小林聡美さん3年ぶりのエッセイ集『茶柱の立つところ』が刊行
俳優・小林聡美さんによる3年ぶりのエッセイ集『茶柱の立つところ』が文藝春秋より刊行されました。
ありきたりな「いつもの暮らし」にも、ときどき小さな幸せがある
コロナ禍前から半分隠居状態、同居の猫とも少々ディスタンスあり気味な関係。たまに出かけることもあるが、基本的にひとりで過ごす。事件と呼べるほどのことは何も起きない極めて平穏な日々。
――そんな生活の中でふと見つけた「茶柱」のような、ささやかな発見や喜びを綴っています。
インスタグラムに現れる動物にほのぼのし、絶景に縮み上がる。ベランダ菜園で生まれてきた野菜たちを親父気分で歓迎する。気のおけない先輩たちとの「婦人会」で、暑苦しくなくお互いを応援し合う。幼なじみとのバスツアーで「おつまみこんぶ」とバスガイドの素晴らしさを噛みしめる。キャットタワーが捨てられなくてひとり途方に暮れる――。
日常を面白がろうとする姿勢から生まれた、ユーモアあふれる着眼点に思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなしの一冊です。
著者・小林聡美さんより(「あとがき」より一部抜粋)
“五十代半ばの「日々考えていること、実践していること、暮らしの楽しみ」をテーマに、ということで書き始めた本書。張り切って、まじめに書き始めたけれど、いざ机に向かってみて改めて痛感したのは、日々たいしたことは考えておらず(晩御飯つくるの面倒だなetc.)、実践というほど際立った事柄もなく(踵にクリーム塗るetc.)、暮らしの楽しみを見つけるのも努力が必要だという現実だった(今日も誰とも口をきいてないetc.)。
五十年も生きていれば、そこそこの体験もしてきて、ちょっとやそっとの出来事ではもう驚かない。自分の居心地の良いポジションもわかっている。できれば、「いつも新鮮な驚きをもって、常に古い殻を破って、いつまでも生き生きと」というようなキラキラした内容をご提供したかったが、結局はいつもの地味でマニアックな生活の開示となってしまった。”
本書の目次
1.挑戦と発見のステイホーム
思い込み
ズームで大海へ
ほのぼの過多
小さな改革・洗髪篇
リアル充実
お弁当
窓を開ければ
すべる力
無駄のありがたさ
田舎暮らしの前に
2.寄り合いのお楽しみ
婦人会
歩く姉妹
バスツアー
国際郵便
チェンマイ千一夜物語(前篇)
チェンマイ千一夜物語(後篇)
がんばれ還暦
猫目線の空
おんなじ顔
3.私は私のパンを買う
猫の毛皮
老眼
憧れのストピ
ピアニストの私に必要なもの
エスカレーターの時間
スタンス!
ピアノ道①
ピアノ道②
青い猫
パンを買いに
4.未来へ連れていかれる日
買い物
たっぷり生きる
相棒と近未来
気持ちのために
心拍数の問題
ふたつの世界
新陳代謝
十年という未来
ハロー、頭蓋骨
どこ行く道
もろもろのおわび
あとがき
著者プロフィール
小林聡美(こばやし・さとみ)さんは、1982年、スクリーンデビュー。以降、映画、ドラマ、舞台で活動。
主な著書に『ワタシは最高にツイている』『散歩』『読まされ図書室』『聡乃学習』『わたしの、本のある日々』など。
茶柱の立つところ 小林 聡美 (著) |
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