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「素人のおじいさん」を第8代監督に抜擢!阪神タイガース史上最大のミステリーを追うノンフィクション『虎の血』が刊行

突然「素人のおじいさん」が阪神タイガースの第8代監督に抜擢された、その真相を追うノンフィクション作品、村瀬秀信さん著『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』が集英社より刊行されました。

 

プロ野球経験なしのジイさんが指揮官って、なんでやねん!?

2023年シーズン、見事に日本一となった阪神タイガース。そのタイガースの長い歴史で「最大のミステリー」とされる人物がいました。第8代監督・岸一郎。1955年シーズン、プロ野球経験ゼロの還暦を過ぎた「おじいさん」が、突然、タイガースの一軍監督に大抜擢されてしまったのです。

写真=神戸新聞社

写真=神戸新聞社

「なんでやねん?」 「じいさん、あんた誰やねん?」──困惑するメディア、ファンを尻目に、ニコニコ顔で就任会見に臨んだ老人は、一説には「私をタイガースの監督に使ってみませんか」と独自のチーム改革案を手紙に書いてオーナーに売り込んだともいわれています。

 
そんな奇っ怪な老人監督を待ち構えていたのは、策謀が渦巻くフロント陣と、ミスタータイガース・藤村富美男ら歴戦の猛虎たち。不穏な空気のなか、ペナントレース開幕からあっという間にタイガースは大混乱に陥っていき……。

 
熱烈なファンでも知る人の少ないこの出来事が、その後のタイガースの受難の始まりと言われるのはなぜなのか?
そもそも「岸一郎」とは何者で、どこから現れ、どこへ消えていったのか?

大阪、満洲、敦賀に残るかすかな痕跡と、吉田義男、小山正明、広岡達朗ら当時を知る野球人たちへの執念の取材で、秘められた球史が次々と明かされるエンタメ・ノンフィクションです。

 

著者プロフィール

村瀬秀信(むらせ・ひでのぶ)さんは、1975年生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。ノンフィクション作家。

県立茅ケ崎西浜高校を卒業後、全国各地を放浪。2000年よりライターとしてスポーツ、カルチャー、食などをテーマに雑誌、ウェブで幅広く執筆。2017年から文春オンライン上で「文春野球コラムペナントレース」を主宰するほか、プロ野球関連イベントの司会・パネリストとしても出演多数。

著書に『4522敗の記憶』(双葉社)、『止めたバットでツーベース』(双葉社)、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』シリーズ(講談社)などがある。

 

虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督
村瀬 秀信 (著)

ついに18年ぶりの優勝を果たし、沸き立つ阪神タイガース。
そのタイガースの歴史上、「最大のミステリー」とされる人物がいる。

第8代監督・岸一郎。

1955(昭和30)年シーズン、プロ野球経験ゼロの還暦を過ぎたおじいさんが、突然、タイガースの一軍監督に大抜擢されてしまったのだ。

「なんでやねん?」 「じいさん、あんた誰やねん?」
困惑するファンを尻目に、ニコニコ顔で就任会見に臨んだ岸一郎。
一説には、「私をタイガースの監督に使ってみませんか」と、手紙で独自のチーム改革案をオーナーに売り込んだともいわれる。

そんな老人監督を待ち構えていたのは、迷走しがちなフロント陣と、ミスタータイガース・藤村富美男に代表される歴戦の猛虎たち。
メンツを潰された球団のレジェンド、前監督の松木謙治郎も怒りを隠さない。
不穏な空気がチームに充満するなかで始まったペナントレース。
素人のふるう采配と身勝手に振る舞う選手たちは互いに相容れず、開幕後、あっという間にタイガースは大混乱に陥っていく……。

ファンでも知る人は少なく、球史でも触れられることのないこの出来事が単なる“昭和の珍事”では終わらず、タイガースの悪しき伝統である“お家騒動体質”が始まったきっかけとされるのは、なぜなのか?
そもそも岸一郎とは何者で、どこから現れ、どこへ消えていったのか?

大阪─満洲─敦賀。ゆかりの地に残された、わずかな痕跡。
吉田義男、小山正明、広岡達朗ら当時を知る野球人たちの貴重な証言。
没年すら不詳という老人監督のルーツを辿り、行方を追うことで、日本野球の近代史と愛憎渦巻く阪神タイガースの特異な本質に迫る!

 


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