『ステップファミリー 子どもから見た離婚・再婚』再婚家族で起こる虐待の悲劇――それは「正しい親」幻想が原因だった!
野沢慎司さん・菊地真理さん著『ステップファミリー 子どもから見た離婚・再婚』(角川新書)が、KADOKAWAより刊行されました。
第一線の家族社会学者による、「家族観」を一新する衝撃報告!
本書では、再婚家族内の児童虐待は、社会のプレッシャーと「正しい親」幻想から起こっていると指摘。解決策として、子どもが元親家族とつながるネットワーク型ステップファミリーを提言します。
「親になろうとしてごめんなさい」。
ある幼女虐待死事件の裁判で、継父の被告が発した言葉はすべてを象徴していました。“ステップファミリー=再婚者の子がいる家族” では、継親の善意が子どもを追いつめやすい。
「親代わり、良い親にならなければいけない」。日本の伝統といえる家族観が親も子も不幸にしています。現実を受け止めた先に見える、親子が幸福に生きる“家族の形”を考察します。
◎継父を「パパ」と呼ばせても、子どもは何年たっても、新しい父とは思わない。
◎実母が子どもに失望される瞬間は、継父との「親子」喧嘩にあった。
◎2組の親子の生活空間を分け、みんなが安心できる再婚家族づくりに成功。
社会が子どものセーフティーネットを創り直し、多様な家族が“子ども中心”に幸せな暮らしを築くための、最良の処方箋を提案します。
本書の構成
第一章 家族の悲劇をどう読むか――虐待事件の背景にある離婚・再婚
第二章 離婚・再婚の変化と「ふつうの家族」
第三章 「ふたり親家庭」を再建する罠
第四章 世帯を超えるネットワーク家族へ
第五章 ステップファミリーの未来へ――どのような支援と制度が必要か
著者プロフィール
■野沢慎司(のざわ・しんじ)さん
1959年生まれ。茨城県水戸市出身。1989年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学修士。専門は家族社会学、社会的ネットワーク論。明治学院大学社会学部教授。
2001年より菊地真理さんらと協働して日本のステップファミリー研究を牽引。その間、フロリダ州立大学・オークランド大学で客員研究員。支援団体SAJと協力して一連の国際会議を開催する。
単著に『ネットワーク論に何ができるか 「家族・コミュニティ問題」を解く』、共著に『ステップファミリーのきほんをまなぶ 離婚・再婚と子どもたち』などがある。
■菊地真理(きくち・まり)さん
1978年生まれ。栃木県宇都宮市出身。2009年、奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は家族社会学、家族関係学。大阪産業大学経済学部准教授。
2001年よりステップファミリー研究および当事者支援団体SAJでの活動を始める。
共著に『ステップファミリーのきほんをまなぶ 離婚・再婚と子どもたち』『現代家族を読み解く12章』などがある。
ステップファミリー 子どもから見た離婚・再婚 (角川新書) 野沢 慎司 (著), 菊地 真理 (著) |
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