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『人は口から死んでいく』かみ合わせの名医が教える、歯・口・舌のこわい話

安藤正之さん著『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』

安藤正之さん著『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』

安藤歯科クリニック・院長の安藤正之さん著『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』が、自由国民社より刊行されました。

 

「口の中は小さな地球」であり「歯は第三の心臓」である

安藤歯科クリニックの理事長・院長の安藤正之さんは、30年にわたり歯科医療の傍ら、現代病ともいえる不定愁訴を、解剖学・生理学・微生物学の面から研究し、体の不調の原因が、「舌ストレス」や「口内環境」にあることを解明した、咬み合わせ治療のスペシャリストです。

 
◆不定愁訴の通院患者は、日本全体で1000万人!

検査の結果が正常にもかかわらず、肩こり・腰痛・偏頭痛・めまいなどの症状を訴えることを総称して、不定愁訴と呼びます。安藤さんの数十年にわたる研究と臨床データの結果、不定愁訴の原因は、「舌ストレス」にあるという結論に至ったのです。

 
◆なぜ「舌ストレス」がおこるのか?

舌ストレスがおこる原因は、咀嚼不足によるアゴの狭小化。邪馬台国の女王・卑弥呼の時代には、1回の食事で噛む回数は平均3,390回だったと言われていますが、現代人はその6分の1の600回程度で、ある研究者によると、現代人の顎は30%も小さくなってしまいました。

その結果、歯のアーチの幅は狭くなり、舌は歯によって強いストレスを受け続けているのです。

この「舌ストレス」は、多くの人の不定愁訴の原因となっているとともに、滑舌にも影響を与え、最終的には舌癌をも惹起することがあります。

 
【本書の主なトピック】

・歯は第3の心臓である
 →血液の流れが健康の決め手!歩くことは第2の心臓だが、歯は第3の心臓である。

・歯は“手に釘が生えている”ようなもの
 →歯は体の外と中をつらぬく唯一の臓器。だからバイ菌が体に入りやすい。

・歯垢の細菌は大便より多い
 →心内膜炎・腎炎をおこす他、新しい事実が次々と。

・虫歯菌と歯周病菌は仲が悪い
 →性格がまるで違う2者の権力闘争がすごい!

・舌ストレスとは何か?
 →現代人の体の不調は、アゴの矮小化による舌ストレスが原因。

・歯周病は大人のキスでうつる
 →熟年の恋愛はお口に注意!

・歯科金属がおこすアレルギー
 →唾液の海で溶けた金属がアレルギーのもと。

 

安藤正之さん プロフィール


安藤正之さんは、医療法人社団健幸会 安藤歯科クリニック 理事長・院長。

1990年より、「生体と調和する咬み合わせ」の研究をはじめ、これまでに1,000人以上の臨床データをもとに歯科から全身領域の治療を確立。そして2004年より、「咬み合わせによる発声改善」に着目し、歯と音声の関係についての研究をはじめる。

2009年9月には、日本音響学会で“歯と音声”に関しての発表を行い、大きな反響を呼ぶ。

★医療法人社団健幸会:http://www.kenkoukai.com/

 

人は口から死んでいく──人生100年時代を健康に生きるコツ!
口の中は、「小さな地球」。
この環境を大切にすれば、あなたの人生は大きく変わります。

咬み合わせの名医が教える、歯、口、舌の、こわいけれども本当にあなたの役に立つ話。

 
◆本書「はじめに」より抜粋

”口の中は小さな地球だ! ”

これが頭にひらめいたときの喜びは、今でもよく覚えています。

実は、私はもともと普通の歯科医でした。
世界で活躍する、あこがれの先輩たちを見て、西洋医学の世界で活躍することを目標に、研鑽を積んでまいりました。
その結果、西洋医学で一番実証されていない、〝歯の咬み合わせ〟というものを解明したくて、整体治療や気功などいろいろやってみたのです。
しかし、同時に解剖学・生理学・微生物学の勉強も始めました。
〝人間〟というものを、いろいろな角度から見つめなおしてみたかったからです。
1993年から1997年ごろのことです。
今はまた、二度目の基礎系の勉強時期ですが、これは医師の先生に、歯科をわかってもらうために始めました。
それがまとまることによって、今回ようやく、読者のみなさんに、新しい歯科の概念をお伝えすることができるのは、無上の喜びです。
この本は、歯および歯科の知識が、スッキリまとまるように心がけました。
内容はすべて、生理学・解剖学・微生物学の基礎知識に基づいて書かれています。

もともと、口の中は、体から独立したものではありません。
体と一体化したものなのです。
我々が母親の胎内でいた時に、単細胞から魚になり、人間になるまでの10億年の進化を十月十日で仕上げます。
その魚の時代には〝えら〟があります。
それを鰓弓といいますが、その鰓弓の4つの神経が、我々の顎や顔を作っています。

また、口の中は〝体の外〟ですが、歯はそれを突き破って生えています。
こんな組織は、体の中で〝歯〟だけです。
また、本文でも出てきますが、口の中である小さな地球には、〝唾液の海〟があります。
その中には、〝歯の山脈〟があります。
その中の住人である、〝微生物〟は、一体どんな生活をしているのでしょうか?
私自身、その奥深さに興味は尽きることがないのです。

近頃は、ようやく医科歯科連携が前進し、心筋梗塞の患者さんには、オペの前には「必ずお口のケアを歯医者さんでするように」と主治医の先生が伝えてくれます。
これも20年前を考えると、嬉しくもあり、また隔世の感もありますが、今後は「舌ストレス」による、不定愁訴において、医科歯科の連携が取れるように、今後「舌」の大切さを広めていきたいと思います。

この本を通じて、患者さんの皆さんのみならず、歯科医師の先生方、医師の先生方も、「体の中の歯科」の理解の一助になれば、幸甚です。

 


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