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「弱いアメリカ」しか知らない世代の、社会変革への想像力とは?三牧聖子さん『Z世代のアメリカ』が刊行

三牧聖子さん著『Z世代のアメリカ』(NHK出版新書)

三牧聖子さん著『Z世代のアメリカ』(NHK出版新書)

現在人口の2割を占めるアメリカのZ世代。20年に及ぶ「テロとの戦い」や金融危機など、自国の「弱さ」を感じて育った世代であり、社会運動の主体として、中長期的にはアメリカの政治・社会にも影響を及ぼすと見られる彼らにとって、今のアメリカ政治・社会はどのように見えているのでしょうか。

米中対立、反リベラリズム、ジェンダー平等、レイシズムまで――国際政治学者・三牧聖子さんがさまざまな角度からアメリカの現在と未来を描き出す『Z世代のアメリカ』がNHK出版より刊行されました。

 

機能不全に陥る民主主義、「保守」化する社会、脆弱な社会保障、拡大する経済格差――

戦後国際秩序の盟主としてのアメリカが今多くの難題を抱え、転換期を迎える中で、アメリカのZ世代が社会変革の主体として注目を集めています。

「テロとの戦い」の泥沼化や金融危機など、綻ぶ自国を見ながら育った彼らにとっては、機能不全に陥る民主主義、拡大する経済格差、脆弱な社会保障こそがアメリカの「現実」です。

 
『Z世代のアメリカ』では、そんなZ世代の目を通してアメリカの抱える困難と希望をさまざまな角度から描き出します。
プーチンとアメリカ右派の思想的共鳴とは? 「初の女性副大統領」カマラ・ハリスへの支持はなぜ失われたのか? 一大旋風を巻き起こしたバーニー・サンダースの戦いはいかに受け継がれたか?

日本にとっても決して他人事ではない複雑な問題と真摯に向き合い、市民の手に政治を取り戻すための想像力を広げる一冊です。

 

本書の構成

第一章 例外主義の終わり――「弱いアメリカ」を直視するZ世代

第二章 広がる反リベラリズム――プーチンと接近する右派たち

第三章 米中対立はどう乗り越えられるか――Z世代の現実主義

第四章 終わらない「テロとの戦い」――Z世代にとっての9・11

第五章  人道の普遍化を求めて――アメリカのダブル・スタンダードを批判するZ世代

第六章 ジェンダー平等への長い道のり――Z世代のフェミニズム

第七章 揺らぐ中絶の権利――Z世代の人権闘争

 

著者プロフィール

著者の三牧聖子(みまき・せいこ)さんは、1981年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。

東京大学教養学部卒業、同大学院総合文化研究科博士課程修了。米ハーバード大学日米関係プログラム・アカデミックアソシエイト、高崎経済大学准教授などを経て現職。専門はアメリカ政治外交史、国際関係論、平和研究。

著書に『戦争違法化運動の時代―「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会)、共編著に『E.H.カーを読む』(ナカニシヤ出版)、共著に『私たちが声を上げるとき―アメリカを変えた10の問い』(集英社新書)、共訳書に『リベラリズム 失われた歴史と現在』(青土社)がある。

 

Z世代のアメリカ (NHK出版新書)
三牧 聖子 (著)

「弱いアメリカ」しか知らない世代の、社会変革の想像力とは?

機能不全に陥る民主主義、「保守」化する社会、脆弱な社会保障、拡大する経済格差――
戦後国際秩序の盟主としてのアメリカが今多くの難題を抱え、転換期を迎える中で、人口の2割を占める米国のZ世代は、社会変革の主体として注目を集めている。

テロとの闘いの泥沼化や金融危機など、自国の「弱さ」を感じながら育った彼らにとっては、機能不全に陥る民主主義、拡大する経済格差、脆弱な社会保障こそがアメリカの「現実」だ。
長期的には政治・外交にも影響を及ぼすと見られる彼らは今、どのような価値観や対外政策への志向を持ち、アクションを起こしているのだろうか?

米中対立、反リベラリズムからジェンダー平等、レイシズムまで。
気鋭の国際政治学者が、アメリカの今と未来をさまざまな角度から描き出し、私たちの社会や政治の想像力を広げる渾身の書。

 


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