本のページ

SINCE 1991

ルポ・神出病院虐待事件『黴の生えた病棟で』が刊行

神戸新聞社は、記者たちが約4年間にわたって継続取材したルポルタージュ『黴(カビ)の生えた病棟で―ルポ・神出病院虐待事件』(著:神戸新聞取材班)を毎日新聞出版より刊行しました。

 

組織腐敗の構図、その集団心理とは?

 
精神科病棟の看護師たちは、夜な夜な患者をもてあそび、笑っていた。
彼らはごく普通の「いい子」たち……のはずだった。

 
2020年3月、兵庫県神戸市西区の精神科病院「神出病院」の看護師や看護助手ら6人の男が患者への虐待容疑で一斉に逮捕されました。

看護の道を志して集まった彼らは、なぜ卑劣な犯行に手を染めたのか。閉ざされた病棟ではいったい何が起きていたのか。全国で相次ぐ同様の事件の背景には何があるのか?

――地元紙神戸新聞の取材班が事件とその背景に迫った、2023年度「新聞労連ジャーナリズム大賞」優秀賞受賞の新聞連載を大幅加筆のうえ、書籍化。

 
<作家・早見和真さん 推薦>

「胸糞が悪い。許せない。それでも、この〝現実〟を見ないフリをする都合のいい人間ではいたくない」

 

本書の目次

プロローグ 押収したスマホから事件発覚

第1章 逮捕後も晴れない疑惑

第2章 虐待を育んだ負の連鎖

第3章 精神科病院で何が起きているのか

第4章 “普通の人”が虐待加害者になる時

第5章 誰も正義の味方にはなれない

 

著者プロフィール

神戸新聞社報道部取材班:前川茂之さん、小谷千穂さん、デスク・安藤文暁さん

事件発覚時、入社4年目の小谷さんが単独で取材を続けていたのは、どうしても事件に割り切れない、底気味の悪さを感じていたからだった。それに共感する形で事件キャップだった前川さんが加わり、遊軍デスクになった安藤さんが加わって取材班をつくった。当初「汚れ切った事件」ではないかと疑ったが、真相を追い、関係者に話を聞くうちに、少しずつ思いは変わっていった。

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です