本のページ

SINCE 1991

【第53回蛇笏賞】大牧広さん句集『朝の森』が受賞

句集『朝の森』(2018年11月 ふらんす堂刊)

句集『朝の森』(2018年11月 ふらんす堂刊)

角川文化振興財団は3月28日、第53回蛇笏賞の受賞作を発表しました。

 

第53回蛇笏賞が決定!

第53回蛇笏賞の選考委員会が3月28日、東京・飯田橋の「かぐら坂 志満金」で開催され、次の通り受賞作が決定しました。

 
■第53回蛇笏賞

大牧広(おおまき・ひろし)さん
句集『朝の森(あさのもり)』(ふらんす堂)

 
受賞者の大牧広さんは、1931年生まれ。東京出身。1965年「馬酔木」「鶴」に入会。1970年「沖」に入会し、能村登四郎さん、林翔さんに師事。1989年「港」を創刊し、主宰。2009年に現代俳句協会賞、2015年に第30回詩歌文学館賞、与謝蕪村賞、句集『正眼』で俳句四季特別賞、2016年に山本健吉賞、2018年にエッセイ集『俳句・その地平』で文學の森特別賞を受賞。現代俳句協会名誉会員、国際俳句交流協会会員、日本ペンクラブ会員、日本文藝家協会会員。

受賞作の『朝の森』は、『地平』(2016年刊)につぐ第10句集。2016年から2018年までの作品から325句を収録。

大牧さんには、賞状・記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は、6月28日(金)午後5時から東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで「第53回迢空賞贈呈式」と併せて開催。

 
第53回蛇笏賞の選考委員は、片山由美子さん、高野ムツオさん、高橋睦郎さん、長谷川櫂さん。選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。

 
なお、最終候補作は次の通りです。

【最終候補作】
◎茨木和生さん『潤』(邑書林)
◎榎本好宏さん『青簾』(角川文化振興財団)
◎大牧 広さん『朝の森』(ふらんす堂)
◎三村純也さん『一』(角川文化振興財団)
◎山本洋子さん『寒紅梅』(角川文化振興財団)

 

蛇笏賞について

蛇笏賞は、俳人・飯田蛇笏の遺徳を敬慕し、「世世に語り継ぎ、日本詩歌の振興に一層の努力を期す」ことを目的に設立された俳句の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。

前年の1月から12月の間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈られます。

 

朝の森
大牧 広 (著)

◆第十句集
敗戦の年に案山子は立つてゐたか

戦争体験の一証言者として老境に安んじることなく反骨魂をもって俳諧に生きる著者の渾身の新句集。

◆自選十五句より
鳥雲にヒトはめげずに希望抱く
夏草と引込線の睦みゐて
見下しても見下しても蟻穴に入る
父とつくりし防空壕よ八月よ
芒山一本づつが傷だらけ
戦中や兵擲たれゐし芒原
地下街に売られし芒自暴自棄
遠くなる老のまなざし白甚平
軍神の生家朽ちゐて草いきれ
達観は嘘だと思ふ新生姜

 
【関連】
【決定のお知らせ】第53回蛇笏賞 – 角川文化振興財団

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です