五木寛之さん初のテーマ別作品集〈五木寛之セレクション〉第2弾『音楽小説名作集』が刊行
東京書籍は、五木寛之さんの初となるテーマ別作品集の第2弾『五木寛之セレクションII【音楽小説名作集】』を刊行しました。
音楽は国境を超え、60年代のリズムが甦る! 衝撃のデビュー作を含む6作品を収録
第II巻目は【音楽小説名作集】として、衝撃のデビュー作『さらばモスクワ愚連隊』をはじめ、ジャズやファドなどをテーマに、人間の生き方と音楽の根源に迫る名作の数々を収録しています。
なお、投げ込みの「月報」では、五木寛之さんの書下しエッセイと同時代評論を掲載しており、Vol.2には、五木寛之さん、水野忠夫さん、寺山修司さんが登場。
【収録作品】
「さらばモスクワ愚連隊」(1966・6)
モスクワの裏通りを舞台に不良少年たちが奏でる奇跡のジャズ演奏。「音の聴こえてくる小説」と絶賛され、音楽と人生の本質に迫った鮮烈なデビュー作。
小説現代新人賞受賞。
「海を見ていたジョニー」(1967・4)
音楽は人間だ。ジャズ的とは人間的なことだ。戦場に赴いた黒人兵ジョニーの戦慄のピアノ演奏がつむぐ、愛と哀しみの人間ドラマ。レコード化、映像化もされた不朽の名作。
「老兵たちの合唱」(1968・1)
ニューオリンズの黒人ジャズバンドによる日本公演が企画された。はたして公演は実現できるのか、成功するのか。平均年齢68歳のバンドマンが奏でる奇跡の演奏。
「われはうたへど」(1969・8)
あえて日陰の道を歩む老作詞家。依怙地な男には、戦時中、戦意高揚歌を作っていた過去があった。逃れがたい運命を背負った男にとって音楽とは何であったのか。
「帝国陸軍喇叭集」(1970・7)
スター歌手に逃げられ、途方に暮れる音楽ディレクターは、とある小劇場で衝撃を受ける。そこで目撃したものは陸軍喇叭だった。命運をかけた勝負が始まる。
「暗いはしけ」(1971・10)
ポルトガルリスボン。ファドの歌い手との運命的な出会いと、衝撃的な結末。作詞家・五木寛之の手による「鳩のいない村」(1970年日本作詞家大賞受賞)の楽譜も掲載。
巻末にはマイク・モラスキーさんとの対談解説を掲載
【対談解説】(60頁)
五木寛之VSマイク・モラスキー
戦後の闇文化やジャズ文化を中心に、五木作品の異質性やピエ・ノワール(引揚者)の系譜について、まさにジャズのように縦横無尽に語りあう。
<マイク・モラスキーさん プロフィール>
早稲田大学国際教養学部教授、専攻は日本文化研究・ジャズ研究。
1956年(昭和31年)米国セントルイス生まれ。1976年に初来日。シカゴ大学大学院東アジア言語文明研究科博士課程修了(日本文学)。ミネソタ大学教授、一橋大教授を経て現職。
著書は『戦後日本のジャズ文化』(岩波現代文庫、2006年サントリー学芸賞)、『呑めば、都─居酒屋の東京』、『ジャズ喫茶論─戦後の日本文化を歩く』(以上筑摩書房)、『日本の居酒屋文化―赤提灯の魅力を探る』(光文社新書)、『占領の記憶 記憶の占領─戦後沖縄・日本とアメリカ』(訳:鈴木直子さん、岩波現代文庫)、『ジャズピアノ(上下)─その歴史から聴き方まで』(岩波書店、2023年秋刊行予定)など、ジャズや居酒屋をテーマにした書籍を多数執筆。ジャズ・ピアニストとして演奏も行う。
〈五木寛之セレクション〉第1巻は「国際ミステリー集」
「五木寛之セレクション」の第1巻目は、【国際ミステリー集】として、直木賞受賞作『蒼ざめた馬を見よ』をはじめ、現代のロシア問題、日韓の文化問題に迫る驚愕のミステリー3篇を収録。
【収録作品】
「蒼ざめた馬を見よ」(1966.12)
ソ連の体制を痛烈に批判した小説をめぐる恐るべき陰謀。
第56回直木賞受賞作。
「夜の斧」(1967.12)
ソ連の捕虜として、かつて北満洲で収容されていた男にかかってきた不気味な暗号電話とは。
「深夜美術館」(1975.12)
庭園を見ると過剰な興奮をする女を通して、日韓の文化財問題に鋭く切り込む。
巻末には、佐藤優さんとの対談解説を掲載(50頁)。「月報」掲載は五木寛之さん、石岡瑛子さん、佃實夫さん。
著者プロフィール
五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932年(昭和7年)9月生まれ、福岡県出身。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引揚げ。1952年早稲田大学ロシア文学科入学。1957年中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、1966年『さらば モスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、1976年『青春の門』(筑豊篇ほか)で第10回吉川英治文学賞、2002年に第50回菊池寛賞、2009年にNHK放送文化賞、2010年に親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
著書は『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『風の王国』『蓮如』『風に吹かれて』『大河の一滴』など多数。翻訳にリチャード・バック『かもめのジョナサン』、ブルック・ニューマン『リトルターン』など。
五木寛之セレクションII【音楽小説名作集】 五木 寛之 (著) 五木寛之、初のテーマ別作品集、待望の第2弾! 第2巻目は、【音楽小説名作集】として、衝撃のデビュー作『さらばモスクワ愚連隊』の他、ジャズやファドなどをテーマとした、時代を越えた名作の数々を収録。 |
<既刊>
五木寛之セレクション I 【国際ミステリー集】 五木 寛之 (著) 五木寛之、初のテーマ別作品集ついに刊行! 第1巻目は、【国際ミステリー集】として、直木賞受賞作『蒼ざめた馬を見よ』の他、現代のロシア問題、日韓問題に迫る驚愕のミステリーを収録。 |
◆SFマガジン編集長「ちょっと信じられないような小説に出逢ってしまった」――間宮改衣さんデビュー作『ここはすべての夜明けまえ』が刊行 | 本のページ
◆角田光代さんが「信じる」ことの意味を問う『方舟を燃やす』が刊行 | 本のページ
◆木内昇さん『かたばみ』が山中由貴さん主催「第10回山中賞」を受賞! | 本のページ
◆五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第7弾『本を友とする生き方』が刊行 | 本のページ