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角田光代さん現代語訳『源氏物語』が内藤裕子さん朗読でオーディオブック化

河出書房新社から刊行されている角田光代さんによる新しい現代語訳『源氏物語』(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集/河出文庫 古典新訳コレクション)は、8月6日の第7巻発売をもって刊行累計29万部を突破しました。なお、10月に第8巻を刊行し河出文庫版は完結となります。

また、Amazonオーディブル(Audible)にて、8月よりオーディオブックでの配信がスタートしました。元NHKアナウンサー・内藤裕子さんが朗読を担当、”角田源氏”をAudible版『源氏物語』(Audible会員プラン聴き放題対象作品/単品購入価格3,000円)として、順次発売します。

 

角田光代さん現代語訳『源氏物語』について

紫式部によって約1000年前に書かれた『源氏物語』は、世界最古の長篇小説であり、日本文学最大の傑作です。

「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」まで五十四帖で成り立ち、輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる華麗な物語であると同時に、そこには生と死、無常観など人生や社会の深淵が描かれています。その素晴らしさは、400人もの個性溢れる登場人物が織りなすストーリーの面白さ、卓越した構成力、きめ細やかな心情を豊かに綴った筆致にあり、約800首もの和歌に加えて、漢詩、漢文など、文学、宗教、歴史が盛り込まれた壮大かつ重層的な作品です。

 
与謝野晶子、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴さんなどの文豪たちが挑んできた現代語訳を、2020年に角田光代さんが5年の歳月をかけて完成させました。”角田訳”は、何より小説としての面白さが堪能できる最新の現代語訳であり、第72回読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞した話題作です。

 
2024年1月にスタートしたNHK大河ドラマ「光る君へ」は、紫式部の生涯を中心に、藤原道長との知られざる恋、平安時代の色鮮やかな世界、歴史上の人物たちの数奇な運命や恋の和歌などが豪華キャストによって描かれています。2023年10月に刊行を開始した河出文庫 古典新訳コレクション『源氏物語』(全8巻、2024年10月完結)もドラマの盛り上がりとともにさらに注目を集め、2024年8月時点で刊行累計29万部を超えることとなりました。光源氏のモデルになったともされる藤原道長と紫式部の恋の行方に、毎週のドラマ放映後は報道やSNSが異例の盛り上がりを見せています。

 
また、2024年1月より河出書房新社と東洋経済オンラインとのコラボレーション企画として、角田光代さん新訳『源氏物語』の無料ためし読み連載(毎週日曜日14時配信)を継続しています。

★源氏物語の記事一覧:https://toyokeizai.net/category/genjimonogatari

 

Audible版『源氏物語』ナレーター・内藤裕子さん コメント&プロフィール

 
【コメント】

「角田光代さんの『源氏物語』はまさに疾走感のある小説だと感じます。
物語が織りなす男女の愛憎や生と死、ままならない世のはかなさや運命に翻弄される登場人物たちに心を突き動かされています。
千年前も今も変わることのない人間の本質、様々な感情を自分の中で咀嚼し、語り手として、光源氏をはじめ物語の登場人物たちに命を吹き込みたいです。
角田光代さんの思いを大切に、全身全霊で取り組んでまいります。」

 
<内藤裕子(ないとう・ゆうこ)さん プロフィール>

1999年アナウンサーとしてNHK入局。「あさイチ」リポーター、「ニュース7」「首都圏ネットワーク」のキャスター、朝の連続テレビ小説「わかば」や大河ドラマ「篤姫」紀行ナレーションなどNHKアナウンサーとして18年間務める。

現在はフリーアナウンサーとして活動中。

 

訳者プロフィール

角田光代(かくた・みつよ)さんは、1967年生まれ。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。

著書に『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)など。『源氏物語』の現代語訳で読売文学賞を受賞。

 

源氏物語 1 Audible版
角田 光代 (著), 内藤 裕子 (ナレーション), Audible Studios (出版社)

日本文学最大の傑作を、小説としての魅力を余すことなく現代に甦えらせた角田源氏。輝く皇子として誕生した光源氏が、数多くの恋と波瀾に満ちた運命に動かされてゆく。「桐壺」から「末摘花」までを収録。
<疾走感ある自然な訳文で、なにより物語の醍醐味が味わえる、現代語訳の決定版!>
恋に生き、切なさに、嫉妬に、美しさに涙する――
日本文学最大の傑作が、明瞭な完全新訳で甦る、全8巻!
【読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞作】
とりかかる前は、この壮大な物語に、私ごときが触れてもいいのだろうかと思っていた。
実際にとりくみはじめて、私ごときが何をしてもまるで動じない強靭な物語だと知った。
――角田光代 <出版社から>
「最後まで初めて読めました!」「角田さんの訳で物語の全体が分かりました」等、小説としての面白さが分かる現代語訳として大好評の角田源氏。
【読みやすさの工夫を凝らした角田訳の特徴】
●原文に忠実に沿いながらも、読みやすく、感情に引きつけて読める自然な訳文
●主語を補い、地の文の敬語をほぼ廃したことで、細部までわかりやすい
●現代的で歯切れがよく、生き生きとした会話文
●作者や第三者の声(草子地)を魅力的に訳して挿入
●和歌や漢詩などの引用はほぼ全文を補って紹介
 平安時代中期の11世紀初めに紫式部によって書かれた『源氏物語』は、54帖から成る世界最古の長篇小説。輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる物語であると同時に、生と死、無常観など、人生や社会の深淵が描かれている。400人以上の登場人物が織りなす物語の面白さ、卓越した構成力、細やかな心情を豊かに綴った筆致と、1000年読み継がれる傑作。
 『源氏物語 1』は、若き光源氏の姫君たちとの恋と許されぬ藤壺への思慕を描く。

 
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