浅田次郎さん『母の待つ里』が文庫化&ドラマ化
ふるさとと家族を描いた浅田次郎さんの長編小説『母の待つ里』が文庫化され、新潮文庫より刊行されました。
中井貴一さん、松嶋菜々子さん、佐々木蔵之介さん、宮本信子さんらの出演によってテレビドラマ化もされ、NHK BSプレミアム4Kで8月16日・23日、NHK BSで9月21日・28日に放送されます。
40年ぶりのふるさとで待っていたのは、初めて会う「母」だった――。
大手食品会社社長として孤独を感じている松永徹。定年と同時に妻から離婚された室田精一。親を看取ったばかりのベテラン女医・古賀夏生。還暦前後の悩みを抱えた3人が、懐かしい山里の家で不思議な一夜を過ごすと……。
家族とは、そしてふるさととは? 感涙必至の傑作長編です。
★試し読み:https://www.shinchosha.co.jp/book/101929/preview/
◆東京一極集中への疑いと、地方の可能性を描く
本書は、東京一極集中に対する「疑い」の物語でもあります。
民俗学者で、「東北学」の提唱者である赤坂憲雄さんは、本文庫の巻末解説で「都市と田舎という構図が見え隠れしている。(中略)労働力として東京というブラックホールに連れ去られていった若者たちが、きっと数千万人はいたにちがいない」と書いています。
また、20年間にわたり青森県知事を務め、全国過疎地域連盟の前会長である三村申吾さんからは、「『ふるさとを、あなたに』――読み進めて、作中に登場したこの言葉の意味合いの深さに感動して泣いた。東京一極集中と、ぼろぼろになりつつある地方の実情が描かれるなかで、こんなにも真っ直ぐな愛の力による「二地域居住」の方法があるんだと感激した」というコメントが寄せられています。
NHKにてテレビドラマ化が決定!
本作は、中井貴一さん、松嶋菜々子さん、佐々木蔵之介さん、宮本信子さんらの出演により、テレビドラマ化されます。
放送は、
NHK BSプレミアム4Kでは2024年8月16日(金)と8月23日(金)(いずれも20:15~21:44)、
NHK BSでは、9月21日(土)と9月28日(土) (いずれも21:00~22:29)
の予定です。
★特集ドラマ「母の待つ里」制作開始のお知らせ:https://www.nhk.jp/g/blog/fe4ho1pqh5a/
著者プロフィール
浅田次郎(あさだ・じろう)さんは、1951年生まれ、東京都出身。1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞を受賞。以降、『鉄道員(ぽっぽや)』で1997年に第117回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞、2006年『お腹(はら)召しませ』で第1回中央公論文芸賞・第10回司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で第42回吉川英治文学賞、2010年『終わらざる夏』で第64回毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞を受賞するなど数々の文学賞に輝く。また旺盛な執筆活動とその功績により、2015年に紫綬褒章を受章、2019年に第67回菊池寛賞を受賞している。
他の著書に『プリズンホテル』『天切り松 闇がたり』『蒼穹の昴』のシリーズや、『憑神』『赤猫異聞』『一路』『神坐す山の物語』『ブラック オア ホワイト』『わが心のジェニファー』『おもかげ』『長く高い壁 The Great Wall』『大名倒産』『流人道中記』など多数。2011年から6年にわたり、第16代日本ペンクラブ会長も務めている。
母の待つ里 (新潮文庫) 浅田 次郎 (著) 40年ぶりにふるさとに帰ると――。感動の傑作長編! 40年ぶりに帰ってきたふるさとには、年老いた母が待っていた――。 ふるさとを想う人、ふるさとに帰れぬ人、ふるさとのない人。ふるさとをあなたに――。 |
【関連】
▼特集ドラマ「母の待つ里」制作開始のお知らせ – NHK
▼浅田次郎『母の待つ里』 特設サイト | 新潮社
▼試し読み | 『母の待つ里』浅田次郎 | 新潮社
◆【第19回中央公論文芸賞】荻原浩さん『笑う森』が受賞 | 本のページ
◆椰月美智子さん「第69回小学館児童出版文化賞」受賞作『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』がドラマ化 | 本のページ
◆五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第9弾『日々の歓びの見つけ方』が刊行 | 本のページ
◆藤野千夜さん『団地のふたり』が小泉今日子さん・小林聡美さんW主演で連続ドラマ化&文庫化 | 本のページ