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【第33回紫式部文学賞】角野栄子さん『イコ トラベリング 1948-』が受賞

宇治市(京都府)は、女性作家の文学作品を対象とする「第33回紫式部文学賞」の受賞作を発表しました。

 

第33回紫式部文学賞が決定!

第33回紫式部文学賞は、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第33回紫式部文学賞 受賞作品>

】角野栄子(かどの・えいこ)さん
『イコ トラベリング 1948-』(KADOKAWA)

角野栄子さん著『イコ トラベリング 1948-』(KADOKAWA)

角野栄子さん著『イコ トラベリング 1948-』(KADOKAWA)

 
受賞者の角野栄子さんは、東京・深川生まれ。大学卒業後、紀伊國屋書店勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』は1989年ジブリアニメ作品として映画化、その後舞台化、実写映画化。野間児童文芸賞、小学館文学賞等、受賞多数。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、2018年3月に「小さなノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人3人目として受賞。2023年11月に江戸川区角野栄子児童文学館がオープン予定

受賞作『イコ トラベリング 1948-』は、第63回産経児童出版文化賞 ニッポン放送賞を受賞した『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。装画・挿画は、今日マチ子さん。

角野栄子さんには、賞金100万円が贈られます。

 
選考委員は、川上弘美さん(作家)、鈴木貞美さん(文芸評論家/国際日本文化研究センター名誉教授)、竹田青嗣さん(文芸評論家/哲学者/大学院大学至善館教授/早稲田大学名誉教授)、平田俊子さん(詩人)、村田喜代子さん(作家)。

作品紹介、講評、受賞の言葉など詳細は、https://www.city.uji.kyoto.jp/site/bunkakatsudou/7120.html をご覧ください。

 

紫式部文学賞とは

「紫式部文学賞」は、宇治市と宇治市教育委員会が主催。伝統ある日本女性文学の継承・発展と、市民文化の向上に資することを目的とした文学賞です。

前年に刊行された文学作品を対象とし、女性を作者とするものに限定しています。

一般公募は行わず、全国の作家、文芸評論家、出版社、新聞社、市民推薦人から各々1点に限り推薦を受けることとしています。推薦された作品は、紫式部文学賞推薦委員会で数編に絞り込まれ、その後紫式部文学賞選考委員会で受賞候補作品が選定され、市長が決定します。

受賞者は原則として1名で、正賞(「紫式部」をイメージしたクリスタル像)と副賞(賞金100万円)が贈呈されます。

 

イコ トラベリング 1948-
角野 栄子 (著), 今日 マチ子 (著, イラスト)

1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。87歳、角野栄子は今も現在進行形だ!

<既刊>

トンネルの森 1945
角野 栄子 (著)

太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村に疎開することに。
家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。
耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが……。戦後70年にふさわしい、角野栄子の実体験から生まれた傑作ファンタジー!

太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村に疎開することに。
家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。
耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが……。戦後70年にふさわしい、角野栄子の実体験から生まれた傑作ファンタジー!

 
【関連】
紫式部文学賞 – 受賞作品 – 宇治市公式ホームページ

 


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