『看護師僧侶の妙憂さん!「いい死に方」ってなんですか?』現役の看護師で看取りの経験者でもある女性僧侶が「死」を説く
「現役の看護師」「看取りの経験者」である女性僧侶の玉置妙憂さん著『看護師僧侶の妙憂さん!「いい死に方」ってなんですか?』が、大和書房より刊行されました。
本書は、TBS『グッとラック!』のコメンテーターをつとめ、数々のメディアでも紹介された現役看護師僧侶の著者が、長年の看護師の経験、仏教的な考え方、そして夫を自宅で看取った経験のことも交えて、死について語った一冊です。
一問一答形式で玉置妙憂さんが思う「死」についてやさしく説いていく
玉置妙憂さんはその特異な肩書や夫の看取りを経験したことから「死」について多く聞かれるといいます。
終末医療の現場で差し迫った患者や家族、親族やパートナーに先立たれた人、まだ死を意識していない若い方にも、克服できない「死」と向き合う事で今生きている「生」をより感じて欲しいと語ります。
(本文一部抜粋)
Q.人は誰でも死ぬんだとわかっています。でも、やっぱり怖いです。
A.具体的に、「死」のどんなところが怖いのでしょう?
あなたは「死」のどんなところが怖いのですか?
漠然とした怖さと、リアルに死に直面したときに感じる怖さは、まったく質がちがう気がします。死の間際にいる人にとっては、「死」はリアルに怖いものなのだろうと想像します。すぐそこまで死が迫ってくると、逆に1分1秒でも長く、この世にいたくなるものなのではないでしょうか。
死ぬのはやぶさかでないのだけれども、「死に方」は選びたい。もちろん死ぬまでは楽しく生きたい。お金のことも含めて、自分が今後どんなふうに年を取り、最期どういうふうに着地するのか、わからない。わからないから、怖い。そうですよね。私もそうです。
あなたが感じる怖さは「人生への不安」そのものなのかもしれない。その怖さは転じて、今自分が課題としているものかもしれません。
つまり、死に対して「怖い」とな感じていることが、じつは、今の生活に抱えているいろいろ「?」なのかもしれないのです。
けれども、死を「怖い」ととらえて、自分のことや家族、恋人、友人、仕事、社会、さまざまなことを考えていくことは、決して無駄ではありません。あなたの抱えている「怖さ」と、たまにはじっくり向き合ってみようではありませんか。
本書の構成
その1 いつか死ぬのは知っていても、やっぱり「死」は怖い
その2 「死ぬとき」ってどんなふうなのだろう
その3 死んだら、自分が消えてしまうのだろうか
その4 死に近づいていくことが不安
その5 穏やかに死ねるような人生にするには
その6 身近な人の死と向き合う
著者プロフィール
著者の玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さんは、東京都中野区生まれ。専修大学法学部卒業。看護師・僧侶・スピリチュアルケア師・ケアマネ-ジャー・看護教員。
カメラマンだった夫のがんが再発するも、夫は「がんを積極的に治療しない」という方針をかため、自宅での介護生活をスタート。最愛の夫を“自然死”で看取ることになるが、 その死にざまがあまりに美しかったことから開眼。家族と職場に出家を宣言し、高野山真言宗にて修行をつみ僧侶となる。
現在は「非営利一般社団法人 大慈学苑」を設立し、終末期からひきこもり、不登校、子育て、希死念慮、自死ご遺族まで幅広く対象としたスピリチュアルケア活動を実施している。
また、子世代が“親の介護と看取り”について学ぶ「養老指南塾」や、看護師、ケアマネジャー、介護士、僧侶をはじめスピリチュアルケアに興味のある人が学ぶ「訪問スピリチュアルケア専門講座」を開催。さらに、講演会やシンポジウムなど幅広く活動している。ラジオニッポン放送「テレフォン人生相談」パーソナリティ。
著書に、『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社)、『困ったら、やめる。迷ったら、離れる。』(大和出版)、『死にゆく人の心に寄りそう 医療と宗教の間のケア 』(光文社新書)、『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む』(マガジンハウス)がある。
看護師僧侶の妙憂さん!「いい死に方」ってなんですか? 玉置 妙憂 (著) 「家族に囲まれて死ねなくたって、べつにいいんです。」 数々のメディア出演で話題の、”看護師僧侶”妙憂さん。 「いい死に方」とはみんなに囲まれながら最期を迎えることなのか? 後悔しないで死ぬためにどう生きたらいいのか? ……。看護師と僧侶というふたつの肩書をもつ著者に、素朴な疑問を全部ぶつけてみました。 生から死が切り離された今、突然やってくる「看取り」や「治療の選択」にとまどう人は少なくありません。 |
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