【ビジネス書大賞2019】新井紀子さん『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』が大賞を受賞
ビジネス書大賞2019実行委員会は5月22日、「ビジネス書大賞2019」の受賞作品を発表しました。
「ビジネス書大賞2019」受賞作品
「ビジネス書大賞2019」では、 2018年発売のビジネス書の中から、書店員、ブロガー、出版社、マスコミ、六本木アカデミーヒルズライブラリー会員および一般読者の一次投票によってノミネート8作品を選出。その後、 最終選考委員による審査のもと、次の通り大賞ほか各賞が決定しました。
【ビジネス書大賞2019」受賞作品】 ※敬称略
■大賞:『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)
■経営者賞:『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(著:フレデリック・ラルー、訳:鈴木立哉、解説:嘉村賢州/英治出版)
■読者賞:『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(著:スコット・ギャロウェイ、訳:渡会圭子/東洋経済新報社)
※詳細は、http://biztai.jp/prize.html をご覧ください。
なお、ノミネート作品は以下の8作品でした。
【ノミネート作品】 ※敬称略
◎『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』(伊藤羊一/SB クリエイティブ)
◎『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)
◎『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(著:スコット・ギャロウェイ、訳:渡会圭子/東洋経済新報社)
◎『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(著:フレデリック・ラルー、訳:鈴木立哉、解説:嘉村賢州/英治出版)
◎『日本再興戦略』(落合陽一/幻冬舎)
◎『ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70』(株式会社アンド/翔泳社)
◎『ホモ・デウス(上・下):テクノロジーとサピエンスの未来』(著:ユヴァル・ノア・ハラリ、訳:柴田裕之/河出書房新社)
◎『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑/サンクチュアリ出版)
最終選考会での選考委員による評
・AI、いやAI技術の発達で何が起きるのか、それを考えるために読むべき本。AIで仕事はなくなるのかといった疑問に、論理的かつデータに基づきながら丁寧に答えていて、専門知識がなくてもよく理解できる。
・この本こそ、今日本で最も読まれるべき著書だと思います。AI、シンギュラリティに対する誤解を解くだけでなく、むしろ著者が訴えたいのはAIを通して何が起こるのか、もっと本質的なことです。いくつかの仕事がなくなるというレベルではない企業の“儲け方”の根本的な変化、淘汰され得ない人材とは―?そしてその背景に日本の教育と、それによって生み出された人材の危機を訴える新井先生のすごみに圧倒されました。
・甘く見ていた。ナメていた。タイトルから、新井先生が色んなところで言っている「子供の読解力の話だろ」と思っていたら…AIという無機物から人類の可能性と限界と、現在われわれが抱える問題を逆照射する、「どう生きるべきか」の指南書だった。読みやすさの点からも、ビジネスマン以外の人も読むべき現代の必読書だと思う。
・いわゆる「シンギュラリティ」は来ないと断言するが、勤労者の半数が失業の危機にさらされるだけでなく、企業も淘汰される危険がある時代がすぐそこに迫っていることを、数学者としての専門的な知見と経験を生かして、具体的にわかりやすく説いている。重要なことは人間らしく、生き物らしく柔軟になること、そして読解力を磨くこと。一読して暗い気持ちになり、今のところの読解力向上の因子が見つからないことに嘆息しつつも、戸田市のRSTへの具体的な取り組みに明るい気持ちになり、最終章の最悪のシナリオで暗い気持ちに戻りつつ、最後に一筋の光明を感じさせる。
【本年の最終審査員】 ※敬称略・50音順
<経済界の方>
雑賀 大介:三井製糖株式会社 代表取締役社長
平松 哲郎:日本土地建物株式会社 代表取締役社長
武藤 浩:みずほ銀行 顧問
<若手実業家の方>
瀧口 浩平:株式会社メドレー 代表取締役社長
南 章行:株式会社ココナラ 代表取締役社長
柳澤 大輔:株式会社カヤック 代表取締役CEO
<学者・有識者の方>
大槻 奈那:名古屋商科大学大学院 教授/二松学舎大学 客員教授
柳瀬 博一:東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授
<書店・取次の方>
浅香 健:日本出版販売株式会社 仕入部 書籍仕入課 専門書係 係長
石井 温己:株式会社紀伊國屋書店 和書販売促進部
西川 仁:株式会社丸善ジュンク堂書店 営業本部 西日本営業部部長
昼間 匠:株式会社 リブロプラス 商品部 BOOKグループ BOOKチーム
<マスコミ・メディア関係の方>
上田 渉:株式会社オトバンク 代表取締役会長
木下 明子:プレジデント社 「プレジデントウーマン」 編集長
栗原 甚:日本テレビ放送網株式会社 制作局 プロデューサー
阪上 大葉:株式会社講談社 第一事業局 第一事業戦略部「現代ビジネス」 編集長
瀬尾 傑:株式会社スマートニュース スマートニュースメディア研究所所長
竹下 隆一郎:ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社 「ハフポスト日本版」 編集長
竹田孝洋:株式会社ダイヤモンド社 「週刊ダイヤモンド」 編集委員
谷本 有香:株式会社アトミックスメディア「Forbes JAPAN」 副編集長
浜田 敬子:株式会社メディアジーン 「Business Insider Japan」 統括編集長
山崎 良兵:株式会社日経BP クロスメディア編集 編集部長
山田 俊浩:株式会社東洋経済新報社 「週刊東洋経済」 編集長
<運営>
小林 麻実:アカデミーヒルズ六本木ライブラリーアドバイザー
干場 弓子:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役社長
(肩書きは2019年4 月15日 時点のものです)
「ビジネス書大賞」について
ビジネス書大賞は、日本出版販売、トーハンの協力のもと、ディスカヴァー・トゥエンティワン、アカデミーヒルズ六本木ライブラリーによる実行委員会が運営。その年を代表するビジネス書を選出し表彰するビジネス書専門の賞です。
なお、ここでいうビジネス書とは「ビジネスパーソンにとって学びや気づきがある本」と広く定義し、単行本・新書等の体裁や実用書・文芸等のジャンルにはこだわらない考えです。
賞の選考は、書店、ブロガー、出版社、マスコミの代表と一般読者の投票によって進めます。これは、現在のビジネス書が、単に著者の力だけでなく、多くの関係者の力がまとまって一つのムーブメントになることで初めて、読者の広い支持を受けるようになる現状を反映したものとするためです。
★公式サイト:http://biztai.jp/
「ビジネス書大賞 2019 授賞式」 開催概要
■日時:7月4日(木)19:00~21:00(開場18:30)
■参加費:無料
■定員:100名
■内容:『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』著者・新井紀子さんによる受賞記念トーク 他
■場所:アカデミーヒルズ六本木ライブラリー オーディトリアム
◎住所:東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー49F
◎アクセス:http://forum.academyhills.com/roppongi/access/index.html
■参加申込み:6月上旬頃から受付予定
東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。
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