃。読書家だった母親の影響もあったと思います。幼い頃には童話全集、中学生になった頃にはSFものをたくさん読んでいました。ただ漠然と「小説が好き」という思いのまま、大学へ進学。興味のある“文学部”へ進学しました。4年生になると、そこは手堅く“就職”の道を選んだんですよね。その中で選んだのが大好きな活字関係の“出版”という業種でした。そこから29年の会社員生活が始まります。そこで模型専門誌をずっと担当していました。編集でありながら、自ら模型を作ることも。約25年編集者を続けたあと、印刷用紙の調達をする生産管理部へ異動となります。まさか自分が未知の分野の“紙”の世界に入るなんて……。当時はそう思っていました。生産管理部を4年経験し、退職。フリーランスの編集者、プラモデルの造形家として活動する傍ら、本格的な執筆活動が始まります。

 
◆紙と模型の知識をフルに活かし、19年目で大賞受賞!!

2000年初頭から少しずつ執筆を始め、コンテストへの応募を繰り返していました。選考段階で落ちたり、最終まで残っていても最後で賞を逃すことも。スタートから19年、やっと『このミス』大賞で大賞をいただくことができました。今回はけっこう戦略的に内容を考えていたんです。今までにない題材、自分の専門知識を活かせるテーマは何かと考えていたなかで思いついたのが、今回の題材の「模型」と「紙」だったんです。紙鑑定士は生産管理部に配属になったときに得た知識を、伝説のモデラーは趣味であり仕事であった模型、造形の知識が活かされています。それぞれの性格も私自身の性格をふたつに分けて書き分けています。

 
◆ギミック、ディテールにこだわりました

私自身、情景やディテールが詳細に書かれた小説が好きなんです。今回の作品にも、様々な情景やディテールを細かく表現しました。訪れたことがない場所はGoogleマップのストリートビューを活用したりして。そんな性格を登場人物にも反映させていたりします(笑)。
模型、造形、紙、それぞれの分野に詳しい人が思わず「おっ!」と思ったり、うんうん頷いてしまうディテールを書いてみました。ぜひ業界の方にはその一文を見つけていただいて、くすっとしていただきたいですね。また私自身、ミステリーはもちろん、SFや冒険小説やハードボイルドの作品も大好きなんです。同じようなジャンルを好きな人にとっても、「あれ、これってもしかして?」と気づいてもらえる一文や名称が出てくるので、いろんな分野の方に楽しんでいただける作品になったと思います。また、作中に登場する紙を単行本の装丁に使用するアイディアをなにげなく提案してみたら、そこから話が広がっていきました。作品の重要な証拠品になる実物が本の中に仕掛けられています。また、ページごとに紙が異なるので、読んで楽しんでいただくのは勿論、紙を手で触った感触、色の違いなども楽しんでいただければと思います。
まさに主人公の紙鑑定士と同じように、紙の素晴らしさを体感してください。

 
◆プラモデル造形の素晴らしさも世に広めたい

今はプロモデラーとして活動も行っており、2017年と2019年には造形の個展も開きました。 今は仕事としても趣味としても楽しんでいます。市販の模型・造形だけでなく、世の中には造詣の奥深さを味わえる作品もあります。自分もそういったものを創作し、模型・造形の素晴らしさを伝えていきたいです。

歌田年さんによる作品

歌田年さんによる作品

 
◆気になる今後の活動は?

今後もハイペースで精力的に執筆をしていきたいと思っています。「模型」「紙」の世界はまだまだ奥が深いので、本作の評判がよければ是非とも続編を書きたいですね。その他でも、実はまだどこにも公開していない作品がひとつあるんです。ミステリー、SFはもちろん、私は海外もののハードボイルドのようなストレートな探偵ものも好きなので、そういった作品にも挑戦していきたいと思っています。

 

歌田年さん プロフィール

著者の歌田年(うただ・とし)さんは、1963年4月生まれ。東京都在住。明治大学文学部卒業。出版社勤務を経て現在はフリー編集者、プラモデル造形家。

出版社では25年間模型雑誌の編集を行っていたほか、4年間生産管理部で印刷用紙の調達に従事していたその中で得た模型と紙に関する知識を活かして本作を執筆。

 

【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (『このミス』大賞シリーズ)
歌田 年 (著)

神保町で紙鑑定事務所を営み、どんな紙でも見分けられる男・渡部。
ある日、そんな彼の事務所にひとりの女性がやってくる。
「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いした彼女は、「彼氏の浮気調査をしてほしい」と言う。手がかりはピンボケしたプラモデルの写真一枚だけ。
渡部はダメ元で調査を始めるが、ある男と出会ったことで意外な真相が明らかになった。
その男こそが伝説のプラモデラー・土生井(はぶい)。
ごみ屋敷に住む冴えない中年だが、模型のことが絡むと驚くべき洞察力と知識で、名推理を披露する。
そしてその翌日、渡部の事務所に「行方不明になった妹を探してほしい」と言う女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って訪ねてくる。
土生井とともに模型を調査していた渡部は、その中に恐ろしい大量殺人が示唆されていることを知り、真相を突き止めるため奔走する!

 
【関連】
【第18回『このミステリーがすごい!』大賞】歌田年さん『模型の家、紙の城』が大賞 優秀賞に朝永理人さん | 本のページ

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です