『面倒な“やりとり”がシンプルになる仕事のコツ48』なるべく、たくさん、かなり…あいまい言葉で仕事したらアウト―ッ!
かんき出版より、伊庭正康さん著『面倒な“やりとり”がシンプルになる仕事のコツ48』が刊行されました。
行き違いを生む「あいまい言葉」は、ルールをつくって撲滅!
仕事をより速くするためには、個人のスキルを磨くだけでは限界があります。なぜなら、仕事は1人でするものではないからです。
仕事のスピードを上げるためには、上司や部下、同僚、取引先との、“やりとり”を効率化する必要があります。
たとえば、
「なるべく早くお願いします」
「反対の声がたくさんある」
「事務所がかなり狭い」
もし仕事中にこんな言葉を使っているようなら、あなたの話はうまく伝わっていないかもしれません。こういった表現はビジネスではNG。なぜなら、行き違いが起こり、仕事が滞る可能性が高まるからです。仕事上のコミュニケーションでは「あいまいさ(ニュアンス)」を排除して伝えることが重要です。下のメールの文面を見てください。
この文面からは「相手の力に期待したい」「責任を相手に押しつけたい」という心理も見てとれます。だから、わざとあいまいな表現になっているのでしょう。しかし、これでは相手が混乱し、行き違いが起こります。
・若手社員のやる気が出る→ 「どういうこと? 何が彼らのやる気のもとなの?」
・忙しい彼らにもささる文面→ 「短い言葉?内容?どういうこと?」
大切なのは、解釈には幾通りもあると考えておくことです。
では、どうすればいいのか。このシーンなら、下記に示した例のように、表現を変えることであいまいさを排除できます。
外国人に伝えるときのことをイメージするといいかもしれません。著者は有名大学院出身の、日本語が堪能なベトナム人と会話をしました。そんな彼らでも「肌をスベスベにする」「君のセンスに任せる」などといった、あいまいな表現は理解が難しいと言います。
これは能力の問題ではなく、感覚の差。その差は日本人同士にも存在します。
ていねいに伝えるとは、言葉を増やすことではなく、「具体的」に伝えることだと考えてください。なお、とっさにあいまいな表現が出ないようにするためには、自分で下記に挙げたような「NGワード」を決めて、ルール化しておくといいでしょう。
著者もあいまい言葉ユーザーでした
実は、著者も会社員時代にあいまいな表現を使ったことで、上司から注意を受けたことがあるといいます。「新しい職場の雰囲気はどう?」と聞かれて、ついこう答えたそうです。
「えーと……、そうですね。みんなこの職場が好きだと言っておりましたので、楽しみです」
すると、すぐにこう質問されました。
「みんなって何割のこと?」
「そのくらい、いいじゃん」と思ったものの、それは著者の感覚。あとで考えると、その上司は教育的な観点からこう言ってくれたのだと思います。
感覚は人それぞれ。誤解のないよう、言葉遣いには慎重でありたいところです。ぜひ、あなたも「NGワード」をつくってください。それが習慣になれば、とっさの場面であいまいな言葉が出てこなくなります。
本書では、報連相やメール、社内外の人への応対、上司や部下、同僚を動かして仕事のスピードを上げるための伝え方など、さまざまな“無駄なやりとり”を効率化して、仕事の効率を上げるためのノウハウが紹介されています。
まだまだあります!面倒な“やりとり”がシンプルになる仕事のコツ
・「よかれと思ってやる」のをやめる
・伝言やハガキの「手書きコメント」をやめる
・「すぐにやります!」をやめる
・いちいち「会いにいかない」
・説明は「手ぶら」で勝負する
・「ちなみに」という言葉を使わない
・報告は「ていねい」より「拙速」に!
・「SOS」は早めに伝えれば問題ない
・お願いする際は「仕上がりは70点」で十分と考える
・「あいまいさ」をなくすお願いの仕方とは?
・夜間と休日にメールをしない
・文章入力は「2文字」で!
・いつものメールを0秒で
・即レスの人は「自分をノセる」方法を知っている
本書の目次
第1章 余計な仕事を増やさない!“無駄なやりとりを捨てる”技術
第2章 報・連・相や交渉を効率化する!“スピード伝達”術
第3章 人の力を借りる人は仕事が速い!“効果的なお願い”術
第4章 すぐにできる! 超速の“さばき”術
第5章 すぐやる「即レスメンタル」を手に入れる!“心の割り切り”術
伊庭正康さん プロフィール
著者の伊庭正康さんは、1969年京都生まれ。1991年リクルートグループ入社。4万件を超える訪問営業を通じて学んだ、「余計なことをやらず、成果が出ることのみに集中する」というポリシーを武器に営業職として活躍。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞するなど、累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長に昇進。その後、30代で株式会社フロムエーキャリアの代表取締役に就任するなど、若くして重要ポストを歴任する。
2011年、企業研修を提供する、株式会社らしさラボを設立。短時間で圧倒的な成果を上げるため、成果が上がらない原因になっている仕事の無駄や、思い込み、メンタルブロックを徹底的に洗い出し、それらを捨てることの大切さを説くべく、自ら年間200回を超えるセッション(営業研修・営業リーダー研修・コーチング・講演)をさまざまな業種の企業に提供している。また、ストレスコーピングコーチとしてビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。
著書に、『すべてを手にする人が捨てている41のこと』(小社)、『残業ゼロの人の段取りのキホン』『数字を上げる人の営業・セールストークのキホン』(ともにすばる舎)、『強いチームをつくる! リーダーの心得』『営業の一流、二流、三流』(ともに明日香出版社)など多数。
本書は、日々の報告・連絡・相談やメール、コミュニケーションなど、仕事上の“やりとり”を効率化するための本です。
毎日残業が続き、「頑張っているのに早く帰れるようにならない」と悩んでいる人のなかには、「いくら“仕事をさばく力”を高めたところで限界がある」と考えている人も多いことでしょう。
複数の人が関係する仕事は、誰か一人が先送りしてしまうと、とたんにスピードが落ちてしまいます。つまり、自分一人が頑張るだけでは、仕事が速くなることはないのです。逆にいえば、仕事における“やりとり”の仕方を少し変えるだけで、仕事は劇的に速くなるということ。
本書では、報連相やメール、社内外の人への応対、上司や部下、同僚を動かして仕事のスピードを上げるための伝え方など、さまざまな“無駄なやりとり”を効率化して、仕事の効率を上げるためのノウハウを紹介していきます。
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