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人気作詞家からエッセイストへ難病を得て転身――麻生圭子さん『66歳、家も人生もリノベーション』が刊行

麻生圭子さんが琵琶湖畔での移住生活、新たな人生と老後への前向きな思いを語る『66歳、家も人生もリノベーション 自分に自由に 水辺の生活』が主婦と生活社より刊行されました。

 

80年代アイドル曲の作詞家からエッセイストへ

80年代、浅香唯さんや吉川晃司さんなどアイドルの楽曲の作詞家として活躍した麻生圭子さん。エッセイストへの転身の理由は、難病(若年発症型両側性感音難聴)の進行でした。

そして、人工内耳を入れた今、66歳にして、音とともに新たな人生を始めました。古い小屋を夫婦でセルフリノベーションして、まさに家も人生もリノベーション!

 
“Mother Lake(母なる湖)”と呼ばれる琵琶湖の自然に抱かれながら、ご主人と猫、最近仲間入りした仔犬との生活。人工内耳によって少しずつ音を感じ、受け取り、人とのつながりは筆談から対話へ……。

 
家族も自身も進化していく中で自分の心をいっそう開放し、清々しさが染み入る著者の言葉は、これから先の人生を愉しむヒントになるはずです。

 
「サイズを小さくするだけが老年期ではないと思うんです」と麻生さん。人生100年時代、60代は人生をリノベーションする時。自分に素直に、自由な気持ちで生きていくヒントをくれる一冊です。

 
【若年発症型両側性感音難聴について】

記憶に新しいフジテレビのドラマ「silent」で目黒蓮さん演じる佐倉想が患っていた病気です。

★若年発症型両側性感音難聴(指定難病304):https://www.nanbyou.or.jp/entry/4627
★ドラマ「silent」:https://www.fujitv.co.jp/silent/

 

著者からのメッセージ

私はおそらく子どもの頃から4000Hz以上の高周波が聴こえない、高音急墜型感音難聴。
それが徐々に進行し、50歳少し前に聴力障害者6級。
この10年で著しく進行して、一昨年身体障がい者手帳3級に。人工内耳を勧められました。
さまざまな精密検査を経て手術し、現在、人工内耳センターでリハビリ中です。
音に少しずつ慣れてきて、開放的な世界がひらけました。
スケルトンからの再構築。
66歳は、世間では終活を問われる年齢ですが、私は「リノベーション世代」だと感じているんです。
そしてこれからは聴力障害者として、誤解を解き、理解を得られるよう、声をあげていきたいとも思っています。
――麻生圭子

 

本書の目次

Chapter 1 60代は、好きなものと素のままで
鹿が棲む水辺へ
鹿の声が私のトロフィー
猫がくれたアイディア
窓は天使の羽のよう
書斎の話
痩せっぽっちのトルソーウォーター・クローゼット
ベルギーの脚立はキャットタワー
ロンドンで買ったアンティーク
玄関のダブルドア
麻のシーツがカーテンになる
琵琶湖で生まれる真珠

Chapter 2 季節は流れる水とともに
琵琶湖の小さな物語
春は風とともにやってくる
うつむく花 笑う花
水鏡に映る夢
初夏を数える 草を覚える
水をつかむ、風をつかむ
終わったあとに始まる秋
天空散歩の夢の午後
火の季節になりました
琵琶湖も白鳥の湖
何もないから暖かい

Chapter 3 好きな場所、好きな家を自分たちの手で、もっと好きに
日本の湖水地方を探して
ビンテージの小屋にときめく
湖畔のスケルトン/サブウェイタイルを貼る住みながらセルフ・リノベーション
デッキは日常のしあわせを教えてくれる
カフェのようなキッチンにしたい
シンボルツリーは桂の木
やっぱり水が好き
蜃気楼も見える場所
大切な人たちを大好きな場所に

Chapter 4 元気と愉しみをくれるのは、猫と夫と母と
私と猫と虹と
ロッタちゃんのショーケース
飛行機を歩いた猫
湖畔の黒猫物語
銀貨草(ルナリア)という猫がいました
さくら耳になった猫
母猫が教えてくれた大切なこと
ゆっくりとゆっくりと、湖水へと
薪ストーブとフォレストワーカーと
観葉植物から「暮らし」が生まれる
静けさはやさしい音に満ち溢れている
水辺へ流れていた

 

著者プロフィール

麻生圭子(あそう・けいこ)さんは、1957年生まれ、東京育ち。80年代、作詞家として浅香唯さん、吉川晃司さんなどの人気アイドルのヒット曲を多数手がけるも、聴力が衰える病気「若年発症型両側性感音難聴」が深刻化し、エッセイストに転身。

1996年、結婚を機に京都に移り住み、『東京育ちの京都案内』(文藝春秋)、『京都がくれた「小さな生活」。』(集英社)などを上梓。1年のロンドン生活を経て、2016年より琵琶湖畔に暮らす。

 

 


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