【第1回日本おいしい小説大賞】高知県在住・古矢永塔子さん「七度洗えば、こいの味」が受賞
食の描写に秀でたフィクションの書き手を発掘すべく、小学館が昨年創設し、ミステリー、歴史・時代、SF、ファンタジーなどジャンルを問わない、古今東西の「食」をテーマとするエンターテイメント小説を公募する文学賞「第1回日本おいしい小説大賞」の受賞作が発表されました。
なお、同賞は小学館が主催、キッコーマン、神姫バス、日本 味の宿が協賛しています。
第1回日本おいしい小説大賞が決定!
昨年7月より募集を開始した第1回日本おいしい小説大賞は、総応募数160作の中から、2度の選考を経て、4作の最終候補作が選出されました。
選考委員の山本一力さん、柏井壽さん、小山薫堂さんによる最終選考会で、さまざまな議論が重ねられた結果、満場一致で次の通り受賞作が決定しました。
■受賞作
古矢永塔子(こやなが・とうこ)さん
「七度洗えば、こいの味」
選評など詳細は、https://www.shosetsu-maru.com/pr/oishii-shosetsu/1st_award.html をご覧ください。贈賞式は2019年9月26日に開催されます。
なお、最終候補作は以下の4作品でした。
【最終候補作】
「七度洗えば、こいの味」(古矢永塔子さん)
「氷と蜜」(佐久そるんさん)
「ハツコイ・ウェーブ!」(氷月あやさん)
「殻割る音」(深町 汐さん)
また、「第2回日本おいしい小説大賞」の募集が開始されました。
詳しくは、https://www.shosetsu-maru.com/pr/oishii-shosetsu/ をご覧ください。
受賞者・古矢永塔子さんプロフィール&受賞の言葉
古矢永塔子さんは、1982年青森県生まれ。弘前大学人文学部卒業。2017年より小説を書き始める。現在は高知県在住。
<受賞のことば>
「私が小説を書き始めたのは、娘とのふとした会話がきっかけでした。「お母さんの将来の夢は?」という問いに「お母さんはもう大人だから」と返した私に対し、娘はひとこと「大人は夢を見ちゃいけないの?」と不思議そうに言ったのです。その日から、毎日少しずつではありますが物語を書き続け、夢を追い続けてきました。
今回、賞の創設の言葉にありました『三十代から五十代の女性は食にまつわる物語を求めている』という部分を読み、ならば三十代の自分が今一番読みたい物語を書いてみよう、と思い立ちました。
特別なご馳走ではない、日常のなかにある料理。調理をしながら込められた作り手の思いと、受け手が味わう苦みや甘み、そこから自然とこぼれる涙と笑い。できることならいつまででも書きつづけてゆきたい、愛おしい物語になりました。
最後になりますが、選考委員の先生方、審査に携わって下さった全ての方々と、執筆中の私を応援し支えて下さった皆様に、心から御礼申し上げます。」
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