【書店員が選ぶノンフィクション大賞2024】三宅香帆さん『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が受賞
丸善ジュンク堂書店各店や紀伊國屋書店および全国の書店スタッフの投票による「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」の大賞作品が2024年10月18日に決定しました。
「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」が決定!
投票には全国から20法人以上、481名の書店員が参加し、2024年の大賞として、 三宅香帆さん著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)を選出しました。
<三宅香帆さん 受賞コメント>
働いている人が、書店に行きたくなる本を書きたい、……その一心で書いた本でした。
今回の受賞は「この謎の新書を売ってみるか」と賭けてくださった、ひとりひとりの書店員さんのおかげです。
いま、書店が厳しい状況に置かれているニュースを耳にするたび、胸が痛くなります。
日本中で「あの本を買いたい」と書店へ足を運ぶ方を増やすことが、自分のミッションだと思っています。
あなたが本を読みたくなる本を、これからも書き続けます。本当にありがとうございました!
◇書店員さんからのお祝いコメント
◎気が付けばスマホばかり見ている人が多くなってしまっている現代社会に必読の一冊でした。過去から現代までの歴史、流行、社会と本との結びつきを知ることができ興味深かったです。「読書」というものの重要さを改めて学ぶことができ、書店員としても一読者としても本との関りを見つめ直すきっかけとなりました。読書を楽しめる働き方を目指していきたいです。
(丸善 日本橋店 / 芸術担当 / H.S.)
◎この本のタイトルを目にした時「グサッ」ときた。学生時代は四六時中本を読んでいたのに、本が好きで、本を読みたくて書店で働いているのに、朝から晩まで働いて、休日をダラダラ過ごしていたら、気づけば全然本を読めていない。「これではいかん」と姿勢を正して、今まで何度読書に向き直ってきたことか。私を悩ます本が読めなくなる現象の「なぜ」を追求してくれた一冊。この本を読んで改めて「読書」とは何なのかを考える事ができた。
(丸善ジュンク堂書店 営業本部 / Y.K.)
受賞者プロフィール
三宅香帆(みやけ・かほ)さんは、文芸評論家。1994年生まれ、高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。
著作に『ずっと幸せなら本なんて読まなかった―人生の悩み・苦しみに効く名作33』『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』『名場面でわかる 刺さる小説の技術』『女の子の謎を解く』『それを読むたび思い出す』『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『人生を狂わす名著50』『30日de源氏物語』『娘が母を殺すには?』『「好き」を言語化する技術―推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』など多数。
「書店員が選ぶノンフィクション大賞」について
「書店員が選ぶノンフィクション大賞」は、丸善ジュンク堂書店をはじめとする日本全国の書店員が、対象期間中に発行されたノンフィクションのなかで最も「売りたい」と思う作品を選ぶ賞です。
第1回目となった2023年は対象期間は設けない「オールタイムベスト」という基準で選考、2024年からは年ごとに年度ベストを選定。2024年はノミネートされた40作品に対して、9月1日~9月20日の期間、全国の書店員に投票を募り、大賞を決定しました。
【ノンフィクション大賞ノミネート作品の選考基準】
◎ドキュメンタリーやルポルタージュだけでなく、記録文学、自伝、評伝、考察、紀行文、インタビュー集、回想録など広い範囲を「ノンフィクション」と定義
◎2023年6月~2024年5月に刊行されたものが対象
◎日本語書籍に限らず、海外作品の日本語翻訳書も対象
以上の条件で全国の書店員から推薦作品を募り、その中から販売可能な40作品を選出。
ノミネート作品は、https://www.maruzenjunkudo.co.jp/pages/nonfic2024 をご覧ください。
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