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すべての「部下」に捧げる納得と共感のリーダー論『なぜこんな人が上司なのか』が刊行

桃野泰徳さんによる〈リーダー論〉『なぜこんな人が上司なのか』が新潮新書より刊行されました。

 

「人材不足のせいにする」「無駄な仕事を増やす」「データを読めない」「器がとにかく小さい」――全員、失格。

「なんでこんな人が、私の上司なんだろう」――そんな気持ちを一度も抱いたことが無い幸せな人はどのくらいいるのでしょうか。今もどこかの組織で、企業できっと嘆いている人がいるはずです。

でも、そう嘆いている人もまたいつか「なんで」と言われる立場になる可能性大です。
日本のほとんどの組織、企業ではまともなリーダー教育を施していないからです。

なぜ多くの経営者、管理職は失敗するのか。尊敬される存在になれないのか。
リーダーとは何を知り、何を学び、何を覚悟すべき存在なのか。

――すべての「上司」と「部下」に捧げる、リーダー論の登場です。

 
『なぜこんな人が上司なのか』には、数多くの「問題上司」「問題経営者」が登場します。
たとえば――

◎失敗は他人のせいに、手柄は自分のものにする
◎業績の不振は「優秀な人材がいないから」だと考えている
◎下にどれだけの裁量権を渡せばよいか理解できていない
◎無駄な仕事を作っては現場を疲弊させる
◎データを正しく読むことができない
◎市場の変化を理解できない

 
本書の著者である桃野泰徳さんは、大手証券会社勤務を経て、CFO(最高財務責任者)やTAM(事業再生担当者)を歴任し、経営再建などに携わった経験の持ち主です。また、自衛隊の幹部らとの親交を持ち、彼らの考えやマインドを直接学んできました。

 
その知見をもとに、桃野さんは「まえがき」で、こう述べています。

「管理職や要職にある人であっても、まともなリーダー教育を受けたことがある人などほぼ皆無だ。換言すれば、そもそもリーダーとはどういう存在か、リーダー自身がまともに考えたことすら無いのである。そんな経営者や管理職の下で仕事をしていれば、ストレスがたまらないほうがおかしいだろう。

『そんなことはない、俺はちゃんと管理職研修を受講した』

そう思う人もいるだろうか。

例えば陸上自衛隊では、数十人の部下を任される小隊長になるまで約1年間、幹部候補生学校で教育を受ける必要がある。この教育を修了する頃、候補生たちは部下全員にメシが行き渡ってから初めて箸を持ち、部下の誰よりも後に風呂に入る『リーダー像』が心と体に焼き付いている。『管理職研修』で果たしてそこまで、リーダーの定義やあるべき姿について考えることができただろうか。

結局のところ、世の中に存在する経営者や管理職と呼ばれる人の大半は、まともなリーダーであるはずがないのである。

そしてそんなリーダーが率いる会社や組織が壊れていく様を、私は経営再建の現場で数多く見てきた。部下の心を壊し、仕事の妨げになっているリーダーたちと向き合ってきた」

 
こうしたリーダーのどこが間違っているか。どう変わるべきか。どう変わってもらうべきか。今はただ「なぜこんな人が上司なのか」と嘆いている人も、いずれは上に立つことになります。

そんなすべての真面目に働く人たちに向けて、豊富なエピソードにユーモアもふんだんにまじえて展開される本書のリーダー論は、必ずこれからの指針となるはずです。

 
【本書の内容】

責任は取らず、手柄は自分のものに。失敗の本質を見抜けず、数字も時代の変化も読めず、無駄な努力を続ける。見当違いの対策を無理強いする――「あの人のことだ」と頭に浮かんだならば、ぜひ本書を開いていただきたい。無能な上司、経営者らの抱える根本的な問題と、そうならないための有益なアドバイスが詰まっているからだ。リーダー教育不在の日本企業に、ユーモアと新鮮な知見を込めた痛烈な一撃を食らわす一冊。

 

