本のページ

SINCE 1991

【第3回日本おいしい小説大賞】村崎なぎこさん「百年厨房」が受賞

日本おいしい小説大賞

日本おいしい小説大賞

小学館は、「食」をテーマとするエンターテイメント小説を公募する文学賞「第3回日本おいしい小説大賞」の受賞作を発表しました。

 

第3回日本おいしい小説大賞が決定!

昨年8月より募集を開始した第3回日本おいしい小説大賞は、総応募数220作の中から二度の選考を経て4作の最終候補作を選出、選考委員の山本一力さん、柏井壽さん、小山薫堂さんによるオンライン最終選考会で、さまざまな議論が重ねられた結果、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第3回日本おいしい小説大賞 受賞作品>

村崎なぎこ(むらさき・なぎこ)さん
「百年厨房」

 
【選考委員による選評(抜粋)】

◆山本一力さん

資料・史料を読み込み、得られた知識を物語に重ねる。
こうすることで、架空の話に重厚さとリアリティーが加わる。
栃木への郷土愛表現は、わずか一年の間に深みを増し、筆力も大きく進化を遂げた。

◆柏井 壽さん

大賞候補としてふさわしい作品であった。タイムスリップものは、おうおうにして陳腐になりがちだが、それぞれの時代背景をうまく使い、場面転換のタイミングも素晴らしい。
料理の内容もほどよく、ノスタルジック、かつ郷土愛に満ちているが、懐古趣味に陥ることなく、押しつけがましさもないのが秀逸。

◆小山 薫堂さん

「百年厨房」は、まさに社会がコロナ禍に突入したところでエンディングを迎えるものの、そこに悲壮感はなく、むしろ100年の時間を助走として未来に向かう清々しさが感じられました。

 
※なお、受賞作は小学館より今冬刊行の予定です。
※選評の全文や、最終候補作など詳細は、https://shosetsu-maru.com/pr/oishii-shosetsu/3rd_award.html をご覧ください。

 

受賞者・村崎なぎこさん プロフィール&受賞の言葉

受賞者の村崎なぎこさんは、1971年生まれ。栃木県出身。文芸賞等への応募歴は30年以上。現在は食べ歩きブロガーをしながら、2019年に結婚したトマト農家の夫を手伝う。

<受賞のことば>

小さいころからの夢は「●歳までに新人賞を受賞して小説家になる」。しかし、「●」に入る数字が30、40と延びていく。途中でシナリオに転向して受賞しても、その先に続かない。ついに50の数字が見えてきて、自分に問いかける。残りの人生、どうしよう? 答えは「やっぱり小説家」。でも、この歳で新人賞なんて無理では? 「こうなったら最年長受賞記録を目指そう」。勤務先を退職し、背水の陣で臨むこと5年。ついに昨年、「日本おいしい小説大賞」で最終選考に選出。やっとゴールと思いきや、選外。再度自分に問いかける。どうする、諦める? 答えは一つ。「歯を食いしばって頑張れ!」。そして今回の受賞のご連絡。結果発表の日は、50歳の誕生日まで残り1か月を切っていた。
ついに私の夢の扉を開いてくださった選考委員の先生方に、心より感謝申し上げます。

 

日本おいしい小説大賞について

小説家にとって腕の見せ所と言われているのが、食の描写です。池波正太郎さんの『鬼平犯科帳』の魅力は数多くありますが、作中に出てくる食べ物があまりに美味しそうであることも、その一つであることは間違いありません。

また、小学館によれば、どんな小説を読みたいか30代~50代の女性(本を買って読む習慣のある主要層)へのアンケートを取ると、「食にまつわるお話」とこたえる方の比率は非常に高くなっており、今も昔も“食小説”には一定以上のニーズがある、とのことです。

 
そこで小学館は、食の描写に秀でたフィクションの書き手の発掘を目的として、「日本おいしい小説大賞」を創設しました。

選考委員は、直木賞作家の山本一力さん(食の代表作は『銀しゃり』『だいこん』)、作家の柏井壽さん(食の代表作は連続ドラマ化された「鴨川食堂」シリーズ)、放送作家・脚本家の小山薫堂さん(伝説のテレビ番組『料理の鉄人』構成)が務めます。

小学館が主催し、キッコーマン株式会社・神姫バス株式会社・日本 味の宿が協賛。

 

<参考> 前回(第2回)受賞作

私のカレーを食べてください
幸村 しゅう (著)

第2回「日本おいしい小説大賞」受賞作!

「お前の売りは何だ?」「私にはカレーしかありません!」――――。

古びた喫茶店の装いながら、本格的なスパイスカレーを出す「麝香猫」。そこで働く山崎成美は調理師学校に通う19歳。成美は幼い頃に両親が離婚、育ててくれた祖母も失踪してしまい、天涯孤独の身であった。

そんな彼女の運命を変えたのは、小学校の先生が作ってくれた一杯のカレーライス。成美はその味を自分でも作りたい一心で調理を始め、カレーの奥深さに戸惑いながらも、ようやくきっかけを掴みはじめていた。しかし突然、ある事情から「麝香猫」が店を閉めることになってしまい……。

理想のカレーを追い求める少女と人々の人情が織りなす、おいしい×青春×お仕事小説!

 
【編集担当からのおすすめ情報】
カレーの街、神田・神保町発の受賞作!

巻末にはスパイス料理研究家・印度カリー子氏による特製カレーレシピも収録。

読んで楽しい、作っておいしい1冊です!

 
【関連】
第3回 日本おいしい小説大賞受賞作発表|小学館

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です