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【第29回紫式部文学賞】山崎佳代子さん『パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶』が受賞

宇治市(京都府)は9月3日、女性作家の文学作品を対象とする「第29回紫式部文学賞」の受賞作を発表しました。

 

第29回紫式部文学賞が決定! 受賞者講演会も開催へ

第29回紫式部文学賞は、次の通り受賞作が決定しました。

 
■第29回紫式部文学賞
山崎佳代子(やまさき・かよこ)さん
『パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶』(勁草書房)

 
受賞者の山崎佳代子さんは、1956年生まれ。静岡市出身。北海道大学卒業。詩人。セルビアのベオグラード大学教授。1981年にユーゴスラビア(現・セルビア)のベオグラードに移住。2015年にミリツァ・ストヤディノヴィッチ=スルプキニャ女流詩人賞と読売文学賞受賞を受賞。著書に、詩集『みをはやみ』、エッセイ集『ベオグラード日誌』など。

山崎さんには、賞金200万円が贈られます。贈呈式は11月9日、宇治市源氏物語ミュージアムで開催。

 
選考委員は、落合恵美子さん(京都大学大学院文学研究科教授)、川上弘美さん(作家)、鈴木貞美さん(文芸評論家/国際日本文化研究センター名誉教授)、竹田青嗣さん(文芸評論家/哲学者/大学院大学至善館教授/早稲田大学名誉教授)、村田喜代子さん(作家)。

作品紹介、講評、受賞の言葉など詳細は、http://www.city.uji.kyoto.jp/0000018232.html をご覧ください。

 
また、「紫式部文学賞受賞者講演会」が11月9日、宇治市源氏物語ミュージアムで開催されます。定員100名で9月17日から受付け(先着順)。詳細は、http://www.city.uji.kyoto.jp/0000022295.html をご確認ください。

 

紫式部文学賞とは

「紫式部文学賞」は、宇治市と宇治市教育委員会が主催。伝統ある日本女性文学の継承・発展と、市民文化の向上に資することを目的とした文学賞です。

前年に刊行された文学作品を対象とし、女性を作者とするものに限定しています。

一般公募は行わず、全国の作家、文芸評論家、出版社、新聞社、市民推薦人から各々1点に限り推薦を受けることとしています。推薦された作品は、紫式部文学賞推薦委員会で数編に絞り込まれ、その後紫式部文学賞選考委員会で受賞候補作品が選定され、市長が決定します。

受賞者は原則として1名で、正賞(「紫式部」をイメージしたブロンズ像)と副賞(賞金200万円)が贈呈されます。

 

パンと野いちご: 戦下のセルビア、食物の記憶
山崎 佳代子 (著)

戦時下で、難民となった人びとは何を食べていたのか。卵と生クリームなしのマーブル戦争ケーキ。停電で溶けだした冷凍庫の肉で銃弾に怯えながら催すバーベキュー大会。第一次、第二次大戦、ユーゴスラビア内戦、コソボ紛争…戦争の絶えないバルカン半島に長年住む著者が戦火のレシピを集めた。食べ物とは思い出のこと。料理とは甦りのこと。繰り返される歴史のなかの、繰り返しのない個人の人生の記憶と記録。

 
【関連】
紫式部文学賞 – 受賞作品 | 宇治市公式ホームページ ~宇治茶と源氏物語のまち~
源氏ろまん2019 -紫式部文学賞受賞者講演会 | 宇治市公式ホームページ ~宇治茶と源氏物語のまち~

 


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