『禅の言葉とジブリ』ジブリ作品と禅の心に共通するのは「混沌の時代でも 人生は生きるに値する。」という前向きな一歩
細川晋輔さん著『禅の言葉とジブリ』(カバー・本文イラスト:鈴木敏夫さん)が、徳間書店より刊行されました。
ジブリ作品を小さい頃から見ていた禅僧が綴る、禅の言葉とジブリの共通メッセージ!
禅の言葉とスタジオジブリ作品。一見かけ離れた世界のようですが、臨済宗妙心寺派の若き僧侶で、これからの禅の世界を背負うと目される細川晋輔住職はそこに、共通のメッセージを見ています。それは「混沌の時代でも 人生は生きるに値する。」という前向きな一歩です。
細川晋輔住職は、大のジブリファンです。ジブリ作品を彼がなぜ好きかといえば、そこに禅の心に通じる、宮崎駿監督、高畑勲監督、宮崎吾朗監督のメッセージを読み取るから。
本書では、ジブリ作品と禅の言葉との共通項を、細川住職がわかりやすく綴ったエッセイ14本を収録。作品の中で心に残るシーンをあげながら、そこに描かれた監督のメッセージと禅語を重ね合わせることで、禅の本質を分かりやすく伝えます。
また後半には、円覚寺管長・横田南嶺老大師と細川住職が「コロナの時代と禅」について真摯に語りあった特別対談も収録。インターネットを使った禅の布教にも言及した、今この時だからこその貴重な対談となっています。
【取り上げたスタジオジブリ作品】
「もののけ姫」「ゲド戦記」「魔女の宅急便」「風立ちぬ」「火垂るの墓」「となりのトトロ」 「ホーホケキョ となりの山田くん」「レッドタートル ある島の物語」「かぐや姫の物語」 「千と千尋の神隠し」「耳をすませば」「天空の城ラピュタ」/『風の谷のナウシカ』(原作漫画)
本書の目次より
達磨「不識」と「もののけ姫」
「君看双眼色、不語似無愁」(君看よ双眼の色、語らざれば愁い無きに似たり)と「ゲド戦記」
「大死一番、絶後再び蘇る」と「魔女の宅急便」
「一期一会」と「風立ちぬ」
「当処即ち蓮華国」と「火垂るの墓」
「只在此山中 雲深不知処」(只此の山中に在り、雲深くして処を知らず)と「となりのトトロ」
「日日是好日」と「ホーホケキョ となりの山田くん」
「水自茫茫花自紅」(水は自ずから茫々、花は自ずから紅なり)と「レッドタートル ある島の物語」
「応無所住而生其心」(応に住する所無くして、其の心を生ずべし)と「かぐや姫の物語」
「随所作主 立処皆真」(随所に主と作れば、立処皆真なり)と「千と千尋の神隠し」
「明暗雙雙」と『風の谷のナウシカ』
「千里同風」
「請其本務」(請う、其の本を務めよ)と「耳をすませば」
「与天下人作陰涼」(天下の人の与に陰涼と作らん)と「天空の城ラピュタ」
【対談】
コロナの時代と禅 ~無分別智で混沌を生きる。~
円覚寺管長 横田南嶺老大師×細川晋輔
あとがき
「あとがき」より(一部抜粋)
ジブリ作品の中に「禅」というものを見出していく―。じっくりと時間をかけて、あらためて大好きなジブリのアニメを見直してみると、当時では気がつかなかった奥深さと、新たな気づきがたくさんありました。
2020年は私たちにとって、きっと忘れることができない年になってしまうのでしょう。先行きが全く見えない日々を過ごす中で、人生に対する不安はなかなか尽きるものではありません。それでもこんな時代だからこそ、ジブリ作品の「この世は生きるに値する」という熱いメッセージが、私たちの背中をそっと押してくれるのです。
想定外のことが起こると、当然私たちは迷い戸惑ってしまいます。しかし、人生想定通りにいったことなど、これまでどれだけあったでしょうか。想定外のことしか起こらないのであれば、私たちはあたえられた「今、ここ」に、集中して生きていくしかありません。
その時、禅の先人達が命をかけて取り組んできた禅の言葉も、きっと私たちを杖のように支えてくれるはずです。今回とりあげさせていただいた禅語の一つでも、皆様の人生をより豊かにしうるものがあったのであれば、禅僧としてこれに勝る喜びはありません。
著者プロフィール
著者の細川晋輔(ほそかわ・しんすけ)さんは、1979年生まれ。東京都出身。2002年佛教大学卒業後、京都の妙心寺専門道場で9年にわたり修行。花園大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。2013年から東京・世田谷の龍雲寺住職に。
著書に『人生に信念はいらない 考える禅入門』(新潮社)、『迷いが消える禅のひとこと』(サンマーク出版)など。祖父はベストセラー『般若心経入門』の著者・松原泰道さん。
禅の言葉とジブリ 細川晋輔 (著) 本書では、ジブリ作品と禅の言葉との共通項を、細川氏がわかりやすく綴ったエッセイ14本を収録。 そこに共通するのは「人生は生きるに値する」と考え、前向きな一歩を踏み出すという姿勢である。 後半には、円覚寺派管長の横田南嶺老師と細川氏の対談を収録。「コロナ時代を生きる禅」について、真摯に語りあう。 禅の言葉とジブリ作品、そこに共通するのは「この世は生きるに値する」という前向きさ。 |
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