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五木寛之さん×栗山英樹さんが対談!『五木寛之×栗山英樹 「対話」の力』が刊行

作家・五木寛之さんの「人生のレシピ」シリーズの完結を記念して、五木寛之さんと、元WBC日本代表監督の栗山英樹さんによる対談本『五木寛之×栗山英樹 「対話」の力』がNHK出版より刊行されました。

 

「92歳のレジェンド作家」と「球界随一の読書家」による初の対談!

本書では、博識なお二人が「スポーツとビジネス」「野球と読書」「大谷翔平」といった話題から「自力と他力」「意識と無意識」といった内容まで多岐にわたって語り合っています。なかでも軸になったテーマは「対話」について。

 
“監督は選手たちに言葉を伝え、選手たちから話を聞くことが大事な仕事” という栗山英樹さんに対し、五木寛之さんは ″語りかけて、メッセージを発して、相手からの反応を自分の中で咀嚼する。栗山さんは、現代の偉大な〈対話者〉だと思う” と語ります。各界を代表する二人の「対話者」による珠玉の一冊です。

 
「自分自身を発見する」――それが対談の面白さです。
今日は、先生にいろいろなことをお聞きしたいと思ってやってきました(栗山さん)
栗山さんは、現代の偉大な対話者だなと思って、うらやましいなと感じていました(五木さん)

 
対話とは「人を読むこと」――と私は思っています。
いい選手ほど、観客のエネルギーを生かせるというのでしょうか、集中して力が発揮できていると思います(栗山さん)
選手の相談に乗れるのは、栗山さんご自身が、病気などの問題と戦って、そこを乗り越えてきたからですね(五木さん)

 

本書の目次

第一部
「自分自身を発見する」――それが対談の面白さです。
(2023年11月20日 東京渋谷・NHKラジオ収録ブースにて)
今日は、先生にいろいろなことをお聞きしたいと思ってやってきました。――栗山
栗山さんは、現代の偉大な対話者だなと思って、うらやましいなと感じていました。――五木
野球の世界に、活字に関心があって本を読む人が多いことに気がついてちょっと驚きました。――五木
僕はデータというのを歴史だと思っています。自分が迷ったとき、データを見ながら探している感じです。――栗山
野球の監督をやっていると、いつも、上から指示を出されているような気がするのです。――栗山
僕の感じとしては、「自力即他力」なんです。そういう発想もあるかなと、最近は思うようになりました。――五木
大谷翔平という一人の人間の中に、見えざる力が人間の可能性を指し示している感じがします。――五木
自分だったら体力があるので治せるかもしれない、逆に、「俺でよかった」と思ったんです。――栗山
野山に寝て、徒歩で三十八度線を越えてという、自分の記憶が財産ですね。――五木
自分は自分でいいんだと、生きているだけでも価値があるんだよと思い切って伝えられるようになったんです。――栗山
その人に合ったやり方というのでしょうか、それを見つけていかないといけないということですね。――栗山
できるだけ人は、他人と接する機会が多いほうがいいような気がしています。――五木
栗山さんの、スポーツマンとしての一面と違う、求道者的青年の一面を見て、非常にうれしかったです。――五木

第二部
対話とは「人を読むこと」――と私は思っています。
(2024年1月30日 東京芝公園・東京プリンスホテルにて)
いい選手ほど、観客のエネルギーを生かせるというのでしょうか、集中して力が発揮できていると思います。――栗山
選手の相談に乗れるのは、栗山さんご自身が、病気などの問題と戦って、そこを乗り越えてきたからですね。――五木
野球は、個人戦と団体戦の両方の要素を持っているんです。それが日本人に合っていたのかなと思っています。――栗山
野球というのは、自利利他がうまく融和している、そういうゲームだから。│――五木
千年の謎というか、人間というのはなかなかね、簡単にはわからないんですよ。――五木
「神様にお願いしても無駄だ」とよく言われますけれど、僕はずっと心の中で願っていました。――栗山
努力とか、人柄とか、そういうのと関係ないところが勝負の世界にはある。――五木
出会いは偶然ですよね。でも本当に、「あのときに、あの人と出会っていなければ」ということが実際にある。――五木
積み重ねられる強さ、繰り返せる強さみたいなものが、僕には、才能というのではないかと思えるのです。――栗山
自分の意志とか、努力とか、目的とか、そういうものを超えた何かがあるという感覚だけはあります。――五木
自分の心をコントロールするのは大事ですが、一方で、心のままに、という考え方もあると思うのです。――栗山
偉大なアスリートというのは、偉大なインテリジェンスを自ずと育てている人なんだなと、つくづく思いましたね。――五木
一人一人、全員が違う、その違いこそが大事なんだと思えれば、自信を持たせられるし、それぞれの生かし方もある。――栗山
その枠組そのものを肯定した上に成り立っている物語だということなんだ、問題は。――五木
ある言葉で心が傷つく人がいるのが事実だとすれば、そこは考えなければいけない。――五木
どうしたら運を選手のために引っ張りこめるのかを研究する責任があるかなと思っていたんです。――栗山
どうしようもない人間が、気品のあるゲームをすることもある。こればっかりはわからない。――五木

対談を終えて  栗山英樹

 

著者プロフィール

 
■五木寛之(いつき・ひろゆき)さん

1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。

ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など多数。日本芸術院会員。

 
■栗山 英樹(くりやま・ひでき)さん

1961年生まれ、東京都出身。北海道日本ハムファイターズCBO。東京学芸大学を経て、1984年にドラフト外でヤクルトスワローズに入団。1989年にゴールデングラブ賞を獲得。1990年に引退し、解説者、スポーツジャーナリスト、白鷗大学教授などを務める。

2011年11月に北海道日本ハムファイターズの監督に就任し、監督1年目でリーグ制覇。2016年に2度目のリーグ制覇と日本一に輝き、正力松太郎賞を受賞。2021年11月に日本ハムファイターズ監督を退任し、12月に野球日本代表監督に就任。2023年3月にWBC優勝、5月に日本代表監督を退任。

 

五木寛之×栗山英樹 「対話」の力
五木 寛之 (著), 栗山 英樹 (著)

 


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