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『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』めざしたいのは、子どもも親も幸せになる子育て

工藤勇一さん著『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』

工藤勇一さん著『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』

工藤勇一さん著『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』が、かんき出版より刊行されました。

 

「子育ての本当の目的」って、なんだろう?

宿題、定期テスト廃止。固定担任制も撤廃。服装・頭髪検査は行わない。
公立中学校とは思えない数々の学校改革で注目を集める千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長が、子育ての「当たり前」について考えてみたのが本書です。

 
◎友達は多いほうがいいはず。でも、うちの子は友達が少ない……。
◎学校には行かなきゃならない。でも、うちの子は不登校になってしまった……。
◎親子は仲良くなきゃいけない。でも、親子関係がうまくいっていない……。
◎成績が悪かったら、いい学校に行けない。でも、うちの子は授業についていけない……。

 
多くの親御さんは、日々、さまざまなことに悩みながら、お子さんと向き合っていることでしょう。
でも、きっと大丈夫。一番大事なことは何かを考えたら、そんなに気にすることじゃないかもしれません。

本書には、麹町中でなくても実践できる、子育ての心構えが詰まっています。これまでの著作よりも親目線で執筆し、いじめの対応や学校への相談方法など、どこにも書かれていない内容で構成されています。不安を抱えて育児に奮闘する皆さんの心を、ふわっと軽くする一冊です。

 

「はじめに」より(一部抜粋)

私も教師である一方で、実生活では2人の息子の父親です。長男も次男も成人し、独立して家を出ました。
学校改革をおこなった麹町中の校長、というメディアでの私のイメージから、厳格な父親であると想像されることも多いのですが、実は、家での私はまったく違います。子どもたちに向かって厳しく真面目に何かを説いた記憶はほとんどありませんし、子どもと一緒にバカげたことをやって笑い合うような日々を過ごしました。

 
そして、私もみなさんと同じように、悩みながら子育てをした親の一人です。本書を制作するにあたり、自分の子育てを振り返ってみましたが、それが合っていたのか間違っていたのか、まったくわかりません。

 
教師として生徒たちに接するときにはプロ意識がありますから、みなさんに自信を持って語れることもありますが、一方で父親としてどうだったかと言われると、苦笑するばかりです。

 
ただ、私は教員生活のなかで多くの子どもたちと一緒に過ごしてきましたから、そのなかでの知見はみなさんの子育ての参考になるかもしれません。

 
また、長く子どもたちを見てきた経験から、時代の大きな転換点を迎えている現代において、「学校の本当の目的」と同様に、「子育ての本当の目的」を考え直さなくてはならない時期が来ていると思っているのも事実です。
本書では、みなさんとともに「子育ての本当の目的」を考えてみたいと思います。どこから読んでもいい構成にしてありますので、もくじのなかで気になるところから読み進めていただいても構いません。

 
なお、はじめに強くお伝えしておきたいことは、本書は子育てのハウツー本ではないということです。
ダメ父親の私が言うことですから、反面教師として読んでいただいて結構です。実践できずに「自分はだめな親だ」と落ち込んだり蔑んだりすることは、絶対にしないでいただきたいのです。子育てで一番大事なのは、親子が幸せな関係であることです。立派な親でなくてもいいのです。
「あなたを誰より大事に思っているのは、私だよ」と心のなかで思えていたら、それだけでいいとすら思います。
本書が不安を抱えて育児に奮闘するみなさんの心を、少しでも軽くするものであることを願います。

 

本書の目次

01 子どもはもともとは主体的な生き物
02 手をかけないほど、子どもは自律する
03 不幸になるなら「理想の子育て論」はいらない
04 子どもは思うようには育たない
05 どんな環境でも挑戦できる強い脳はつくれる
06 親はいい加減くらいでちょうどいい
07 親密な親子関係が幸せとは限らない
08 子どもの問題は大人が勝手につくっている
09 あえて言葉にしないほうが、うまくいくこともある
10 親が社会を否定してはいけない
11 本当の厳しさとは「信用」
12 ゆとりのない経験こそが、ゆとりの心を育てる
13 1等賞は称えない
14 なんでもかんでも叱らない
15 叱るときは「子ども基準」で考える
16 言葉や態度にしなければ、想いは伝わらない
17 子どもを変える「タイムマシン・クエスチョン」
18 差別する心は消せなくても、差別しない行動はできる
19 嘘も大切なコミュニケーションスキル
20 偽善者でいいんだ
21 ゲームに夢中なときだって、生きる道を見つけるチャンス
22 食べ物の好き嫌いがあったっていい
23 汚い言葉遣いから、「言葉がどう伝わるか」を考えさせる
24 友達が多いか少ないかは、たいした問題じゃない
25 「習いたがる子」をつくらないことが、子育ての本質
26 家庭学習の習慣は、子どもの時間を奪うだけ
27 特性に縛られすぎてはいけない
28 読み書きが苦手でも、活躍する道は必ずある
29 学べる場所は、学校だけじゃない
30 「読解力」より「伝える力」を磨こう
31 受験に失敗したときこそ淡々と過ごす
32 学校からの呼び出しは、子どもを「叱る」ためじゃない
33 約9割の子どもがいじめ加担者
34 いじめは客観的事実で解決に導く
35 本来、子どもは未熟なもの
36 遠慮なく学校、教育委員会と連絡を取ろう
37 全員が当事者になることで教育が変わる

 

工藤勇一さん プロフィール

著者の工藤勇一(くどう・ゆういち)さんは、1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒業。千代田区立麹町中学校長。

山形県・東京都の公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から現職。

公立中学校とは思えない数々の教育改革を行っているとして、各界から注目を集める。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEdTech研究会委員、教育長・校長プラットフォーム発起人などの公職を歴任。

著書に『学校の「当たり前」をやめた。――生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)、『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』(SBクリエイティブ)がある。

 

麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること
工藤勇一 (著)

友達は多いほどいい、学校には行かなきゃならない、親子は親密なほうがいい…そんなことはありません!悩めるすべての親へ心が軽くなる37のヒント。

 


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