東村アキコさん『東京タラレバ娘』英語版が「アイズナー賞」最優秀アジア作品賞を受賞! 最優秀コミカライズ作品賞に伊藤潤二さん「フランケンシュタイン」
アメリカで開催されたコミコン・インターナショナル(サンディエゴ・コミコン)にて7月19日(現地時間)、「コミック界のアカデミー賞」と呼ばれ、過去一年間で優れた業績、活動を残した国内外のコミック作品とアーティストを表彰するアイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Award)の「最優秀アジア作品賞」(Best U.S. Edition of International Material-Asia)を東村アキコさん『東京タラレバ娘』英語版が受賞しました。
また、同賞の「最優秀コミカライズ作品賞」(Best Adaptation from Another Medium)を、伊藤潤二さんの英語版作品集に収められた「フランケンシュタイン」が受賞しました。
Best Adaptation from Another Medium
“Frankenstein” by Mary Shelley, in Frankenstein: Junji Ito Story Collection, adapted by Junji Ito, translated by Jocelyne Allen (VIZ Media)
Best U.S. Edition of International Material-Asia
Tokyo Tarareba Girls, by Akiko Higashimura (Kodansha)
「アイズナー賞」最優秀アジア作品賞を東村アキコさんが受賞!
アイズナー賞の最優秀アジア作品賞を受賞した東村アキコさんの『東京タラレバ娘』は、アラサー未婚女子・倫子と香と小雪の三人が恋に仕事に暗中模索する姿を描いた作品です。本編全9巻と番外編『東京タラレバ娘 リターンズ』が刊行されており、累計発行部数は電子版を含めて500万部を突破、吉高由里子さん主演でTVドラマ化もされています。現在、『Kiss』(講談社)にて、続編となる「東京タラレバ娘 シーズン2」が連載中です。
なお、同賞を少女漫画が受賞するのは初となります。
東村アキコさんは、1975年生まれ。宮崎県出身。1999年『フルーツこうもり』でデビュー。2010年『海月姫』で講談社漫画賞、2015年『かくかくしかじか』でマンガ大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、同年『東京タラレバ娘』で「ananマンガ大賞」大賞を受賞。現在、『偽装不倫』が連続ドラマ化され日本テレビ系で放送中。
ちなみに、「最優秀アジア作品賞」は過去に、手塚治虫さん、水木しげるさん、辰巳ヨシヒロさん、浦沢直樹さんなどの作品が受賞しており、昨年も田亀源五郎さんの『弟の夫』が受賞しています。
「アイズナー賞」最優秀コミカライズ作品賞を伊藤潤二さんが受賞!
アイズナー賞の最優秀コミカライズ作品賞を受賞した伊藤潤二さんの「フランケンシュタイン」は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を漫画化したもので、作品集『フランケンシュタイン』英語版に収録されています。
同作は、巨匠フランシス・フォード・コッポラがプロデューサー、怪物役がロバート・デニーロという超大作のホラー映画が製作されていると聞きつけた朝日ソノラマの編集部が、伊藤さんにメアリー・シェリー原作「フランケンシュタイン」の漫画化をオファー。
作品は1994年、『月刊ハロウィン』に3か月連続で掲載され、映画版の日本公開前とあって大変注目されました。全編184ページにも及ぶ、伊藤さんにとっても超大作のコミカライズ作品となりました。
伊藤潤二さんは、1963年生まれ。岐阜県出身。ホラー漫画家。高校卒業後、歯科技工士の学校へ入学し、職を得るも、『月刊ハロウィン』(朝日ソノラマ)新人漫画賞「楳図かずお賞」の創設をきっかけに、楳図さんに読んでもらいたい一念で投稿。1986年、投稿作『富江』が佳作受賞。本作がデビュー作となり、代表作になります。3年後、歯科技工士を辞め、漫画家業に専念。『道のない街』『首吊り気球』「双一」シリーズ、『死びとの恋わずらい』『うずまき』など唯一無二の作品を発表し続けています。
なお、受賞を記念して、朝日新聞出版が運営するマンガ試し読みサイト「ソノラマプラス」では、伊藤潤二さんの「フランケンシュタイン」(日本語版)を期間限定で一挙公開中です。
★URL:http://sonorama.asahi.com/news/2019/07/2019-ito-news.html
コミコンとは
「コミコン」は、1970年、ゴールデン・ステート・コミック・ブック・コンベンションとしてシェル・ドルフを中心に開催されたのが原点で、テクノロジーとポップ・カルチャーのイベントです。
アメリカのサンディエゴでは毎年7月上旬に開催され、海外コミック、アニメ、ゲーム、映画と内容も拡大され、 最大13万人が集まる大イベントに発展しています。(東京コミコン公式HP:https://tokyocomiccon.jp/whatscc より引用)
東京タラレバ娘(1) (KC KISS) 東村 アキコ (著) 「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」 |
伊藤潤二傑作集 10 フランケンシュタイン (ASAHI COMICS) 伊藤潤二 (著) 「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)でも紹介された、ホラーコミック界の鬼才が放つ恐怖名作集第10弾! 北極探検に向かうロバートの前に現れた漂流者。死をも覚悟し、悪魔を追っていると語る男は……。 【目次】 |
【関連】
▼Eisner Awards Current Info | Comic-Con International: San Diego
▼伊藤潤二氏 2019アイズナー賞受賞|ニュース|ソノラマプラス
◆「ドラえもん」傑作選『とっておきドラえもん ぞくぞくぶるるホラー編』が刊行 巻末にはホラー漫画家・伊藤潤二さんの解説を収録 | 本のページ
◆東村アキコさん”全部活字”の初エッセイ集『もしもし、アッコちゃん?』が刊行 | 本のページ
◆日越外交関係樹立50周年記念!東村アキコさん〈歴史まんが〉「アニオー姫」をWeb公開 | 本のページ
◆小田雅久仁さん『禍(わざわい)』が海外翻訳&先行コミカライズ! | 本のページ