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63歳の新人・若竹千佐子さんデビュー作!第54回文藝賞受賞『おらおらでひとりいぐも』

63歳の新人・若竹千佐子さんデビュー作!第54回文藝賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』全選考委員が絶賛 久米宏さん、上野千鶴子さん、小林紀晴さんらも

63歳の新人・若竹千佐子さんデビュー作!第54回文藝賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』全選考委員が絶賛 久米宏さん、上野千鶴子さん、小林紀晴さんらも

第54回文藝賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子さん・著)が、河出書房新社より刊行されました。

 

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。夫に死なれ、子どもとは疎遠。新たな「老い」を生きるための感動作!

子どもも育て上げたし。亭主も見送ったし。もう桃子さんが世間から必要とされる役割はすべて終えた。

きれいさっぱり用済みの人間であるのだ。亭主の死と同時に桃子さんはこの世界とのかかわりも断たれた気がして、もう自分は何の生産性もない、いてもいなくてもいい存在、であるならこちらからだって生きる上での規範がすっぽ抜けたっていい、桃子さんの考える桃子さんのしきたりでいい。おらはおらに従う。(本文より)

 

専業主婦から小説家へ――63歳の新人が描いた、青春小説の対極、玄冬小説

第54回文藝賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』が刊行されました。雑誌『文藝』掲載時より、朝日新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、共同通信、時事通信ほかで熱い反響をよんでいます。

20代で田舎から上京し、結婚、出産、子育て、そして夫との死別を経て、現在ひとり暮らしをする74歳桃子さんを主人公に、63歳の「プレ婆さん」(と自らが呼称)の手による、これまでにはない「老い」を描いた感動のデビュー作です。

 

全選考委員絶賛!

東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。
桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず。
(斎藤美奈子さん)

「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された。
(藤沢周さん)

人の気持ちは一色ではないということを、若竹さんはよくぞ掴んだ。
年を経たからこその、若々しい小説。
(保坂和志さん)

取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事。
(町田康さん)

 

感動の声続々!

単行本化に先駆けて、本作は『文藝』2017年冬季号に掲載されましたが、すでに著名人・書店だけでなく、一般の読者からも多数の感想が届いているとのことで、雑誌掲載時にこれだけの反響があるのは『文藝』の長い歴史でも異例のことだそうです。

ほんとはね、ほんとは「独りがいい」。出会いも歓びだが、死別も解放だ。
地声で語られた女のホンネが炸裂!
(上野千鶴子さん)

ゲラゲラ笑いながら読み始める 音読すると更に可笑しい
女74歳、僕は73歳 潜行して読み進める、嗚呼、嗚呼 読了しての感慨・・・・内緒
(久米宏さん)

死すことのない共同体の言葉。それが支える「老い」の姿に初めて触れた。「頭の中に大勢の人たちがいる」ことは、きっと孤独ではない。
(小林紀晴さん)

小説というのは、書かずにいられない人が書くべきなのだと改めて感じさせられた。身の内からわきあがる言葉が体外へどくどくと流れ出して、つながり、からみ合い、こうして物語の形になっている。63年間せきとめられていた濁流の勢いたるや。
(成田本店みなと高台店 櫻井美怜さん)

結婚しても、子どもがいても、孫がいても、向き合う相手はたった一人の自分。将来の私であり、みなさんの姿であると思います。不安は減らないけれど覚悟はできた。そんな読後体験でした。
(喜久屋書店阿倍野店 市岡陽子さん)

色んなひとりがあって、ひとりはひとりであっていい。生きるべし。人生にちょっとした援軍が来た感じがして、うれしいです。(50代女性)

あれほど嫌った涙をぬぐいもせずただ泣きに泣いた。(中略)まさに終活をと思う高齢者の「課題図書」なのである。じたばたとするよりのんびりと読むこの1冊に「答え」がひそんでいるのだ。(70代男性)

どれほどたくさんの女たちがこれは私の物語だ、桃子さんは私だと思ってこの本を読むことだろう。生きることは苦しく辛い。しかし私の中にも周りにも大勢の桃子さんがいて戦っている。良い夫を得てかわいい子供に恵まれ慎ましく幸せに暮らしている女はこの本を読め。母となったすべての女はこの本を読め。一人で生きて一人で死んでいく女はこの本を読め。そして最後まで生き抜こう。(60代女性)

度々襲ってくる悲しみや寂しさの中でも思考し、気づき、夢想し、発見し、興味津々な桃子さんが愛おしい。(50代女性)

 

『おらおらでひとりいぐも』 内容紹介

結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。身ひとつで上野駅に降り立ってから50年。
住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。

「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。

捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いた、圧倒的自由と賑やかな孤独とは。

 

書店店頭にて刊行記念小冊子を無料配布中!

本作の主人公・74歳桃子さんのイラストを、イラストレーターの小幡彩貴さんが書き下ろし!小冊子では本作の試し読みに加えて、「絵と文でよむ、主人公・桃子さんの74年」を特別収録。

 

おらおらでひとりいぐも
74歳、ひとり暮らしの桃子さん。夫に死なれ、子どもとは疎遠。新たな「老いの境地」を描いた感動作!圧倒的自由!賑やかな孤独!63歳・史上最年長受賞、渾身のデビュー作!第54回文藝賞受賞作。

 
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