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日本各地の看板建築を巡る男子二人組を描いた、菊地百恵さん『看板ボーイズ』が刊行

実在する昭和レトロの名建築が登場する、日本各地の看板建築を巡る男子二人組を描いた小説『看板ボーイズ』(著:菊地百恵さん+モノガタリラボ)がイマジカインフォスより刊行されました。

 

実在する「昭和レトロ」な看板建築の魅力が満載!

『看板ボーイズ』は、看板建築をテーマにした小説です。
「昭和レトロ」な建物の代表ともいえる看板建築は、名前は知らなくても、その特徴的な外観を見たら「見たことある」という人も、少なくないのではないでしょうか。

 
主に大正後期から昭和初期に作られた木造建築で、商店および住居として建てられた建物です。1階が店舗、2階より上が住居になっているものが多く、道路に面した部分がモルタル塗りや銅板造りなど、防火素材になっていることが特徴です。デザイン的には、ファサードと呼ばれる前面部分が西洋風に誂えてあるものが多いです。

 
近年、Z世代を中心に「昭和レトロ」ブームが到来しています。また、韓国でも「ニュートロ」という造語が生まれ、台湾では日本の洋食がトレンドになるなど、国際的な規模でレトロブームが注目を集めています。

 
今作では、黒髪メガネの真面目な公務員・誠と、銀髪でチャラい謎のイケメン・ワタル、カタブツ&チャラ男の凸凹コンビが、神保町でルームシェアをしながら、日本各地の看板建築を巡る小旅行に出ます。

 
誠は、なぜ神保町に住み始めたのか? ワタルは、なぜ神保町を訪れたのか? 二人は、なぜ同居し、ともに看板建築に赴くことになったのか? 行く先々で誰と出会い、何を知ったのか? そして最後に明かされる、意外な事実とは?

 
対照的な男子二人のかけあいや関係性の機微、道中で出会う人々との交流、そして各地の看板建築がどのような歴史を辿り、どのような問題を抱え、どのような未来に向かっていくのか、建築を取り巻く人間模様や登場人物の心情を鮮やかに描きつつ、日本が抱える社会問題にまで踏み込んで、脚本家・菊地百恵さんが精緻かつ温かい筆致で綴ります。

 
神奈川県・鎌倉、千葉県・木更津、埼玉県・秩父、茨城県・石岡、東京都・西多摩、現役で営業している実在の看板建築の店舗を取材し、地名も店名も実名で登場します。フィクションとノンフィクションが交錯する、新しいカルチャー系建築小説が誕生しました。

 
【あらすじ】

神保町にある「相良珈琲店」跡地に引越してきた公務員の誠は、引越し当日に突然現れた銀髪の美青年・ワタルと、なぜか同居することに。そして、古い押入れから出てきた〝あるノート〟をきっかけに、二人の、日本各地の看板建築を巡る不思議な旅が始まるのだが――。

 

作中に登場する店舗

 
◆鎌倉・星野写真館

明治から大正に創業、昭和初期建造の写真館。地域に密着し、家族写真や証明写真などを撮影するほか、古い写真の修復なども行う。江ノ島電鉄・江ノ島駅徒歩3分。

 
◆木更津・金田屋リヒトミューレ

昭和7年建造。時計修理・ラジオメーター(リヒトミューレ)・アンティークの専門店。屋号の「金田屋」は、もともと江戸時代創業の薬局。JR・木更津駅徒歩5分。

 
◆秩父・パリー食堂

昭和2年から創業90年を越え、三代目とそのお孫さんを中心に営む、洋食から中華まで楽しめる大衆食堂。国の登録有形文化財。秩父鉄道・御花畑駅徒歩2分。

 
◆石岡・久松商店(すずめや)

昭和初期建造。もともとの雑貨店「久松商店」の建物を改装し、布小物の制作・販売「すずめや」として営業中。国の登録有形文化財。JR・石岡駅徒歩8分。

 
◆西多摩・藤太軒理容所

創業90年以上、昭和3年建造の、昔ながらの理容室。映画やドラマのロケ地としてもたびたび撮影が行われている。JR・武蔵五日市駅徒歩20分。

 
◆神田須田町・海老原商店

明治時代に古着屋として創業し、現在は、ギャラリーなどとして活用されている。千代田区の景観重要建造物。都営地下鉄・岩本町駅徒歩2分。

 

本書の目次

プロローグ 『看板建築と記憶の扉』

1 『居候とシェアハウス』

2 『ネガとポジ』

3 『時間と記録』

4 『推しとアレルギー』

5 『星空と祭り』

6 『コーヒーと日本酒』

7 『過去とこれから』

エピローグ 『看板建築と未来の空』

 

著者プロフィール

菊地百恵(きくち・ももえ)さんは、脚本家。小泉徳宏監督主宰・モノガタリラボ所属。NHK FM やTOKYO FM など、多数のラジオドラマのほか、ショートフィルム、ソーシャルドラマ、漫画原作に至るまで、幅広いジャンルで脚本を担当。2024年、初の著作となる『看板ボーイズ』を刊行。

★Blog:https://ameblo.jp/setomomonet/

 
<モノガタリラボについて>

映画「ちはやふる」「線は僕を描く」などで知られる小泉徳宏監督が主宰する、シナリオ制作チーム。映画監督、舞台演出家、CMプランナー、アニメーターなど多彩なバックボーンをもつ24名のメンバーが所属(2024年1月現在)し、複数人で執筆にあたる「チームライティング」で映画・配信ドラマ・漫画などの脚本を創作中。

モノガタリラボのメンバーが原作を担当した漫画作品としては、『ザッケン!』(全4巻、小学館)、『氏神さまのコンサルタント』(1巻発売中・講談社)がある。

★X(Twitter):https://twitter.com/mono_gatally

 

看板ボーイズ
菊地百恵 (著), モノガタリラボ (著)

 


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