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【第32回坪田譲治文学賞】岩城けいさん『Masato』が受賞

岡山市文学賞/第32回坪田譲治文学賞「Masato」

第32回坪田譲治文学賞を岩城けい(いわき・けい)さんの『Masato』が受賞しました。

坪田譲治文学賞は、「岡山市出身で、わが国の児童文学に新しい分野を拓いた、岡山市名誉市民の故坪田譲治氏のすぐれた業績を称えると共に、市民の創作活動を奨励し、市民文化の向上に資することを目的」として、1984年(昭和59年)に岡山市が制定した文学賞です。
受賞者には、正賞として賞状及び楯(蛭田二郎さん作「鳥の少年」)、副賞として100万円が授与されます。

 
今回(第32回)は、平成27年9月1日から平成28年8月31日までの1年間に全国で刊行された小説、児童文学等の中から、小説家・児童文学者等から推薦された96作品について、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」という観点で、予備選考会を経て候補作5作品を選定。
これを、平成29年1月17日開催の第32回坪田譲治文学賞選考委員会(会場:東京都千代田区平河町「ルポール麹町」)で審査した結果、岩城けいさんの『Masato』が選ばれました。

選考委員は、阿川佐和子さん、五木寛之さん、川村湊さん、西本鶏介さん、森詠さんの5名です。

 
岩城けいさんは、大阪府生まれで、大学卒業後、単身オーストラリアに渡り就職。以来、在豪24年になります。2013年に『さようなら、オレンジ』で太宰治賞を受賞しデビュー。2014年、同作で大江健三郎賞を受賞しました。
『Masato』は、両賞受賞後初の作品となります。

 
『Masato』は、父親の転勤にともない、家族全員で日本からオーストラリアに住むことになった12歳の少年(真人)の物語です。
真人は現地の公立小学校の5年生に転入しますが、英語が理解できず、クラスメイトが何を話しているのか、ほとんどわかりません。いじめっ子のエイダンと何度もケンカをしては校長室に呼ばれ、英語で説明できず鬱々とした日々が続きます。
そんなある日、人気者のジェイクにサッカークラブに誘われた真人は、自分の居場所を見つけます。
一方、真人の母親は、異文化圏でのコミュニケーションの難しさに悩み苦しんでいました――。
こどもとおとな、日本と異国、ふたつの世界を生きる12歳の少年が描かれています。

 

Masato
『さようなら、オレンジ』から2年。
注目を集める新人作家の、待望の新作長編!
一人の少年とその家族の、故郷の物語。

 


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