本書の構成

まえがき  

第1章 人望を失うリーダーがやっていること
1 「私がいたからこそ成功した」と言う上司へ
2 「置かれた場所で咲きなさい」が無責任な言葉になる時
3 「勝ちたい」と「負けない」の大きな違いとは
4 なぜロシアは今も昔も弱いのか
5 優秀な人材を欲しがるのは無能の証である
6 どれだけ下に裁量権を渡せるか

第2章 組織を壊しているのはリーダーである
1 転職が癖になる彼に伝えたかったこと
2 最凶のパワハラは「無駄な仕事」である
3 AIが問うているのは経営者の資質である
4 ビッグモーターを嗤う資格がある者がどれだけいるか
5 80代現役ホステスが教えてくれる経営の真髄

第3章 成功したリーダーの共通点
1 「部下が言うことを聞かない」と嘆く前に
2 「好きを仕事に」は失敗する
3 新聞社の衰退はスマホのせいなどではない
4 自衛隊の指揮官が本当に恐れていること
5 器の小ささが混乱を招く
6 可能性を信じるところから始まる
7 人生に意味なんかあるのか

あとがき

 

著者プロフィール

桃野泰徳(ももの・やすのり)さんは、1973年生まれ。編集ディレクター、国防ライター。

大和証券勤務を経て、中堅メーカーなどで最高財務責任者(CFO)や事業再生担当者(TAM)を歴任し独立、起業。リーダー論、組織論を中心に朝日新聞GLOBE+や経済誌に執筆。

 

なぜこんな人が上司なのか (新潮新書)
桃野 泰徳 (著)

【「まえがき」より】

「なんでこんな人が、私の上司なんだろう」
 そんなストレスを感じながら、日々仕事をしているビジネスパーソンは、多いのではないだろうか。
 無理もない話で、管理職や要職にある人であっても、まともなリーダー教育を受けたことがある人などほぼ皆無だ。換言すれば、そもそもリーダーとはどういう存在か、リーダー自身がまともに考えたことすら無いのである。そんな経営者や管理職の下で仕事をしていれば、ストレスがたまらないほうがおかしいだろう。
「そんなことはない、俺はちゃんと管理職研修を受講した」
 そう思う人もいるだろうか。
 例えば陸上自衛隊では、数十人の部下を任される小隊長になるまで1年間、幹部候補生学校で教育を受ける必要がある。この教育を修了する頃、候補生たちは部下全員にメシが行き渡ってから初めて箸を持ち、部下の誰よりも後に風呂に入る「リーダー像」が心と体に焼き付いている。「管理職研修」で果たしてそこまで、リーダーの定義やあるべき姿について考えることができただろうか。
 結局のところ、世の中に存在する経営者や管理職と呼ばれる人の大半は、まともなリーダーであるはずがないのである。
 そしてそんなリーダーが率いる会社や組織が壊れていく様を、私は経営再建の現場で数多く見てきた。部下の心を壊し、仕事の妨げになっているリーダーたちと向き合ってきた。
 そんな経験から、本書では世の中のリーダーに向け、
「私たちは、もう少しリーダーという存在について本気で考えるべきだ」
というメッセージを届けたいと願い、筆を進めている。
 なお文中、経営再建の話などは実際の現場で経験した出来事に基づいている。大手証券会社を経て、CFO(最高財務責任者)、経営企画責任者、TAM(ターンアラウンドマネージャー:事業再生担当者)などを歴任する過程で直面した課題を考察している。
 そんなこともあり、関係者に配慮が必要な部分では、事実に反しない範囲で多少の言い換えがあることをご容赦願いたい。
 またリーダーシップや組織論を考察する過程で、親交を頂いている陸海空自衛隊の将官や元最高幹部にも、数多く取材をさせて頂いた。それら最高幹部の考え方やマインドは筆者の解釈なので、あわせてご理解を頂きたい。(以下、略)

 
【関連】
試し読み | 桃野泰徳 『なぜこんな人が上司なのか』 | 新潮社

 


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