【第36回三島由紀夫賞&山本周五郎賞】三島賞は朝比奈秋さん、山本賞は永井紗耶子さんが受賞
新潮社は5月16日、第36回三島由紀夫賞および第36回山本周五郎賞の受賞作を発表しました。
第36回三島賞&山本賞が決定!
第36回三島賞および第36回山本賞の受賞作品は次の通りです。
<第36回三島由紀夫賞 受賞作品>
朝比奈秋(あさひな・あき)さん
『植物少女』(朝日新聞出版)
<第36回山本周五郎賞 受賞作品>
永井紗耶子(ながい・さやこ)さん
『木挽町のあだ討ち』(新潮社)
三島賞を受賞した朝比奈秋さんは、1981年生まれ、京都府出身。医師。2021年「塩の道」で第七回林芙美子文学賞を受賞。同作を収録した『私の盲端』でデビュー。
山本賞を受賞した永井紗耶子さんは、1977年生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒業。新聞記者を経て、フリーランスライターとなり、新聞、雑誌などで幅広く活躍。2010年『絡繰り心中』で小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。2020年に刊行した『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』は細谷正充賞、本屋が選ぶ時代小説大賞、2021年に新田次郎文学賞を受賞。2022年『女人入眼』が第167回直木賞の候補作に。
両賞とも、受賞者には記念品および100万円が授与されます。
選考委員は、三島賞が川上未映子さん、高橋源一郎さん、多和田葉子さん、中村文則さん、松家仁之さん、山本賞が伊坂幸太郎さん、江國香織さん、荻原浩さん、今野敏さん、三浦しをんさん。
なお、両賞の候補作品は以下の各5作品でした。
【第36回三島由紀夫賞 候補作品】
◎年森瑛さん「N/A(エヌエー)」(文藝春秋)
◎小池水音「息」(『新潮』2022年10月号)
◎朝比奈秋さん『植物少女』(朝日新聞出版)
◎千葉雅也さん「エレクトリック」(『新潮』2023年2月号)
◎野々井透さん『棕櫚(しゅろ)を燃やす』(筑摩書房)
【第36回山本周五郎賞 候補作品】
◎浅倉秋成(あさくら・あきなり)さん『俺ではない炎上』(双葉社)
◎荻堂顕(おぎどう・あきら)さん『ループ・オブ・ザ・コード』(新潮社)
◎永井紗耶子(ながい・さやこ)さん『木挽町のあだ討ち』(新潮社)
◎岩井圭也(いわい・けいや)さん『完全なる白銀』(小学館)
◎吉川トリコ(よしかわ・とりこ)さん『あわのまにまに』(KADOKAWA)
三島由紀夫賞・山本周五郎賞とは
三島由紀夫賞と山本周五郎賞はともに、新潮社が設立した「一般財団法人 新潮文芸振興会」が主催。
三島由紀夫賞は、作家・三島由紀夫の業績を記念し、1987年に創設。小説、評論、詩歌、戯曲を対象とし、「文学の前途を拓く新鋭の作品」に贈られる文学賞です。
山本周五郎賞は、大衆文学・時代小説の分野で昭和期に活躍した山本周五郎にちなみ、三島由紀夫賞とともに創設。「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」に贈られる文学賞です。一応、対象となるのは「小説」となっていますが、それ以外の分野でも対象となる可能性があります。
両賞とも、前年4月1日より当年3月31日までに発表された作品が選考対象となります。
植物少女 朝比奈 秋 (著) 美桜が生まれた時からずっと母は植物状態でベッドに寝たきりだった。小学生の頃も大人になっても母に会いに病室へ行く。動いている母の姿は想像ができなかった。美桜の成長を通して、親子の関係性も変化していき──現役医師でもある著者が唯一無二の母と娘のあり方を描く。 |
木挽町のあだ討ち 永井 紗耶子 (著) 疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。 |
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