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【第72回毎日出版文化賞】奥泉光さん、佐藤卓己さん、松田洋一さん、松村圭一郎さんらが受賞

毎日新聞社は11月3日、優れた出版物の著編者、出版社を顕彰する第72回毎日出版文化賞の受賞作を発表しました。

 

第72回毎日出版文化賞を4名・1団体が受賞!

第72回毎日出版文化賞の受賞作が、次の通り決定しました。
なお、贈呈式は11月29日午後1時半、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催されます。

 
■文学・芸術部門
奥泉光(おくいずみ・ひかる)さん
『雪の階(きざはし)』(中央公論新社)

■人文・社会部門
佐藤卓己(さとう・たくみ)さん
『ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学』(岩波書店)

■自然科学部門
松田洋一(まつだ・よういち)さん
『性の進化史 いまヒトの染色体で何が起きているのか』(新潮社)

■企画部門
内田泉之助(うちだ・せんのすけ)さん他・編
『新釈漢文大系』(明治書院)全120巻別巻1<完結>

■特別賞
松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)さん
『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)

 

毎日出版文化賞について

毎日出版文化賞は1947年に創設。毎日新聞社が主催し、優れた出版物の著編者、出版社などを顕彰する文学・文化賞です。大日本印刷が特別協力。

「文学・芸術」、「人文・社会」、「自然科学」、「企画」(全集、講座、辞典、事典、書評など)、「特別賞」の5部門で選考が行われます。対象となるのは、前年9月1日から当年8月31日までの間に初版が刊行された出版物、同時期に完結した全集などです。

 

雪の階 (単行本)
昭和十年、秋。笹宮惟重伯爵を父に持ち、女子学習院高等科に通う惟佐子は、親友・宇田川寿子の心中事件に疑問を抱く。冨士の樹海で陸軍士官・久慈とともに遺体となって発見されたのだが、「できるだけはやく電話をしますね」という寿子の手による仙台消印の葉書が届いたのだ――。

富士で発見された寿子が、なぜ、仙台から葉書を出せたのか? この心中事件の謎を軸に、ドイツ人ピアニスト、探偵役を務める惟佐子の「おあいてさん」だった女カメラマンと新聞記者、軍人である惟佐子の兄・惟秀ら多彩な人物が登場し、物語のラスト、二・二六事件へと繋がっていく――。

 
ファシスト的公共性――総力戦体制のメディア学
民主化されたプロパガンダ。「ポスト真実」は新しいのか?“参加”と“共感”に翻弄される民主主義。フェイク・ニュースが跋扈する現在を、メディア史的思考が撃つ!

 
性の進化史: いまヒトの染色体で何が起きているのか (新潮選書)
男性はいつか、この地球上から消えてしまうのだろうか? 地球に暮らす175万種類近くの生物には、温度などの環境によって雌雄の比率を変える生物もいれば、性のない生き物すらいる。そもそも、なぜ性は存在するのか? なぜヒトには雌雄同体がないのか? 性転換する生物の目的とは? 命を次世代に継いでいくため、驚くほど多様化させてきた生き物たちの「性」の通史。

 
新釈漢文大系〈1〉論語

 
うしろめたさの人類学
市場、国家、社会…断絶した世界が、「つながり」を取り戻す。その可能性を、「構築人類学」という新たな学問手法で追求。強固な制度のなかにスキマをつくる力は、「うしろめたさ」にある!

 
【関連】
社告:第72回毎日出版文化賞決まる – 毎日新聞
「第72回出版文化賞」作品募集 | 毎日新聞社

 


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