『愛とためらいの哲学』 ベストセラー『嫌われる勇気』著者の恋愛論 アドラー心理学で「愛の能力」をアップ!
PHP研究所より、ベストセラー『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎さん著『愛とためらいの哲学』(PHP新書)が発売中です。装画は、女性ファンの多い漫画家・おかざき真里さん。
2013年の発売以来、全世界で400万部を超えるベストセラーとなり、世界中にアドラー心理学ブームを巻き起こした『嫌われる勇気』(共著・ダイヤモンド社)。その著者である岸見一郎さんが、「ずっと書きたいと思っていたテーマだった」のが、本書です。
芸能人の不倫ネタや、テレビドラマの中のゲス恋愛が大きな話題になったり、ストーカーによる事件が起こってしまったりする、そんな時代に一石を投じる恋愛論です。
アドラーが一番よく受けた質問は「恋愛相談」
「対人関係の心理学」ともいわれる、アドラー心理学の祖であるアルフレッド・アドラーと、日本におけるアドラー心理学研究の第一人者である岸見一郎さん。
2人の共通点は「よく恋愛相談を受けた」こと。晩年のアドラーが、講演会で一番よく受けた質問も、著者が教鞭をとっていた時に学生から寄せられた相談も、一番多かったのが「恋愛関係」だったそうです。
携帯電話やSNSによって“繋がる”手段が多彩になり、I o Tでモノを自在に動かすことができるようになった現代。これだけ技術が進化してもなお、思いどおりにならないのが人の心であり、恋愛なのです。
だからこそ著者は本書の中で、恋愛によって生じる悩みや苦しみから解放され、恋愛を通じて幸福になる方法を考察しています。
「愛とは能力であり、技術である。」
カウンセラーとして、教師として、長年数多くの人たちから恋愛相談を受けてきた経験と、アドラー心理学、哲学の研究者として探究してきた「愛」についての哲学的思索――そこから導きだされるのは「愛とは能力であり、技術である。」というメッセージです。
愛され方ではなく、愛し方を学ぶことと、それを実現する勇気を持つこと。アドラーの教えとともに、具体的な考え方や行動のヒントを提示することで、恋愛へのためらいから心を解放します。
『愛とためらいの哲学』「はじめに」より
恋愛で何らかの意味で躓いたことがない人は、おそらく本書を手にすることはないでしょう。また、一度躓いても自信がある人はすぐに次の恋愛が待っていると思えるでしょうし、そのような人も本書を手にすることはないでしょう。
そこで、本書では、恋愛でこうした苦しい思いをしたことがある人、再び同じような苦しみを味わうことを怖れるあまりに、恋愛を遠ざけてしまっているような人、そして、まさに今、恋愛や結婚しているパートナーとの関係で苦しんでいるような人を読者として想定しています。
本書の内容
(目次より抜粋)
第1章 なぜあなたの「恋愛」は幸せをもたらさないのか
◎恋愛は二人の課題である
◎愛することは能力である
◎困難な恋に走る人
◎嫉妬は悪魔の属性である ほか
第2章 結婚と子育ての困難について
◎なぜ結婚に踏み切れないのか
◎親が結婚に反対してきた場合
◎パートナーはあなたの親ではない ほか
第3章 人を愛するとはどういうことなのか
◎恋愛に「なぜ」はない
◎依存関係にならないために
◎自己中心性からの脱却
◎勇気を持つ人だけが、愛を実現できる ほか
第4章 幸福になるための「愛する技術」
◎人はわかり合えない
◎集中力を持つ
◎「今ここ」を生きる
◎セックスとコミュニケーション ほか
岸見一郎さん プロフィール
著者の岸見一郎(きしみ・いちろう)さんは、1956年京都府生まれ。哲学者、日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的に執筆・講演活動を行っている。
著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(ともに共著 ダイヤモンド社)、『アドラー心理学入門』(ベスト新書)、『生きづらさからの脱却』(筑摩選書)、『人生を変える勇気』(中公新書ラクレ)、『幸福の哲学』(講談社現代新書)など。
なぜ、あなたの愛は幸福をもたらさないのか……。どれほど幸せな恋であろうとも、嫉妬や依存、失恋など、様々な要因により一転して苦しいものになってしまう。思うようにならない他者と生きるなか、幸福な愛とは、どうすれば実現が可能なのだろうか。大切なのは「いかに愛されるか」ではなく、「いかに愛するか」を学ぶことであると著者はいう。愛とは能力であり、技術であるというのだ。では、私たちはいかに人を愛するべきなのか。人を愛するというのは、そもそもどういうことなのか。アドラー、フロム、三木清など、多くの賢人たちの智恵を手掛かりに、アドラー研究の第一人者であり、ギリシア哲学を専門とする著者が語る、待望の恋愛論。