【第54回文藝賞】若竹千佐子さん『おらおらでひとりいぐも』が受賞 63歳、歴代最年長受賞者誕生!
第54回文藝賞の選考会が開催され、若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』が受賞作に決定しました。
文藝賞について
文藝賞は、1962年に文芸誌『文藝』で創設された新人文学賞。河出書房新社が主催。
日本における新人作家の登竜門とされ、第一回受賞作である高橋一巳さん『悲の器』をはじめ、田中康夫さん『なんとなく、クリスタル』、山田詠美さん『ベッド タイム アイズ』、綿矢りささん『インストール』、白岩玄さん『野ブタ。をプロデュース』、山崎ナオコーラさん『人のセックスを笑うな』など、実力と才能を兼ね備えた作家を多数輩出しています。
ちなみに、創設当時の『文藝』の編集長は坂本一亀さんで、音楽家・坂本龍一さんの父。
第54回文藝賞について
第54回文藝賞の選考会が、8月28日に山の上ホテルにて開催され、受賞作は若竹千佐子(わかたけ・ちさこ)さんの『おらおらでひとりいぐも』に決定しました。
選考委員は、斎藤美奈子さん、藤沢周さん、保坂和志さん、町田康さん。
なお、受賞者の若竹千佐子さんは、1954年、岩手県遠野市生まれ。63歳。岩手大学教育学部卒業。現在、専業主婦。千葉県在住。文藝賞受賞者としては歴代最年長(佳作は除く)となります。
『おらおらでひとりいぐも』は、ゆたかな東北弁で綴られる、山から都会に出てきた老女の「人生」を振り返るストーリー。
24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した主人公・桃子さん。生計のあてもなく身ひとつで上野駅に降り立ち、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫との突然の別れ……。「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」。40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で急に桃子さんの内側で「孤独が暴れ」はじめ、頭のなかから「東北弁」がとめどなく溢れ出す。これまでの人生を後悔していない、とこれまではそう思っていた桃子さんが……。
本受賞作・選評・受賞の言葉は、10月7日発売の文芸誌『文藝』2017年冬号に掲載されます。
また、贈呈式は10月下旬、山の上ホテルにて開催され、若竹千佐子さんには、正賞として記念品、副賞として賞金50万円が贈られます。
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