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【訃報】作家・安部譲二さん死去 『塀の中の懲りない面々』など

作家の安部譲二(あべ・じょうじ=本名:安部直也)さんが9月2日、急性肺炎のため東京都内の自宅で死去しました。82歳。東京都出身。葬儀は近親者で執り行われました。喪主は妻の美智子さん。

 
安部譲二さんは、1937年生まれ。麻布中学在学中から非行に走り、16歳で暴力団の構成員に。慶應高校、須磨高校、逗子開成高校などを経て、7つ目の高校となる保善高校定時制を22歳で卒業。1961年に日本航空に入社、客室乗務員とあんるも、前科が発覚し退社。その後、プロモーター、キックボクシング解説者などを務めます。

20代で2度服役し、1975年には府中刑務所に収監。1981年に”カタギ”となり、1983年より小説を書き始めます。1986年に服役経験を綴った自伝的小説『塀の中の懲りない面々』で単行本デビュー。同作はミリオンセラーとなり、映画化もされます。

漫画原作者としても活躍し、2005年に柿崎正澄さん画『RAINBOW-二舎六房の七人-』で小学館漫画賞を受賞しています。

著書に、『塀の中のプレイボール』『極道渡世の素敵な面々』『ぼくのムショ修業』『殴り殴られ』『ジェット・ストリーム』『賞ナシ罰アリ猫もいる』『俺達は天使じゃない』『心の塀は自分で越えろ』『囚人道路』『秋は滲んで見えた』『ファイナル・ラウンド』『八ヶ岳あかげら日誌』『藍色の海』など。

 

塀の中の懲りない面々 (文春文庫)
安部 譲二 (著)

お役所専門に狙う大泥棒、堂々と脱獄した赤軍派兵士、短歌を詠むだけが楽しみの殺人犯、手形、借用証等ヨロズ消化する紙食い男、腕前は日本一を誇るニセ外科医等々、犯罪のプロフェッショナルばかりが集められている府中刑務所を、これまた中学生で安藤組入りしたベテランがご案内します。

RAINBOW(1) (ヤングサンデーコミックス)
柿崎正澄 (著), 安部譲二 (著)

昭和30年7月。水上真理雄をはじめ、凶悪犯とされる6人の少年たちが、湘南特別少年院に送られてきた。教官から虫ケラのように扱われ、屈辱的な身体検査を受けた後、彼らは二舎六房という部屋に入れられる。そこには桜木六郎太という年長者がいて…。俺たちは生き残る。いつか必ず外(シャバ)に出る!昭和30年、湘南特別少年院の二舎六房に入れられた7人の少年たちを描く、壮絶な時代の青春群像!!

 
【関連】
安部譲二 オフィシャルページ

 


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