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伊坂幸太郎さん『AX』英訳版が英国推理作家協会賞(ダガー賞)イアン・フレミング・スチール・ダガー部門の最終候補に

世界的な権威のあるミステリー文学賞の一つ、英国推理作家協会賞(ダガー賞)イアン・フレミング・スチール・ダガー部門(THE IAN FLEMING STEEL DAGGER)の最終候補作に、伊坂幸太郎さん著『AX アックス』(角川文庫)の英訳版『THE MANTIS』(訳:サム・マリッサさん)が決定しました。受賞作品は、7月4日(現地時間)に発表されます。

なお、伊坂さんは、2022年に小説『マリアビートル』(角川文庫)の英訳版『BULLET TRAIN』が翻訳部門にノミネートされており、同協会賞最終候補に選出されるのは2年ぶり2度目です。

 

ダガー賞イアン・フレミング・スチール・ダガー部門について

イアン・フレミング・スチール・ダガー部門(THE IAN FLEMING STEEL DAGGER)は、英国推理作家協会がその年の優れたスパイ小説、政治スリラー、リーガル・スリラー、法執行スリラー、アクション・アドベンチャーなどに与える文学賞です。

スパイ小説「ジェームズ・ボンド・シリーズ」で知られるイギリスの作家、イアン・フレミングにちなみ、2002年に創設されました。

 
★英国推理作家協会賞公式サイト:https://thecwa.co.uk/
★公式X(旧Twitter)アカウント:https://twitter.com/The_CWA

 

伊坂幸太郎さん コメント

二年前に翻訳部門でノミネートされた時もそうですが、ミステリーを読み始めた頃から、ダガー賞は「遠い国のすごい賞」というイメージで、まさか候補にしてもらえる時が来るなんて、ほんと夢のよう。僕の小説を今まで楽しんできてくれた読者が喜んでくれれば、それが何より嬉しいです。

――伊坂幸太郎

 

『AX アックス』について

伊坂幸太郎さん著『AX アックス』

伊坂幸太郎さん著『AX アックス』

『AX アックス』の主人公は、最強の殺し屋なのに家では妻に頭が上がらない恐妻家「兜」。愛する家族に裏家業のことを隠しながら仕方なく仕事を続ける一方で、息子を持つ一人の父親でもある「兜」の日常を、伊坂さんがスリルとユーモアで描いた極上のエンタメ小説です。

 
単行本刊行時には2018年本屋大賞にノミネートされ、第6回静岡書店大賞(小説部門) 大賞を受賞、フタバベストセレクション2017(フタバ図書) の1位も獲得。また、2020年に文庫版が発売されると、「2020年 年間ベストセラーランキング 文庫部門」第1位(日販調べ 集計期間:2019年11月24日~2020年11月23日)や、「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2020 文庫ランキングTOP20」第1位を獲得するなど、読者から圧倒的な支持を得ています。

 
【あらすじ】

最強の殺し屋は――恐妻家。
物語の新たな可能性を切り開く、エンタテインメント小説の最高峰!

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。
累計300万部突破の殺し屋シリーズ!

★試し読み:https://kadobun.jp/trial/AX/58byjv1fq9s0.html

 
〔登場人物紹介〕

◆兜(かぶと)
業界でも一目置かれる超一流の殺し屋。しかし、極度に妻を恐れる恐妻家。普段は文房具メーカーの営業社員。特定の武器は使わず、驚異的な身体能力で相手を圧倒する。他人の感情をうまく理解できない。

◆妻
兜の妻。共働きで朝早くから働いている。言葉の「裏メッセージ」に敏感で、表しかないメッセージに裏を見つける天才、と兜は思っている。

◆克巳(かつみ)
兜の一人息子。第一話「AX」では、大学受験を控えた高校生。母の機嫌の雲行きが怪しくなると、絶妙なフォローで父を助ける。だが父と母、どちらの味方にもなるので油断大敵。

◆医師
兜の裏家業の仲介役。都内のオフィス街に診療所を構える医師。カルテに標的の情報を記し、兜とは医療用語に偽装した符牒で仕事のことを話す。「手術」は殺害する行為を指し、「悪性」は標的がプロであること、など。

 

〈殺し屋シリーズ〉とは

KADOKAWAより発売中の『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『777 トリプルセブン』の4作が、通称〈殺し屋シリーズ〉。毎回個性的な”殺し屋”が登場し、各作品は関連するものの続きの物語ではなく、それぞれ独立した作品として楽しめます。

 
〈殺し屋シリーズ〉は伊坂幸太郎作品屈指の人気を誇り、シリーズ累計300万部を突破。『マリアビートル』は2022年、英国推理作家協会賞(ダガー賞)翻訳部門 ショートリスト作品(最終候補作/英題『Bullet Train』)となり、また同年、ハリウッド映画化(主演:ブラッド・ピット、監督:デヴィッド・リーチ 邦題『ブレット・トレイン』/原題『BULLET TRAIN』)されました。

 
★特設サイト:https://kadobun.jp/special/isaka-kotaro/koroshiya/

 

著者プロフィール

伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)さんは、1971年生まれ、千葉県出身。1995年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。

『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞、2008年『ゴールデンスランバー』で第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞、2020年『逆ソクラテス』で第33回柴田錬三郎賞を受賞。

他著に『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『777 トリプルセブン』『重力ピエロ』『砂漠』『フィッシュストーリー』『モダンタイムス』『陽気なギャングが地球を回す』『アイネクライネナハトムジーク』『ホワイトラビット』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『ペッパーズ・ゴースト』など多数。

 

AX アックス (角川文庫)
伊坂 幸太郎 (著)

 
【関連】
伊坂幸太郎〈殺し屋シリーズ〉特設サイト | カドブン

 


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