燃え殻さん『ボクたちはみんな大人になれなかった』の”その後の物語”『これはただの夏』が文庫化
25万部突破『ボクたちはみんな大人になれなかった』のその後の物語、燃え殻さん著『これはただの夏』の文庫版が新潮文庫より刊行されました。文庫解説は音楽家・菊地成孔さんが担当。
ボクたちは誰かと一緒に暮らしていけるのだろうか?
本書は、燃え殻さんによる最初の小説であり、25万部を突破したベストセラーでもある『ボクたちはみんな大人になれなかった』の「その後の物語」として書かれました。
著者の燃え殻さんは『ボクたちはみんな大人になれなかった』が、味付けの濃い1曲の長い曲だとしたら、今作は「アルバムの1曲、バラードのような静かな物語」だと言います。どんな夏も、人生においてたった一度しかない、特別な「ただの夏」。このひと夏を通して、主人公はゆるやかに大人になっていきます。
世界の「ふつう」から爪弾きにされ、嘘で埋め尽くされた日常を生き、それでも前に向かって手を伸ばさずにはいられない。その先にどうか一握りの希望がありますように――。しずかな夜に、そっと寄り添う物語です。
【あらすじ】
その瞬間、手にしたかったものが、僕の目の前を駆け抜けていったような気がした――。
テレビ制作会社に勤める秋吉、知人の結婚式で出会った風俗嬢の優香、育児放棄気味の母親と暮らす十歳の明菜、そして末期癌を患う秋吉の仕事仲間、大関。長い人生の中でのほんの一瞬、四人は絶妙な距離を保ちながら、ひと夏を過ごす。嘘で埋めつくされた日常の中で願いのようにチカリと光る「本当」の物語。
音楽家・菊地成孔さんの解説も収録!
『これはただの夏』は、菊地成孔さんがプロデュースしたソロユニット〈けもの〉の青羊さんの楽曲「ただの夏」に触察されて生まれた作品です。
文庫化にあたり、その菊地成孔さんが解説を書きおろしました。冒頭から「非常に正直に申し上げて現在後悔しています。大変に難しい仕事を随分と気軽に引き受けてしまったなと反省しています」と始まるこちらの解説も、必読です。
「マカロニえんぴつ」のはっとりさんから 推薦コメント(一部抜粋)
あの夏、素直に会いに行ってただ一緒に泣いてやればよかった。本当はそうしたかったのにできなかった全てのボクは、この小説を読んで【自分ごと】にせずにはいられないだろう。前作『ボクたちはみんな大人になれなかった』は全力で独り占めしたかったのに対し、この小説は、ここに描かれている数日は、今すぐ誰かに伝えたくなる。
「もう遅いと思うには、きっとまだ早い」と。
――はっとり(マカロニえんぴつVo/Gt)
本書の目次
お姫様はお城の中で雨を眺めていた
フライドポテトの食べ方ひとつで、相性なんてすべてわかる
相手のすべてを知って、幸せになった人はいますか?
船底みたいな部屋で人魚と再会した
イントロを聴いただけで、いつかの夏に連れもどされる曲はありますか?
屋上の子どもたち
人が握ってくれたおにぎりを、何年食べてないだろう
どうかあなたが、あなたを愛し過ぎませんように
十一歳の誕生日、あなたは誰と何を食べましたか?
これはただの夏
著者プロフィール
燃え殻(もえがら)さんは、1973(昭和48)年生まれ、神奈川県横浜市出身。2017(平成29)年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、またエッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+とテレビ東京でドラマ化され、ほかにも映像化、舞台化が相次ぐ。
著書に、小説『これはただの夏』『湯布院奇行』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルー ハワイ』『断片的回顧録』『夢に迷ってタクシーを呼んだ』などがある。
これはただの夏 (新潮文庫) 燃え殻 (著) 20万部突破『ボクたちはみんな大人になれなかった』の燃え殻、待望の小説第2弾。 |
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