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全54帖中の最高傑作「若菜」を含む、角田光代さん訳『源氏物語』中巻が「本の日」「古典の日」の11月1日に刊行!

全54帖中の最高傑作「若菜」を含む、角田光代さん訳『源氏物語』中巻が「本の日」「古典の日」の11月1日に刊行!

全54帖中の最高傑作「若菜」を含む、角田光代さん訳『源氏物語』中巻が「本の日」「古典の日」の11月1日に刊行!

日本文学最大の傑作とされる「源氏物語」の、角田光代さん現代語訳第2弾『源氏物語 中』が、河出書房新社より11月1日に刊行されます。

同書は「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」(全30巻)の最後を飾る『源氏物語』全3巻の一冊です。

 

ドラマチックな物語の醍醐味が味わえる、角田光代さん訳『源氏物語』中巻がいよいよ刊行!

約1000年前に紫式部によって書かれ、日本文学最大の傑作とされる「源氏物語」(全54帖)が、角田光代さんによって現代語訳されました。

角昨年9月に刊行された『源氏物語 上』には、「最後まで初めて読めました」「小説として楽しめました」「この訳で初めて細かいディテールがわかった」など、10代から80代まで多くの方々から感想が寄せられたとのことです。

このたび第2弾、『源氏物語 中』をいよいよ刊行します。

そして、「本の日」であり、また「古典の日」とも定められている11月1日に、第2弾となる『源氏物語』中巻が刊行されます。

 
【角田訳の特徴】

角田光代さんの訳の特徴は、

(1) 原文に忠実な訳ながら、現代的かつ心の襞に入り込む自然な訳文、
(2) 地の文の敬語をほぼ廃し、主語を入れたことで細部まで分かりやすい、
(3) 草子地と呼ばれる著者や第三者の声を魅力的に訳して挿入

など、読みやすさの工夫が凝らされています。

 
『源氏物語 中』には、栄華を極めた光源氏が富も権力も手にしながらも、女三の宮の降嫁をきっかけに、揺るぎないはずの源氏と紫の上、六条院の調和が崩れ始めてゆくなど、光源氏の光と影、そして人々が大きな運命に突き動かされていく様子が描かれたドラマチックな巻です。

何と言っても注目は、全54帖中の最高傑作と言われる「若菜(上・下)」です。光源氏が柏木と女三の宮の密通を知り因果応報に慄くなど、因果応報が描かれるこの巻は、丸谷才一さん、池澤夏樹さんなど多くの作家が絶賛する「完璧な小説」であり、中巻はこの中長編とも呼べる長さの「若菜」を軸に、22帖「玉鬘」から41帖「幻」までが収録されています。

物語の個々の粒立ちが知られているのが上巻だとしたら、より小説としての完成度が高く、物語の醍醐味が存分に味わえるのが中巻です。「すれ違う思いや苦悩、苦しみが描かれ、紫式部の筆がより生き生きとしている」と角田さんがいう中巻が、角田訳で堪能できます。

 

角田光代さん プロフィール

(c)KIKUKO USUYAMA

(c)KIKUKO USUYAMA

角田光代(かくた・みつよ)さんは、1967年生まれ。神奈川県出身。

著書に『まどろむ夜のUFO』(野間文芸新人賞)、『空中庭園』(婦人公論文芸賞)、『対岸の彼女』(直木賞)、「ロック母」(川端文学賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)など多数。

 

「本の日」「古典の日」について

■本の日

「全国の本屋さんそれぞれが、お客様に喜んでいただけるような企画を考え行いながら本屋に足を運んでいただこう」という活動です。

本棚に並ぶ本を見立てて(111)11月1日に指定されました。

★URL:https://honnohi.com

 
■古典の日
時空を超えた人言の叡智の結晶 – 古典。
「古典の日」は源氏物語千年紀を記念して2008年11月1日に京都で宣言されました。

★URL:http://www.kotennohi.jp

 

書籍情報〔敬称略〕

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 05
『源氏物語 中』角田光代/訳

◎月報:江國香織 馬場あき子
◎帯写真:長島有里枝
◎46変形判/上製本/664ページ

 

源氏物語 中 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集05)
栄華を極める光源氏への女三の宮の降嫁から、運命が急変する――
恋と苦悩、密通の因果応報を描く、最高傑作の巻!

この中巻の「若菜(上・下)」のために源氏物語があると言っていい。
――池澤夏樹

感情の描きかたの複雑さとリアリティ、その比喩の巧みさに私は何度も息をのんだ。
そして気づいたのである。この作者は、負の感情、弱さや迷いや悲しみを書くときに、
筆がずば抜けて生き生きしている。 ――角田光代

【目次】
玉鬘(たまかずら) いとしい人の遺した姫君
初音(はつね) 幼い姫君から、母に送る新年の声
胡蝶(こちょう) 玉鬘の姫君に心惹かれる男たち
蛍(ほたる) 蛍の光が見せた横顔
常夏(とこなつ) あらわれたのは、とんでもない姫君
篝火(かがりび) 世に例のない父と娘
野分(のわき) 息子夕霧、野分の日に父を知る
行幸(みゆき) 内大臣、撫子の真実を知る
藤袴(ふじばかま) 玉鬘の姫君、悩ましき行く末
真木柱(まきばしら)思いも寄らない結末
梅枝(うめがえ) 裳着の儀を祝う、女君たちの香
藤裏葉(ふじのうらば)夕霧、長年の恋の結実
若菜 上(わかな) 女三の宮の降嫁、入道の遺言
若菜 下(わかな) すれ違う思い
柏木(かしわぎ) 秘密を背負った男子の誕生
横笛(よこぶえ) 親友の夢にあらわれた柏木の遺言
鈴虫(すずむし) 冷泉院と暮らす秋好中宮の本意
夕霧(ゆうぎり) 恋に馴れない男の、強引な策
御法(みのり) 露の消えるように
幻(まぼろし) 光君、悲しみに沈む

 
【関連】
日本文学全集 源氏物語(中)角田光代 訳 | 河出書房新社

 


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